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第四話 巫女として、人として


 洋介、沙織、萌々側



 近くの崩壊した街を歩く3人。


 街の無残な姿を見て…心がきゅっと締まる感じがしていた。


 ……。


 「酷いね……しかも……これ……」

 沙織はそれをあまり見ないように言う。


 「ああ、奴らは力の持たない俺達以外を全て倒すつもりなんだろう……学校の生徒もみんなやられている可能性もあるし……」


 「ダークワールド……厄介な組織ね……それに水口さん達の方も無事だといいけど……」


 「そうだな………」


 ……!


 「避けろ!!!」

 洋介がとっさに言いうつ伏せになる3人。



 ドカーン。


 当然の爆発。


 コツコツ。


 3人の前に現れたのは、巫女姿の女と細身の男だ。


 「……お前達……ダークワールドって組織の奴らだろ」

 3人は直ぐに立ち上がり洋介が相手に向かって言う。


 「……そうよ………、それよりも三神洋介、春野沙織、有根萌々……ね。

 ターゲットを見つけたわ。

 それにその子は……ふふ、新田遥斗と水原亜香里の子ね」


 !


 (コイツ、何で子供が遥斗の奴って分かったんだ?……コイツらどこまで情報を知ってやがる?)


 「そうね……なら、やられてくれないかしら?私達はこの世界を争いの世界にしたくない。

 いつも通りの平和な世界にしたいの……貴方達、ダークワールド達を倒すつもりだから」


 萌々が言う。


 「ふふやられる訳には行きませんよ。

 そしてその子……その子も回収しますね、その後は廃棄しますが……」


 「つまり殺すってことだよな?お前達にとって都合が悪いらしいな」


 「そうね、その子はあの二人の力を得ている……我々の世界には必要のない存在…力のみ回収しますが…貴方達のようにね……だから、渡してください……そしてやられてください」


 「嫌だと言ったら?」


 バキュン!!!


 !


 巫女の女は銃をブッパなした。

 それは、洋介の頬をかすり、頬から血が垂れる。


 「殺します」


 「歯向かわなくても殺すし、歯向かわなくても殺される……馬鹿だろお前」


 「馬鹿とは心外です。

 私は巫女……元々は皆人々を守り支えていた者です。

 友里と言います……だからこそ、苦しまないようにしてあげます……出来るだけ苦しまないように」


 「……クズだな……」



 「うぉーー!!!友里の気持ちも分からぬ者が!!!」


男が突然斬りかかる。

 しかし、洋介はハンマーを使い攻撃を防ぐ。


 (何!?)


 「お前は邪魔だ!人の命を奪う者は死んどけ!!!!」

 洋介は思いっきり力を振り絞り男をよろめかせ

 

 (な!?)


 バシュ!


 男の頭を一撃でハンマーでかち割り友里の方を見た。

 洋介の頬には返り血が飛んでいた。


 (!!、リュウトを一撃で?!……ありえない………)


 「よ、よくも仲間を!!!!リュウトを!!!死ねぇ!!!!!」


 銃をブッパなす、友里。


 沙織は美夢を抱きしめ建物に隠れ、萌々は攻撃を余裕でかわす。


 洋介も弾の軌道がわかるように無駄な動きなく避けている。


 (なんで!!!なんで当たらない!?)


 カチカチ。


 (ちっ!弾切れ……)


 友里は銃を投げ、短剣を取り出す。


 「まだやるつもりか?」


 「簡単に倒せると思ったけど……そうはいかなかったみたいね、予想外だわ。

 リュウトも倒されたし…………許さないわ……絶対に……戦略的撤退させてもらう!私は、ここで死ぬわけにはいかない!!」


 友里は逃げようと動いた時


 バキュン!!!


 萌々が友里の背中を銃で撃ち抜く。


 「がはっ!!!」


 ドサッ。


 友里は地面に倒れる。


 「逃がすわけないでしょ?ダークワールドに入っている組織は全員潰すから……」

 萌々は銃を構え


 「うっ……」


 バキュン!


