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無題  作者: 世界
1/2

題無

※残酷描写有(血液、内臓)


──ああ、また聞こえる

「あんたなんか生きる価値ないよねぇ…いっそのこと死んじゃえば~?」

奇麗な顔を歪ませて毒をはく

わたしはもう毒に侵されているのに

相も変わらず、からだを蝕む黒い、粘着質な毒を、美しいその口から

「そっか」

にこりと笑ってみる

筋肉はあまりにも使われなかったために引き攣って気持ち悪い

醜いなあ


ぐちゃり


赤が舞う

「……は?」

かわいい澄んだ天色の目を見開いて、小さい柔らかな口をぱかりとあける

きれいに並んだ白い歯と熟れたようなあかい舌がちらりと覗く


ぼたぼたぼたぼた

「こふっ」

きたないあか

ナイフをおなかに突き刺した。

かつてあの子がつかっていた、奇麗なナイフ

まずは一文字に。

ぐちゅり

わたしのおぞましいあかでよごれてしまう

「あれ、やっぱりかたいなあ」

ぐち、ぐちゅ、ぷしっ

それから縦にも

あのこのきれいなナイフがおせんされる

「あはっちょうがでてきた」

ぐり、ぼろり、ぼたぼた、ぴちゃり

わたしのあかが、からみつく

「や、なに…」

大きな目が涙に濡れて揺れている。

このままでは融けてしまいそうだ

「うふふ、あなたたちはじぶんのげんどうのせきにんをとらなくちゃ」

きみがわるい、笑みをこぼす

ぼたぼたぼたぼたぼたぼたぼた

ああ、くずれおちてしまうなあ

「ひッ!?」

ひきつった悲鳴

「きゃあぁあああぁぁあ!!?!??」

絹を引き裂いたかのような悲鳴

あのことはおおちがい。うるさい、かしましい、

「みてよ、ほら、おなかのなかがみえるね、ほら、ほら」

おなかをひろげる。

ぼとりとなかみがおちる

みぐるしいあかがあふれる

あしもとが、ぬるりと、

誰かが座り込む。

誰かが嘔吐する。

誰かが失神する。

誰かが、誰かが、誰かが……

からだからあかが流れていく。

きらいなあかが

重力に従って

あかが、

あか、あか?

………あかいろが。

いやしいあかいろが


めのまえがしろくなる。

ちかちか

めのまえがくろくなる。

ちかちか

ほしがみえる。

きらきら

「ああ、きれいだ」

ああ、きたない


からだからあかいろがぬけおちる。

するり、するりと、あのこのように、わたしのてをすりぬける

ちからがぬける。

あのこのナイフがてからこぼれおちる

めのまえがゆがむ。

あのこのかおがみえない

あしがてがつめたくなっていく

あのこのぬくもりがわからない

しんぞうのおとがきこえる

あのこのおとがきこえない

だれかがないている

あのこが、

だれかが、なにか、なにか、

なにかを



──────なにも、きこえない

あのこのこえはもうきこえない





■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■


そ■■目■し■■■は■■的■担によ■■■■■■■■を■ける

■■■た■■の大■■未■に錯■■■




■■の証■によ■■■■が発■

■■は■応に■■れる───







ぱちり

「………あれ、」


生きてる

「どうして」

あの時、死んだはずなのに。

消えたはずなのに

おわったと、おもったのに

あのこにあえるとおもったのに


「なんで、いきてるの……」

そもそもここはどこだろうか

学校でも、病院でもない、そう、まるで…

「家……?」


ひたひたひた

柔らかいものが床にあたってはなれる音がする

なじみのあるおとだ


「やあ、目が覚めたかい」

目の前にあおが広がる

あのこのあお

「空……」

くすり、空気の抜ける音

あのこのえみ

「ふふ、残念。空じゃあないよ」

空色が離れる

すこし、残念だと思った

きれいなあお

「…、ここは……?」

そういえば床じゃない。やわらかなベッドだ

よくいっしょにねむったベッド

「ここは僕の家。君が庭で倒れていたから、運んできたんだ。」

それはそれはとても驚いた

「にわ……?」

にわとは、一体どういうことなのだろうか

あのこのいえにもにわがあったなあ

「そうだよ。…もしかして、記憶にないのかい?」

こくり、うなずく

それにしても可笑しな話だ、死んだはずなのに見知らぬところで倒れていて、そこで拾われるだなんて。

いや、しっているはずだ。ここは…

…………それに、

「あかくない」

服も、ちがう

おそろいのふくがきたいと、あのこがいったふく

「…あか?」

目の前のひとは首をかしげた

よくみたしぐさだ

「わたしは、どうしてこの服を?」

わたしの疑問に納得したようにひとは言う

「ああ、申し訳ないけれど、着替えさせてもらったよ」

あの服、すごく裂けてたから…

気まずげに目を逸らしながらつぶやく

ああ、そんなかおをしないで

「……裂けて?」

おかしい、あかいろは?

「?うん、おなかのところが、まるで刃物で切ったかのように、ね」

少し目つきを鋭くさせてわたしをみつめる

わたしのかくしごとをことごとくみぬいため

「一体、何があったのか、わかるかい?」

………

「こんなこと、信じられない」

信じたくない

あのこのことも

「…そっか、」

ためいきを吐いて言う

あのひも、そうやって、

「まあ、服の状態からして良いことではないだろうけれど、安心しなよ」

にこり、そう音がつきそうなきれいな笑顔で言い放つ

やさしく、してくれた

「なんたってここは────」

あのこが、


つい、目を見開いた

あまりのことに言葉を失った

いつも悲しそうだったあのこがとても


──────■■■■■だからね!


しあわせそうにわらうから


ここで断念した。

先は考えていません。

あたまおかしい(困惑)

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