序章
貴方はこの世で信じられる人がいますか?
私はいません。
誰が何考えているかなんてわからないから。
だから、私は誰も信じません。
でも、本当の事を言うと出来ないのです。
信じたくても心がそれを頑なに拒むのです。
仕方ないでしょう?
仕方ないと思いますけど、信じてみたいという気持ちもあります。
小さい頃からその気持ちはだんだん強くなり。
今では考える事考える事そればかり。
誰かを信じられたらいいのに。
信じてみたいのです。
どうしたらいいのかはわからないですけど。
夢にみます。
誰だってそんな気持ちはあるでしょう?
そしてそんな方を捜すために私。
旅に出てみようと思います。
というわけでお父様、お母様。そして屋敷の皆様。
さようなら。
追伸
私の部屋のものは適当に売り払ってください。綺麗さっぱり、あと腐れなくお願いしますね。
そして、私のことは忘れるようして下さい。死んだとでも思って頂ければ大変結構です。寧ろそうなさる事を心より推奨致します。
それでは今度こそ本当にさようなら。
リラ・オーキッド
「なっ、何だ、この置き手紙はっ!!」
激怒するお父様。
「あぁっ……!!」
倒れるお母様。
「リラ様らしい……」
納得する屋敷の皆様。
この事件の発端者であるリラが見ればにこにこと笑いながら「個性が出るわねぇ」と言っていただろう。
だが、もういない。
この日、この家に起こったこの大事件。
これにより、穏やかな日常は破られた。
すべては、彼女。
リラ・オーキッドが呼び起こす嵐のはじまりだった。