 「がっ!」

 右腕を撃ち抜いた。


 「……よ、よくも……巫女の私……を……私は……優しい世界で暮らしたい……だけなのに……嫌だ……死にたくない……」


 「……、悪の組織に落ちた人って死ぬ前に言うことは同じなのね。

 ……さぁ、最後は頭よ……何か言い残す事はある?」

 萌々は友里の背中を足で踏み抑える。


 「……許さない……貴方達の未来はもう絶望よ……私はダークワールド様に忠誠を誓った身……貴方達に話すことなんか無いわ!!!」


 「……そう…なら撃ち抜くわ」


 「待って!!」

 沙織が言う。


 「巫女さん、いいえ…友里さん……貴方をダークワールドさんに忠誠を誓わせた理由は何?

 過去に何かあったんじゃないの?……お願い……教えてほしい」


 「……」


 「沙織、この女を生かすとろくな事無いよ。

 それにもしも仲間にしたとしていつ後ろから撃ち殺されるか分かったもんじゃないし……」


 「萌々、それでも私は彼女の過去を知りたい。

 人々を導いていた神の声を聞いていたであろう人が悪に堕ちるなんて……よっぽどのことだよ」


 (!)


 「沙織……堕ちるなんて誰でも起きるし、ちょっとしたことでも堕ちる事もある。

 理由なんてたかが知れてるよ」


 (!)


 「……それでもお願い……教えて」


 「うっ……私の過去は……」


 ………。


 数年前


 〇〇神社


 「お〜友里さんは今日も綺麗じゃのぅ」

 神社の掃き掃除をする友里に声をかける一人の老人。


 「えへへ、ありがとうございます。

 いつもお賽銭ありがとうございます……きっと神様も見ていると思いますよ」


 「ふぉふぉふぉ……いつもここが散歩の通り道じゃからのぅ……。

 それよりもさっき近場で通り魔が居て大変な事になってたそうじゃのぅ」


 「そうなんですか!?」


 「物騒な世の中になったもんじゃ。

 天寿を全うできればいいのじゃが……」


 ……。


 「私も気をつけますね……ありがとうございますシゲルさんもお気をつけてくださいね」


 「ふぉふぉふぉ…ありがとのぅ…君の笑顔を見れるだけでここに来る価値はあるのぅ。

 それじゃあのぅ」


 そうして老人は去って行った。



 そしてその翌日


 ……。


 (嘘……よ)


 傘が私の手から落ちる。


 雨の中、人々のざわめき、


 その中心に居たのは命を失った……あのシゲルさんが居た。


 ……。


 後日通り魔が現れ、襲われたとニュースで報じられた。


 ……。


 その後日


 私は暗い顔をしながら掃き掃除をしていたら


 ピタッ。


 頬に冷たい感覚を感じ


 「きゃ!」

 高い声が出た。


 隣を見ると、先輩巫女のミヤビさんが冷たいビール缶を持っていた。


 「ふふ可愛い声出しちゃってさ」


 「もぅ〜」

 私は頬を膨らませる。


 「暗い顔をしてたからさ、少しでも元気になってほしくてさ。

 ちょっとイタズラしちゃった」


 (!)


 ミヤビさんはかなり真面目な人だった。

 こんなイタズラはしないはず。

 私の事を考えてくれてなのかな?


 「ふふ、いつものミヤビさんらしくないですね。

 ありがとうございます、そのビール貰いますね」


 「ほい、巫女は笑顔だ!笑っていたら良いことあるよほらほら仕事しなきゃね」


 「はい!」


 そうして一日が終わって……また明日会えるって思ったのに……。


 ……。


 ポツポツ。


 (……嘘……だ……)


 今度は目の前でミヤビさんが刺される瞬間を目の当たりにした。


 「ミヤビさん!!救急車呼びます!!」

 私は必死に声をかける。


 「……ゆ……友里………」

 手を伸ばしてきたミヤビさん。


 しかし


 ポタッ。


 その手は私の手に触れる前に地面に落ちた。


 ……。


 ………。


 ザー。


 大粒の雨が私とミヤビさんを濡らす。


 私は泣いている……雨で視界がぼやける。

 いや、これは涙だ。


 ……。


 (何で……何で私を良くしてくれた人は……みんなみんな……)


 その時


 ドカーン!!!


 辺りが火の海となり、火の輪が私とミヤビさんを囲む。


 コツコツ。


 ?


 こちらに歩いてくる者の足音に気づき振り向くと


 黒いフードを被る男が居た。

 顔は隠れて居るが黒い仮面をつけている。


 「あの……貴方が通り魔?」


 私は光の灯らぬ闇のような瞳で聞く。


 「……違うよ、それよりも君の未来は絶望だ。

 この先、君を良くしてくれる者は皆……殺される」


 !


