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# 355. 出、ニャーガム

この度はご愛読ありがとうございます。


お陰様で、24,000PVを突破することができました。

引き続き、一生懸命執筆していきますので、もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。

少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)

エヴィとアマリアの挙式の数日後から、10日と少しが経過した。

気がつけばニャーガムでの滞在お時間があっという間に1ヶ月になり、以西を目指すために再度旅立つ日が訪れた。

既にスパークルスプリングスのメンバーはスフィアエントランスに集合しており、ネイトの号令を今か今かと待ちわびている状態であった。


「皆揃ったな!これからニャーガムを出て、チャッカムを目指す。途中、キャンプやコロニー、アウトポストはあるらしい。ひとつでも多く寄って、アマリアのデータとして書き留めてもらいたい」


「まーかせて!」


「そしてここから、チルチ家からの依頼でもあるケールゲン諸島を目指す旅でもある。20,000キロ以上の長い旅が予想される。かなり長いが、体調が悪くなったらすぐにドクターに言ってくれ。他質問はあるか?」


ネイト他、皆周りを見渡す。質問のあるような感じではなかった。


「内容だな。では、搬入出用パレットに乗って地上へ行こう」


皆はビークルに乗って、搬入出用パレットまで移動する。パレットは既に地下に来ており、ネイト達が載るのを待っていた。

そうぜ9台、に加えてユニットもあり、結構大所帯になったとネイトは思った。



そして30分後、ゴゴゴゴッとエントランスゲートが開く。


「やっぱり、眩しい!」


とキャシー。


「今回は1ヶ月ほど地下にいたからな、余計眩しく感じるな」


とベルダ。

地上の乾いた匂いを思い出すかのように、皆少しの時間…といっても数分だが、実物と経験をリンクするかのように味わっていた。


数分後ネイトが、


「さぁ、行こうか」


と言って、ブロロロロ…とエンジンを吹かしてチャッカム・ラインを西へ進む。


「此処から先は、ドクターの情報と拠点から得られる情報を比べながら進んでいく。まずは100キロ西のアウチポストだ。今日はそこでテント泊をする」


「了解だぜ!」


「このあたりは、『ホロン・エリア』と呼ばれる地域で、若干の山岳地帯となっているわ。ナウナウ・キャンプとは違って往来があるから、道は比較的整備されていて、特に困難なことは無いはずよ。お昼時間と思われるところまでは特に何もなく、至って平和よ。レイダーなどの敵対組織が迂闊に手を出せないくらい安全ね」


とドクター。


ナウナウ・キャンプ周囲が整備されれば、その拠点を中心としたコースを全域を「ナウナウ・エリア」と呼ばれるようになるだろう。


ドクターの言う通り、結構な往来がある。

すれ違いざまにパッシングをして、「やぁ、元気か?」「ああ、元気だ!」と挨拶を交わすのが探索者の間での常識となっている。


「結構な探索者が居るぜ!」


とエヴィ。確かに、今までで一番の数かもしれない。

ニャーガム側からもそうだが、チャッカム側からも、アウトポストへの補給クエストが発注されており、アイアンランクの格好のクエストになっている。荷物を満載に積んで、アウトポストを経由して、ニャーガムとチャッカム間(の主にアウトポスト)を行き来するだけで、結構な稼ぎになるからだ。ただ、戦闘がほとんど発生しないため、ブロンズランクに上がってもあんまり使えない探索者になってしまうのが悩みである。このあたりは、HoMEで調整する必要があるだろう。


「そう言えば、ネイト、HoMEからのニュースを読んだ?」


「ああ、たしか、ランクに関することだったな」


「そうよ。新たに下位にひとつ、上位によっつ、特殊ランクがひとつを設けるって。下位が『フォスフォフィライト』で、上位が『ルビー』『サファイア』『エメラルド』『ダイアモンド』で、特殊ランクとして『オブシディアン』のランクが新設されるそうよ」


「そうらしいな。現状シルバーだが、限りなくブロンズに近い探索者はブロンズに降格になるようだな。その代わり、サバイバーやフレンダー堕ちや復帰者のために、フォスフォフィライトランクが新設されるらしい」


「まだ流石にダイアモンドランクはいないけど、ルビーランクには何名かのプラチナランクの探索者やアシストグループが申請しているって話だわ。フォスフォフィライトランクも、基準は緩いけど監視は強いこともあり、これまでの投げっぱなしじゃなくなっているわね」


