第十九話:リノベーションしたら、億ションができた。。
シアをアシスタントに加えた翌日、俺はアパートの庭にみんなを集めて宣言した。
「よし、ボロアパートを修理してピンピカアパートにするぞ」
シアをアシスタントに加えた俺は突然決心した。だって、シアがアシストしてくれるはずだから、住人増えても大丈夫だろう。
たぶん。。。
「わーい。やったー、新しい部屋に住めるんだー。わーい」
「スラー⤴」
「これから忙しくなるのですわね。腕の見せ所ですわ」
スラちゃんとちみっこ妖精はアパートがピカピカになるんだーと喜んでいる。今までニートだったシアも決心を新たにしているようだ。
よ~~~し。ここは俺の腕の見せ所だな。ボロアパートをピカピカにしてみんなに喜んでもらうぞ。
「よし、まずは鑑定だな。ボロアパートを鑑定して必要な材料を確認しないとな」
「鑑定!」
【名前】 ボロいアパート。所有者はヒロセ
【内容】 とにかく外観がボロいアパート。ボロすぎて住人が集まらない。リペアにはひのーきの木が20本必要。リノベーションも可。
「ヒロセー。どうだった? 直せそう?」
ちみっこ妖精が聞いてくる。
なるほど、リペアにはひのーきの木が20本必要なのか。また、木工ギルドに買いに行かないとな。
ん? リノベーションも可?
う~~~ん?
そうだ。
確か、ドラゴンのポテチの巣を修理した後に、新しくスキル リノベーションを覚えたんだったっけ? なんか、すっかりと忘れてたけど。
え~と、リノベーションって何ができるんだ? 俺はリノベーションの説明を確かめるためにステータスを確認してみた。
「ステータス・オープン」
≪ピロリーん。スタータスがオープンします≫
俺は目の前に出てきた半透明の画面をのぞき込んだ。
【名 前】 広瀬康介
【年 齢】 30
【職 業】 大家
【レベル】 1
【体 力】 10
【魔 力】 500
【攻撃力】 5
【耐久力】 5
【素早さ】 5
【スキル】 鑑定Lv3、リペアLv3、リノベーションLv1、異世界召喚セット
ふむ。相変わらず魔力以外はゴミみたいな能力値のようだ。えーと、あった。やっぱりスキル欄にリノベーションが増えてた。
ぽちっとな。
スキル リノベーション
リノベーション対象をつくりかえるスキル。課金する額によって、できることが変わってくる。対象に向けてリノベーションと唱えると、課金画面が出てくる。なお、リノベーションには課金だけが必要。
「なに~~~~~~~」
「どうしたのー」
「スラー?」
「どうしたんですの?」
俺はとっても驚いてしまった。みんなも俺のさけび声に驚いてしまっているようだ。
今までのリペアはモノを修理するだけだった。それも修理するには材料の調達が必要だった。
けど、リノベーションは対象をつくりかえてくれるらしい。しかも、課金だけでいい。
まあ、何をどうつくりかえるかは分からないけど、使ってみれば分かるだろう。
「スキル リノベーション発動」
俺はちょっとカッコをつけて叫んでみた。
「「おおー」」
パチパチパチと拍手が起こる。ちみっこ妖精の拍手は小さく、スラちゃんはふにふにぷにぷにしてたけどな。ほんわかー。
スキル リノベーション課金画面
【課金の対象】 ボロアパート
【課金の種類】
1)ひとつの部屋をつくりかえる:お金ちょっと必要。
2)みんなの部屋をつくりかえる:お金いっぱい必要。
3)アパート全体をつくりかえる:お金いっぱいいっぱい必要。
ふむふむ。なんかいくつか種類がある。
必要なお金の量がちょっとあいまいだけど、今回はアパート全体をつくりかえるから、3番をぽちっとな。
すると、画面が切り替わって、画面にお金を入れてくださいと出てきたので、俺はこの前ポテチにもらった金貨の山をアイテムボックスから取り出して、入れてみた。
≪ピロリーん。受け付けました。完成予想図をイメージしてください。リノベーションが始まります≫
ピロリーんといつもの無機質な音声が聞こえてきたかと思うと、目の前のボロアパートが光に包まれた。
≪ピロリーん。カウントダウンが始まります。10、、9、、8、、≫
ええー。やばいやばい。どうしようかー。
いっぱい人が入って、、
≪5、、4、、≫
表通りからも目立つような作りで―
≪3、、≫
えーと、えーと。俺はその時思い浮かべてしまった。日本にいたとき富豪が住んでいた。超高層マンションを。
≪1、、0。カウント終了です。リノベーションが完成します≫
その瞬間、ボロアパートを包んでいた光は一段と輝きを増し、しばらくすると徐々に光が弱まっていった。
そして、
「こ、これは……」
俺はとんでもないことをしてしまったかもしれない。
光が消えたそこに現れたのはアパートなんかでは全然なく。この世界の王様もあっと腰をぬかしてしまいそうな超高級な超高層マンションだった。
ボロアパートをピカアパートにする予定だったけど、ピカピカ超級なマンションが建ってしまった。
「「…………」」
「「……」 」
「「…」」
しばらくはみんな唖然としていた。
けど、
「ヒロセ、すごーーい。こんなのわたち見たことないよー」
「ス、スラー」
「す、すごいですわ。こんな大きな建物なんて。。魔族の国にもありませんわ……」
ん? みんな喜んでいるし。大丈夫かな。。
よーし。最上階にみんな引っ越しだー。
エレベーターあるよね?
一度は誰でも夢見る、億ション。私は無理なので主人公に住んでもらいます。
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