# 360. 「杭打ち」
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少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)
次の日の朝、ネイト達は駐輪スペースに集合していた。
「よし、集まったな。ダンジョンに行こうか」
そう言って、ネイト達はビークルに乗り、出発した。
「昼頃に到着して、昼食後ダンジョンに潜る。3時間程度で攻略できるはずだ」
「了解だぜ!」
ブロロロロ…と軽快なエンジン音を響かせて、ネイト達はクエストのあるダンジョンへと向かっていく。
「ネイト、クエストの種目的ななんなんだ?」
「実に簡単だ。ダンジョンのマッピングだ。ただ、エネミーも生息しているため深いところは戦闘が発生するはずだ」
「そうか、マッピングか!でも、ここら辺なら大概漁り尽くされているんじゃないのか?」
「それがエネミーの影響でな、構造がすぐに変わってしまうらしい。定期的にマッピングを行い、構造変化を追うことによってどういう変化をしていくのか解析しているんだそうだ」
「なるほど、変化するダンジョンか!」
出発から4時間ほどが経過した。90キロほど走っただろうか、前方に何かが見えてきた。
「あれだな…」
「ヒュー!」
「珍しいわね…」
ダンジョン入口付近に、規模は小さいが「キャンプ街」が出来ていた。
食事、修理、補給などが一通り揃っている。キャラバン隊も来ていて、露店が展開されているようだ。
「それだけ変化が早いってことか…」
キャンプ街は、人気のあるダンジョンや拠点などに探索者やキャラバン隊が集まり、小さな「町」が形成されることを指す。特に何度も突入して攻略しないとならない大規模なダンジョンでは、その入口に大きなキャンプ街が形成されることも珍しくはない。
珍しいものを見ている顔を見られたのか、誰かが話しかけてくる。
「お前さん達、ここは『初めて』かい?」
「ああ、『初めて』だ。よろしく頼む」
「ネイト、折角だ、ここで食べていかないか?」
「いや、よそう。レーションで昼食を済ます」
「そっかぁ、わかったぜ!」
そう言って、キャンプ街外周にビークルを停めて、レーションを食べるのだった。
そこで、ドクターは気付いたようだった。
「ネイト、もしかしてここは…」
「ああ、そうだ。だが、それ以上は皆に言わないでほしい」
「わかったわ…」
ドクターに引き続き、アマリアも理解したようだった。
さすが、アーカイブマスターである。ドクターが何も言わないのを見て察したのか、アマリアも静かに黙っていた。
昼食を終えたあと、
「よし、ダンジョンに潜るか」
そう言って、皆ビークルに乗り込んだ。
そしてダンジョンの入口まで移動して、意を決して突入したのである。
入ってすぐは広間になっているようで、ここで偵察ドローンを数機飛ばすことにした。
「聞いた話によると、数日単位でゆっくりと変化していっているらしい。今現在変化中かもしれないが、HoMEに提出するためのマッピングは行う」
中継ドローン経由でマッピングデータが次々と送られてくる。
ところどころにデータが噛み合わない「溝」があるようで、それが変化中であることがわかる。
しばらくして、近くのマッピングを終えた偵察ドローンが戻ってくる。
「更なる奥地のマッピングのため、進んでいくぞ…」
皆慎重になる。
第二層に到着する。ここでも第一層と同じく偵察ドローンを使ってマッピングを行う。
そして無事に第二層のマッピングを終えたようだ。
「第三層に行くぞ…」
と移動しようと思った刹那、何者かが現れる。
「いよう、『初めて』のお前さん達!ちょいと調べさせてもらったぜ。ゴールドランクが近いんだってな!生憎と席は埋まっていてな、お前たちは座れないとのことよ!ここのダンジョンはしょっちゅう形状が変わる。だから『生還できない探索者』も結構いるらしいぜ!」
それは、地上で声をかけてきた探索者だった。
「来たな、『潰し屋』!」
とネイトは続けてメンバーに説明する。
「奴等は『杭打ち』専門のゴールドランクのアシストグループだ。こうやってゴールドランクに手が届きそうな探索者やアシストグループを再起不能にして上がらせないようにしているんだ。今日ここに来た本来の目的はこれだ。奴等を迎撃する!」
なるほどと、皆が瞬時に理解し、フォーメーションを展開する。相手はゴールドランクM.A.C.S.2名と人間装備1名の合計3名。数はこちらが圧倒しているが火力に関しては未知数だ。
「キャシー、ベルダ、人間装備をやれるか?」
「まぁかせて!」
「了解だ」
まずは人間装備同士の戦いになった。相手はひとり。グレートソードを引き抜いて攻撃を待ち構えている。
キャシーとベルダは敵に走って近付き、ベルダはフェイズシフトで瞬間的に背後に回る。それを予測していたのか、出現位置へ狙い撃ち、的確な一太刀で合わせようとする。瞬間、ベルダは防御姿勢で出現しかろうじて初手を防いだ。
「いっくよー!出力40%の螺旋!」
シュンシュンと攻撃半径を描いてキャシーは敵に突撃する。敵の振り向きざまにグレートソードとジェットハンマーはぶつかり、激しい金属音がした。
パキン!