続けて、


「そのせいもあってか、『オブシディアンランク』の需要が大きくなりそうね。オブシディアンランクは一線を退いたけど、その経験は豊富でこれから育っていく低位ランクの探索者のためにコーチという立場で教えていくらしいわ」


「世の中の上位にはそんなすごい連中がいるんだな…。俺達はまだまだだ」


「そんな事無いぞ!シルバーランクに上がって、ゴールドランクに手が掛かっているアシストグループなんてそうそういない。自信を持って良いぞ!」


とロニー。


「そ、そうか…」


とネイト。ロニーの迫力に圧倒されたのだろう、なんだか自信なさげである。


ロニーと早苗との秘密であるが、ロニーは元ゴールドランクである。訳あってシルバーランクになってはいるが、実力はゴールドクランクと遜色ないと言ってもいい。そのロニーが言っているのだ、迫力があるのは当然だし、経験から言っているのでネイトが圧倒されるのも無理はない。


「ああ、そうだ!付近にゴールドランクがいなくてよかったな!『ゴールド落とし』されずに済む」


「ゴールド落とし?」


「そうだ、ゴールドランクに昇格しそうだったり、昇格したばかりでまだ準備が万全でない探索者に意図的にデュエル(決闘)を仕掛けて、その圧倒的な火力で叩きのめし、物理的にも心情的にも大きなダメージを与えるというものだ。ゴールドランクスレスレと、しっかり準備しているゴールドランクでは戦力差は歴然で、『第二の洗礼』とも言われている」


「そんな乱暴な連中がいるんだな…」


「ああ、ゴールドランクからのクエストは美味しいのが多いからな。他に回したくないと考える連中が少なからずいる。全体の10%はいるというゴールドランクの探索者全部で、アイアンランク、ブロンズランク、シルバーランクの収入を軽く上回るからな。それに、ゴールドランクからは『名誉』といったものが重要視されてくる。一番いいのはヘカテリオン・リージョンの帰属から爵位を授かれると良いんだが、独特な文化だと聞いている」


「爵位ならあるぞ。チルチ家から男爵の爵位を授かっている」


「え、そうなのか!そう言えば先日貴族から依頼がどうのとか言っていたが、まさか授かっているとは…。それは強い証になるぞ。爵位を授かっている探索者にデュエルを仕掛けるということは、家に対して戦争を仕掛けるのと同意だからな」


「どうやら洗礼は受けずに済みそうだな…」


「そのようだな!さすが、オリバーお勧めのアシストグループだ!ついでに緊張しない強い心臓を持っているなら心強いんだが…」


「ロニーの言うものに該当するかはわからないが、今俺の心臓が人工心臓で『緊張に強い』心臓になっているぞ」


「そうなのか、それは良いと言って良いのかわからないが、ゴールドランク以上からは『ミッション』の進行が義務付けられている。なので複数人数の場合だと強いリーダーが必要なんだ。ちょっとしたことで毎回心臓を大きく鳴らされていては先は続かないと聞いていてな」


続けて、


「つくづく、すごいアシストグループだ!」


と、エヴィが疑問に思う。


「『ミッション』ってなんだ?」


ドクターが解説する。


「ミッションはね、HoME等の公的な機関がゴールドランクとして正式に任命した探索者に対して請け負ってもらう連続した一連のクエストのことよ」


「クエストもHoMEから受け取ってるよな?」


「それはね、クエストを管理しているだけで、HoMEからのクエストというものはほとんど無いのよ」


とドクター。

続いてネイトが、


「ドクターを探す時に、俺がHoMEに対して人探しクエストを発注しただろう?あれは発注者が俺で、管理がHoMEになっているんだ。手数料を支払って管理してもらうのさ。じゃないと、俺達自身が誰かの目に留まるまで人探しの看板を掲げてHoMEの前で立つ羽目になる」


「なるほど、よくわかったぜ!」


そんなことをしていたのねというドクターを横目に、


「でもまだゴールドランクじゃないからな。慌てなくても時間は十分にあるさ。『洗礼』も受けなくて済みそうだしな」


「そうだねー!あと、復帰者用のフォス…」


「フォスフォフィライトランクな」


「そうそう、そのフォスフォフィライトランクで復帰できるのも良い試みだねー!これでサバイバーやフレンダーが減ると良いんだけど…」


「減らすための対策だから、効果はある…あってほしいと思っている」


と話しながら走っていると、昼食ポイントをゆうに超え、あっという間に100キロ先のアウトポストに到着してしまった。


読んでいただき、ありがとうございます!


拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。

もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。


みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。

頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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