レッサーパンダべだ
「でも花音は例外べだ。通常、12歳からしかなれないところ10歳……小学4年生から魔法少女になったべだ」
「え、小学生から?!なんでなれたの?」
私と同じでシステム的に入れないはずなんじゃないのかと思ってしまう。私の場合は自分の思い込みでなれているだけ。
…たしか小学生とかはまだ自分でちゃんと考えられないからって理由で魔法少女になるのを禁止されていたはず。
「……魔法少女には上限の18歳は決めてても、下限は決めてないべだ。」
「……」
たぶん枝豆言い方的に恐らく18歳以上は問答無用ではじかれるが、12歳以下に設定を付けていないということだろう。
……てことは理論上だと1歳で2歳でも魔法少女になれるってことになるけど
「たぶん、あかりの思っている通りべだ。中学生以上っていうのはあくまでも妖精側で心がけているだけで契約自体は不可能じゃないべだ。」
「契約しないわけにはいかない理由があったとか?」
「……ごにょごにょ」
妖精の状態の枝豆の会話が聞かれることはないのに意味もなく枝豆が耳うちをしてくる。たしかに話された内容はあまりおおやけの場で話すような内容ではなかった。簡単に言うと家庭の問題だった。
それを聞いてしまうと小学生である花音を魔法少女にした枝豆たちを非難することはできなかった。
「そんな感じで花音は魔法少女になったべだ。この間いったべだけど魔法少女は若ければ若いほど強いべだ。」
魔法少女の力の源には希望と可能性がある。社会の汚さを知らず、常に前だけを見ていられる幼いころのほうが強い。
「小学生の頃が花音が強かったでことでしょ。それがなにか問題があるの?」
「……小学校の頃の花音はとにかく強かったべだ。でも中学生になった今、花音は少しずつ弱くなり始めたべだ。しだいに昔、倒せていたレベルの敵を倒せなくなることも増えたべだ。」
昔できていたことができなくなるのは子供でも大人でもあまり嬉しいことではない。しかしまだ子供である花音にとってはかなり厳しく、自分のプライドに傷をつけられたのは間違いない。
「それが影響してか、花音の学校生活もあまりうまくいかなくなったべだ。」
「………」
「こういう事例は魔法少女のなかで少なくないべだけど、花音の場合は結構ひどいべだね……」
枝豆はかなり深刻そうな顔をしていた。
「どうにかならないの?」
「一応、花音が契約している妖精ができる限りのメンタルケアしているべだ。まぁ今日あった感じ的に……」
枝豆の言い方的にあまりうまくいってないのだろう。
……といっても私なんかじゃあ何もしてあげられないし、かえって逆効果になってしまう。
なにかないかと模索しているとふと疑問が思い浮かんだ。
「……妖精で思いだしたんだけど今日、海麗たちのお供をしている妖精の姿がなかったけど、どこにいるの?」
「あー、今日は海麗たちと顔合わせだったべだからそっちに集中してほしいって言って食べだね。だから隅っこで隠れてたべだよ。」
「……そうなんだ」
今のところあったのは由南のエルノンっていうウサギのぬいぐるみの妖精と枝豆だけである。
……この感じでいくと残り妖精たちもぬいぐるみなのかな。
「んーこれからどうしたものか」
考えることは多いが明日は仕事であるためとりあえずは帰宅した。
■■■
そして夜中の12時、日課になりつつある怪物退治へと外にでていた。
「たぶん……このあたりべだね」
「はやく終わらせよ」
「そうべだね…」
「そういえばさ枝豆、なんで魔法少女ってなんで男がやっちゃだめなの?」
「突然べだね……」
「なんかふと思いついちゃった。」
魔法少女は希望と可能性を力に変える……ならそれが少女ではなくとも少年でも行けると思ってしまう。
「うーん、なんでべだ?あんま考えてこなかったからわかんないべだね」
「え、普通一回は考えるくない?」
「うーんそうべだかね。ほかの妖精たちもあんま考えてないと思うべだけど…」
「えーそんなことある?」
妖精として何人も魔法少女を見ていたら絶対一回は考えてもおかしくはないはずだ。
……こいつが適当すぎるだけかな。ていうか枝豆って何歳なんだろう?
「僕たち妖精のほとんどはそこら辺のシステムについては何にも知らんべだからね。」
「……」
考えれば考えるほどこの魔法少女に疑問が出てくる。枝豆はたいてい起こる不思議なことをすべて魔法と言っているが、本当に実在するのかさだかじゃない。
…もしかして宇宙人とかの仕業?
そんなどこかで聞いたことあるような話を妄想していると、目的地についた。
「なにあれ……」
目のまえには体長2m弱の巨大なレッサーパンダがいた。
「怪物べだね」
私たちと目があうときょとんと顔を傾げ、じっとつぶらな瞳で見つめてくる。
「え、私はいまからこいつを倒さなきゃいけないの?」
「そうべだけど、どうかしたべだ?」
「……あんな可愛いらしいのに?」
「それでも怪物は怪物べだ!絶対倒すだよ。」
「う、わかってるよ…」
私は葛藤しながらも鞄の中にある保冷バッグからお酒を取り出した。ス〇ゼロである。
……この間酔った勢いで箱買いしたせいで大量にあるんだよな
勢いよく蓋をあけ一気に口に流し込む。
全身にアルコールが駆け巡っていくのを感じ取れた。
「ぷはぁあああ」
「なんか死にそうな飲み方するべだね……」
「うるへー飲まなきゃやってらんないだよ」
空になった缶を枝豆にわたしステッキを取り出した。
「へーんしん」
ステッキから光があふれ出し全身を覆い魔法少女の姿へとなった。