 「なんでそんな事が!!」


 「我の勘はよく当たりやすい……どうかな?君がよければ我々の組織の仲間になってほしい」


 「何ですか……怪しそうな組織ですよね……貴方を見るに」


 「新しい世界でその者達と亡くなった者達と暮らしたくはないか?」


 !!


 「それは!!」


 「我々の組織に入って、事を成せば君が思う世界で暮らしていける。

 どうだろうか?」


 「私は人々を導く巫女……悪に堕ちる訳にはいかない」


 「その導く者の中にその君のひとを殺めた者が居るかも知れない。

 胸糞悪くないかい?」


 「それは……」


 「我々についてくるのなら、その悪が居ない世界を与える事も出来る。

 そうすれば君は幸せだろう?何不自由なくまた新たな出会いもある……。

 決めるのは君だけどだが」


 「……私は……」


 (この人は怪しい人……でも……もしもこの人が言うことが正しいなら……私はまたあの人達と……)


 「……分かりました……貴方に着いていきます」


 「ほぉ……それは良い考えだ。

 入った記念として……力を授けよう」


 男は手のひらから瘴気をだし、友里を包む。


 「うっ!!!」


 そして友里を包む瘴気は友里の中に吸い込まれ


 「……」


 「……おはようございます……ダークワールド様」


 「……おはよう友里、君が求める世界の為に我々と行こうではないか?」


 「はい……全ては私の世界を手に入れる為に」


 ………………………………………………………………………………………………………………………



 「それが私の過去……よ」


 「……辛かったんですね……」


 「何?同情でも……しようって訳?……がはぁ……うっ……でも……もう……未来は無い……私は死ぬ……新しい世界で幸せになりたかった……」


 ……。


 「……クソ野郎が」


 「?」


 「お前が悪に堕ちてその人達は本当に嬉しく思うのかよ!!!」

 洋介が言う。


 「あ……貴方……には分からないでしょうね……大切な人が目の前で失う恐怖を絶望を!!」


 「知りたくもない……けど……悪に堕ちるのが許せねぇ。

 失ったとしても最後まで天寿を全うする!墓に行き手を合わせる。

 それが一番やるべき事じゃないのか!!!」


 (!)


 「あ……貴方……には分からない……絶望に堕ちた人の心なんて」


 「……分からねぇよ……そんなもの」


 「そんなもの?」


 「ああ、人の心なんて誰も分からねぇよ。

 それでもお前は前に進まなきゃならねぇんだよ!!悪に堕ちるのは人として間違っている!!」


 ……。


 「……はぁ……はぁ……視界が霞む……貴方の顔を見れないわ……」


 「最後に言っておく……俺がお前を悪に落とした奴をぶっ潰してやる!!!

 だから、上から見ていろ!!俺がお前の仇を討つ!!平和な世界を手にする!!」


 ……。



 「ふっ……はぁ……やれるものならやってみなさいよ……はぁ……はぁ………でも、貴方の瞳を見ていると先輩を思い出すわ……。

 ダークワールド様はとてもつよいわ…今の貴方達では勝てない……それにあのバケモノはダークワールド様が召喚したバケモノ。

 あれを倒せないと意味がない」


 「何!?あれを召喚したのが大ボスのそいつか!」


 「……ふっ……はぁ……私は……天から見守るわ……貴方に幸運があらんことを……」


 ……。


 …………。


 ………………。


 友里はこと切れた。


 その直後静かに雨が降り注ぐ。


 冷たい雨が三人を包む。


 ……。


 「沙織……萌々、俺は必ずダークワールドをぶっ倒す……」


 「そうね……彼女は元々悪ではなかった……ダークワールドにそそのかされ悪に堕ちた……。

 彼女の為にも奴を倒す為に強くなりましょ?他のダークワールドの組織の仲間を倒しながら」


 「そうだな」


 「沙織、死ぬなよ?」


 「ええ……私は貴方と共に居るわ」


 「行くぞ」


 「ふふっ」


 そうして三人は街の方角へと向かった。


 …………………………………………


 その頃


 水口さんはというと



 ドカーン!!!


 「くっ!!!何で!何で貴方が!!!」


 敵と対峙していた。


 相手は……。



 「私はこの組織の者達を全て倒す目的の為なら仲間など!!!!パプルの居ない組織など簡単に崩せる!!」


 リリカだった。



 


 

 

 

 


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