キャシーのスキルに絶えきれなくなり、グレートソードが折れた。それをベルダは見逃さず、スキルを叩き込む。
「閃一閃(ハイパーノヴァ・ショックウェーブ・フェノメノン)!」
両方のスキルに対応できずに敵は倒れて無力化。人間装備に関してはネイト達の勝利となった。
「得物はいつでも使えるように手入れしておくことだな!」
とベルダが言う。
そして、M.A.C.S.による戦闘が始まる。
「けっ!人間装備を潰したからと言っていい気になるなよ!」
敵のM.A.C.S.2台に対して、こちらは5台だ。数では勝っているが、戦闘能力はほぼご角化向こうが上だろう。新しくしたばかりのM.A.C.S.がどれだけの戦闘能力を持っているかがここでわかる。
オートフォーメショナーをフル活用して相手のエイミングを翻弄し、ネイトがスキルを発動する。
「絶対無敵!」
ヘイトはネイトに集中しエヴィ、ドクター、リコ、ロニーのM.A.C.S.が火を吹く。
「荒ぶる弾薬の連砲!」
「葬送の祝砲!」
「無慈悲なる鉄雨!」
「裁きの鉄槌(スレッジハンマー・オブ・レトリビューション)!」
スキルが次々と発動。敵のM.A.C.S.にヒットする。
「げっ、コイツラ強え…。スキルが揃ってやがる」
「ネイト、今奴等は追いやられて一箇所に集まっている。やるなら今だ!」
「わかった!威嚇攻撃を続けて、その場に留まらせてくれ!」
「了解だぜ!」
ネイト以外のM.A.C.S.は、敵のM.A.C.S.がバラけないように威嚇攻撃を続けている。最も、シルバーランクの威嚇がゴールドランクに通じるわけもなく、威嚇という名の本気の攻撃だ。
ベヒモスIIは敵M.A.C.S.へ向かって方向を固定、急いでバスターカノンの発射準備に入った。
《バスターカノン発射シークエンス開始…》
《ホイールロック作動…完了》
《出力上昇…20%》
《加圧室内、圧力上昇》
《ターゲット角度修正、砲身固定…完了》
《対ショック、対閃光シールド…オン》
《出力上昇…80%》
《ライフリング回転…安定》
《セーフティーバルブ…オープン》
《出力上昇…120%》
《最終セーフティーロック…解除》
《撃てます》
ネイトが引き金を引く。と同時にドオオーンとちう発射音がダンジョン内から響き、光の束がダンジョン出入り口から飛び出してくるほどだった。
「こんなところで…バスターカノンかよ…クレイジーだぜ…」
「出力5%だがな。お前たちの鼻をへし折るには十分だったな」
「くそう、負けだ…。お前たちの戦力がゴールドランクのそれと同じことを認めよう…」
捨てゼリフとともにM.A.C.S.は沈黙する。
「やった!」
キャシーが喜ぶ。
「その戦力なら…HoME発注のゴールドクラス昇格用クエストは受けられるだろうな…。精々、がんば…れ
」
その男は気を失ったようだ。
ネイト達はダンジョンから出てきた。むしろ、ネイト達が出てきたことに、キャンプ街の連中は驚いた。
「お前さん達…『潰し屋』と遭遇したはずだか…?」
「なにか、エネミーのような連中はいたが、あれがそうなのか?」
とそれを聞いて、笑いが出る。
「わっはっは!奴等を駆逐したとはな!お前たちはゴールドランク相当の戦力を持っているってことだ。しかし忘れるな、奴等の戦力はゴールドランクの下の下だ。昇格するまでにもっとマシな装備にしておくんだな」
「ああ、そうするよ…」
地上に降り注ぐ太陽の元、緊張の糸がはち切れんばかりになっていた。
「俺達はこのままシンドゥール・コロニーに戻って報告する。都合上、第三階層の途中までしかマッピングが出来ていないが、それでも十分なデータだろう」
そう言って、ネイト達はコロニーへ戻っていった。ここのキャンプ街は危険すぎてゆっくり休むこともままならないためである。
時間にして、日が少し傾き始めた頃である。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m




