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五十三話 「野美子のコントローラー」
家賃節約(嘘)のために同居を始めた優子と野美子の部屋では、野美子が新しいTシャツを開封していた。
「ふっふーん。見て?」
「コントローラー?」
そのTシャツは、胸辺りにゲーム機のコントローラーのプリントがされていた。
「そう。大家さんがゲーム機買ったって言うし、優子もするならこれ着て見てよっかなーって」
「もーう。家賃安くなるからって油断して」
「えへへ」
野美子は、頬を触りながら座った。
そこに、優子が近寄る。
「......」
「?どうしたの」
「それ、実際に使えそうだなって」
「え、何に?え、まっ――」
優子は、そのコントローラーに手をかけた。
「やっ、押さないで。動かないから、そこクリクリしないで!」
優子も、なんだかんだで野美子のことを気に入ってしまった。




