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確認と忠告と

まず最初に1年以上この小説をほっぽりだしてごめんなさい。

そもそもこの作品を読んでくださっている読者様はどれほどいるのかわかりませんが。この作品は不定期でぼちぼちやっていきます。

無。そこはそれしかなかった。一面、掴みどころがない空間の中程かそれとも手前なのか、分かりもしないが悠斗はとにかくいた。


「また、変なことばかり起こるな。」


そろそろ異常事態に対して、麻痺してきた様子の悠斗。足が立ってる感覚はあるが浮いてる感覚もあるというなんとも不思議な感覚である。それが身体全体に広がっているのだからなんとも気持ち悪い。異空間とでもいうのだろうか。悠斗はそこまで考えて、考えるのをやめた。


ふと気付くと、悠斗の目の前から、空間が真っ二つに割れ、中から人―のようなもの―が出てきた。


空間の裂け目から悠斗と身長の変わらない女が現れる。が空間の歪(スキマ)に引っかかり、転んだ。そもそも、地面の概念がないこの空間では一回転しただけだが。


流れるこの微妙な空気。何もないここだからこそ、さらに気まずかった。


「大丈夫か。」


「大丈夫です。」


悠斗は女に声を掛けたが、女は大丈夫の一言で終わらす。そしてその灰色の髪を震わしながら、身体を隈なく点検するとやがて満足したのかゆっくりと喋りだした。


「申し遅れました。私は『下級観察天使|NO,098CleⅧsapphireクリエイトサファイア』クリアとでも呼んでください。」


どことなく機械的な口調で話す彼女に対し、悠斗はそれとなく頷く。


「さて概要をですが。」


「は?いや概要とか言っちゃってるけど何の。」


「…ンッ。いや、あなたの事を調べるように輪廻神様から頼まれていましてね。」


話の途中で悠斗に遮られたので無理やりカバーしつつ話を続ける。


「さて。」


クリアは一息ついて本題に話を進める。


「まず、あなたの身体能力(コモン・スペック)を少し鑑定()させてもらいますね。」


『流れるは個人の守るべき情報アンチ・プライバシー


「なんだッ。」


悠斗の体内から猛烈な勢いで黄色に発光する『何か』が飛び出した。悠斗自身の


「ふむ。なかなかの成長の早さです。さすが急造したとはいえ『称号』といったところですか。


「えっとどういうことですか。」



当然のことながら意味が分からない悠斗は困惑の表情を見せる。それを見たクリアは少し間を置いて語りだした。


「あなたの現在のスペックを見せてもらいました。つまり、あなたの現段階の出来る事を示した者です。アルト様から酷いようだったら下方調整とのことでしたが問題はないようです。」


悠斗の為に輪廻神の造り出した能力 適合者(トランサー)の様子見。平たく言えばそうだ。こういう成長系統の『称号』は最悪、世界を滅ぼしてしまったというケースも以前にあった。そういう事態が起こらない為にも早期の内に下方修正をかけるのだが今回はその必要は無かった。


「つまり、世界がやばくならない様にあらかじめ保険をかけとくみたいなモノなのか。」


クリアはこくりと頷く。


そのことをクリアから説明してもらった悠斗は少し恐怖を覚えた。なんとなくもらった『称号』が世界を揺るがすものだったと思うと。その事は話すとクリアは淡々と答えた。


「大丈夫です。あなたの能力はあくまで『現存する能力を会得できる』可能性をもたらすだけのもの現段階では問題ありません。あなたの行動次第でこういった修正はさせてもらうかもしれませんが。」


最後の言葉だけ少し念を押してクリアは言った。


「ひとつだけ忠告させていただきます。目立たないことを心がけて下さい。家内の上の者は好奇心がお強いので珍しいモノには目がないのですよ。」


「それはどういう意味ですか。」


クリアは質問には答えなかった。すると彼女の体がぼんやりと光り輝いた。


「時間が来たようですね。私はおれでお暇させていただきます。これは―|醜悪な猪でも分かる簡単世界観から称号まで《スターティングブック》の情報を適合させました―

あなたへの選別です。」


「ちょっと待って。」


慌てて駆け寄ろうとした悠斗はこの何もない空間であることをわすれていた。身体が虚しく一回転する。


「もう一度、あなたに会わないことを期待しています。八百万の神の加護があらんことを。」


その時、クリアが一瞬だけ笑ったような気がしたが。彼女の顔を再び見ることはなく、彼女の放つ光があふれんばかりに光りだす。そして悠斗の視界を奪う。光がやがて終わるとそこには、


「なんだったんだろう。」


先程までいたバーツの家に戻っていた。―醜悪な猪でも分かる簡単世界観から称号まで《スターティングブック》―を悠斗はぼんやり眺めていると声が聞こえた。


「おい、ユート降りて来いよ。話があるんだ。」


悠斗は返事をすると分厚い本をかばんに詰め込んだ。特殊加工でもしてあるのか本は難なく入った。


「よし。」


悠斗は体を起こすと部屋を出て行った。バーツが待っている。

本解説

醜悪な猪でも分かる簡単世界観から称号まで/スターティングブック

今回は称号がでてないのでこちらの解説をば。

いわば初心者用の歴史本みたいな位置づけです。簡単な地理と大雑把な歴史。

作成者は《禁則事項》です。ご都合主義本とも。

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