公衆衛生の、概念導入
王都の、貧民街、北の、奥地。
ベル・サンテの、医師団、十名、看護師、十六名、産婆、五名、薬師、二名。
そして、サン・ジュスト公爵家の、職人、二十名。
総勢、五十三名、
総出で、
街の、
上下水道の、
調査と、
簡易の、
整備を、
始めた。
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「ガイウス薬師、これ、お願い」
「セレスティーヌ嬢、確かに、井戸の水、検査の、薬剤、で、ございます」
「どぶ川の、水も」
「了解」
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ガイウスは、各地の、井戸と、川の、水を、サンプル採取。
ベル・サンテの、地下の、薬局に、持ち帰って、検査。
セレスティーヌが、前世の、知識で、即席で、組んだ、簡易の、水質、検査法。
「お嬢様、北の、井戸、汚染が、酷うございます」
「煮沸消毒の、指導、入りましょう」
「左様、で、ございますね」
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セレスティーヌは、貧民街の、長老たちの、サロンに、出向いた。
「皆さま、お話、申し上げます」
「シャティヨン家のお嬢様、ご足労、ありがとう、ございます」
「皆さま、北の、井戸、これから、毎日、煮沸して、飲んで、いただきたいのです」
「お嬢様、煮沸、と、申しますと」
「水を、湯にして、飲む、ということです」
「お嬢様、それ、燃料、いりますで、貧しい者には、難しゅう、ございますで——」
「サン・ジュスト公爵家、燃料、無料で、供給いたします」
「お、お、お嬢様!」
「それで、これ、煮沸用の、大きな、釜、と、桶、を、共同で、二十、置きますわ」
「お、お嬢様、それは、それは……」
「子供の、死亡率、半分に、なります。お子を、お持ちの、お母様、お父様、これだけは、お守りください」
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その、一ヶ月、後。
貧民街の、新生児、乳幼児、
死亡数、
実に、
四割、
低下。
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王都通信の、見出しに、再び、
セレスティーヌの、名が、
踊った。
> 「シャティヨン家のお嬢様、貧民街の、子供の、命を、救う」
> 「煮沸の、奇跡、半数、生き延びる」
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その、ニュースを、
王宮で、
王太子妃殿下が、
王陛下に、
進言した。
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「陛下、シャティヨン家のお嬢様の、医療事業、王国の、宝、で、ございます」
「うむ?」
「陛下、もしよろしければ、お嬢様に、勲位を、ご検討、いただきたく」
「ふむ、勲位、か。お嬢様は、未婚、で、若い、令嬢、で、あろう」
「陛下、お嬢様の、お仕事、すでに、領主級、いえ、宮廷級、で、ございます」
「ふむ、考えよう」
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その夜、
宮廷で、
保守派の、ヴェルニエ侯爵、
激怒。
「あの女、勲位、まで、貰う気か」
「閣下、お止め、申し上げる、論理、組まねば」
「うむ。次の議会、これは、徹底、潰す」
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セレスティーヌは、夜、ベル・サンテの、執務室で、
ラファエルから、報告を、受けた。
「セレスティーヌ嬢、ヴェルニエ侯爵が、議会で、産科法、提案、潰すために、画策、開始した、と」
「ふん。来ますわね」
「来ます」
セレスティーヌは、扇を、軽く、開いた。
「私、ヴェルニエ侯爵に、お聞きしたいわ。彼の、領地で、新生児死亡率、何パーセント、で、いらっしゃるのか」
「セレスティーヌ嬢、それを、議会で、突き付けたら——」
「議会で、突き付けますわ。私、女ですから、議会には、立てませんが、ラファエル様、貴方が、代弁、なさいませ」
「うむ。喜んで」
ラファエルは、軽く、微笑んだ。
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——、緒方真理子、
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——、医療現場で、
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——、行政との、
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——、戦いも、
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——、何度も、
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——、闘った。
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——、ここでも、
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——、勝つ、
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——、
——、必ず。
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