惨敗【クラブセガ新宿西口】
2019年8月11日。
『第四回覇王決定戦』決勝トーナメント当日。
私はボロボロだった。
緊張で道を間違えるわ、会場で切符を紛失するわとひどい有様で、大会の結果も推し量れた。
言い訳は言い出したらきりがないが、ようするに全国の壁は高く、私には過ぎた舞台だったということだったのだろう。
会場に押し掛けた100名に上るであろう恋姫勢に埋もれながら、ここは私の居場所ではないなと感じた。
小さな地方のゲーセンで、仲間たちとあーだこーだと言いながらプレイをする。虎視眈々と頂点を狙ったり、お祭り騒ぎをする中に、私の求める居場所はなかった。
大会前ディレクターと少し話をした。前回のKSBで話をして以来、私たちは普通に会話できる関係になっていた。
「緊張してないか心配で心配で」
Dは私にそう言ったが、申し訳ないがそれは現実になってしまった。なくした切符を届けてくれたのもDだった。
翌日の仕事を休めなかったため、私は打ち上げもそこそこに、岐阜へととんぼ返りした。
復讐心などは湧かなかったが、次回があるならもう少し健闘したい。そんなことを考えながら、私は新幹線の中で眠りについた。
だが、その次回はまだ来ていない。
コロナウイルスの流行である。
これにより大規模大会の開催が難しくなり、公式の全国大会の音信は絶たれた。
それどころか八事での対戦会の開催も不可能になり、私の恋姫はまたも冬の時代に突入した。




