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無題  作者: 世界
2/2

だいなし

※残酷描写有(血液、内臓)


──ああ、また…

「あんたなんか生きる価値ないよねぇ…いっそのこと死んじゃえば~?」

顔を歪ませて毒をはく

もう毒に侵されているのに

相も変わらず、からだを蝕む黒い、暗い粘着質な毒に、

「そっか」

にこりと笑ってみる

筋肉はあまりにも使われなかったためか引き攣っている

醜いなあ


ぐちゃり


赤が舞う

「……は?」

目を見開いて、口をぱかりとあける

歯と舌が覗く


ぼたぼたぼたぼた

「こふっ」

きたないあか

ナイフをおなかに突き刺した。

かつてつかっていた、奇麗なナイフ

まずは一文字に。

ぐちゅり

おぞましいあかがよごれてしまう

「あれ、やっぱりかたいなあ」

ぐち、ぐちゅ、ぷしっ

それから縦にも

あのきれいなナイフでおせんされる

「あはっちょうがでてきた」

ぐり、ぼろり、ぼたぼた、ぴちゃり

あかが、からみつく

「や、なに…」

大きな目が涙に濡れて揺れている。

このままでは融けてしまいそうだ

「うふふ、あなたたちはじぶんのげんどうのせきにんをとらなくちゃ」

きみがわるい、笑みをこぼす

ぼたぼたぼたぼたぼたぼたぼた

ああ、くずれおちてしまうなあ

「ひッ!?」

ひきつった悲鳴

「きゃあぁあああぁぁあ!!?!??」

絹を引き裂いたかのような悲鳴

ああ、うるさい、かしましい、

「みてよ、ほら、おなかのなかがみえるね、ほら、ほら」

おなかをひろげる。

ぼとりとなかみがおちる

みぐるしいあかがあふれる

あしもとが、ぬるりと、

誰かが座り込む。

誰かが嘔吐する。

誰かが失神する。

誰かが、誰かが、誰かが……

からだからあかが流れていく。

きらいなあかが

重力に従って

あかが、

あか、あか?

………あかいろが。

いやしいあかいろが


めのまえがしろくなる。

ちかちか

めのまえがくろくなる。

ちかちか

ほしがみえる。

きらきら

「ああ、きれいだ」

ああ、きたない


からだからあかいろがぬけおちる。

するり、するりと、わたしのてをすりぬける

ちからがぬける。

ナイフがてからこぼれおちる

めのまえがゆがむ。

かおがみえない

あしがてがつめたくなっていく

ぬくもりがわからない

しんぞうのおとがきこえる

おとがきこえない

だれかがないている

あのこが、

だれかが、なにか、なにか、

なにかを



──────なにも、きこえない

あのこのこえはもうきこえない





───*****学校で女子学生が自殺する。

学校側はいじめを否定。

警察は捜査を継続。


その他目撃した生徒は精神的負担によりカウンセリングを受ける

目撃した生徒の大半は未だに錯乱状態




生徒の証言によりいじめが発覚

学校は対応に追われる───







ぱちり

「………あれ、」


生きてる

「どうして」

あの時、死んだはずなのに。

消えたはずなのに

おわったと、おもったのに

あえないとおもったのに


「なんで、いきてるの……」

そもそもここはどこだろうか

学校でも、病院でもない、そう、まるで…

「家……?」


ひたひたひた

柔らかいものが床にあたってはなれる音

なじみのあるおとだ


「やあ、目が覚めたかい」

目の前にあおが広がる

あのこのあお

「空……」

くすり、空気の抜ける音

あのこのこえが、

「ふふ、残念。空じゃあないよ」

空色が離れる

すこし、残念だ

きれいなあお

「…、ここは……?」

床じゃない、やわらかなベッドだ

よくいっしょにねむったベッド

「ここは僕の家。君が庭で倒れていたから、運んできたんだ。」

それはそれはとても驚いた

「にわ……?」

一体どういうことなのだろうか

いえにもにわがあったなあ

「そうだよ。…もしかして、記憶にないのかい?」

こくり、うなずく

それにしても可笑しな話だ、死んだはずなのににわで倒れていて、そこで拾われるだなんて。

いや、しっているはずだ。ここは…

…………それに、

「あかくない」

服も、ちがう

おそろいのふくがきたいと、あのこにいったふく

「…あか?」

目の前のひとは首をかしげた

よくみたしぐさだ

「わたしは、どうしてこの服を?」

疑問に納得したように言う

「ああ、申し訳ないけれど、着替えさせてもらったよ」

あの服、すごく裂けてたから…

気まずげに目を逸らしながらつぶやく

ああ、そんなかおをしないで

「……裂けて?」

あかいろは?

「?うん、おなかのところが、まるで刃物で切ったかのように、ね」

少し目つきを鋭くさせてみつめる

かくしごとをことごとくみぬいため

「一体、何があったのか、わかるかい?」

………

「こんなこと、信じられない」

信じたくない

あのこのことも

「…そっか、」

ためいきを吐いて言う

あのひも、こうやって、

「まあ、服の状態からして良いことではないだろうけれど、安心しなよ」

にこり、そう音がつきそうな笑顔で言い放つ

やさしく、して

「なんたってここは────」

あのこが


つい、目を見開いた

あまりのことに言葉を失った

いつも笑顔だったあのこが、


──────ユートピアだからね!


あまりにも泣きそうだったから


少し違った見方

続きはない。

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