仮タイトル アレ 研究
「真佑ちゃん今度食事に行こうよ」
「あんた何言ってんの、この間断ったばかりじゃない」
「この間はこの間今日は今日だよ真佑ちゃん!で今度どう?」
「はぁ〜ホントバカじゃないの・・・」
「真佑ちゃんは今日は忙しいみたいだから明日また誘うからスケジュールあけといて!」
「何度誘われても嫌なものは嫌なの」
「渡部の奴また真祐に声かけてるのか?」
「まぁそうみたいですね」
「真佑さんはあんな風なんですが、結構男女ともに人気なんですよ」
「そうなんだ!人は見かけによらないな」
真祐は、ちょっと強気で前向きな判断で行動する体育学部の2年の女子だ。ただし建築工学も同時に進級していた。
その真祐には、先ほどの渡部のように言い寄ってくる男子学生が多いため、あえてそっけなく断っていた。
「遅くなりましたぁ」
「渡部遅いぞ!」
「ちょっと立て込んでたものですから・・・・」
「真祐にふられる事を立て込むっていうんだ!」
「・・・みられてたんですかぁ・・・」
「真祐とお前とじゃ厳しいかもな」
「そんなことないですよ!真祐ちゃんはオレにピッタシですから、明日はスケジュール空けてもらうように言っときましたから・・・」
「まぁ言うのは自由だけど・・・真祐がどうするかも自由だからな!ハハハ」
「ところで先生今日はなんか話があるってメールきてましたけど」
「そのことだがこれをみてくれ」
「なんですか・・・」
「君たちも知ってるだろう砂漠化した立入禁止エリアの事を」
「あぁ知ってますよ。あんなもの掘り出して最悪ですよね・・・」
「・・・それなんだが、この度我々で研究してみようと思う」
「えぇぇ!あんなとこ行ったら命がいくらあっても足りないって」
「確かにその通り!あそこを管理している研究所の職員は作業して数ヶ月で退職させられている。そこに着任している所長はほぼ全て死亡している」
「そんなもの研究しなくてもいいじゃないですか」
「ただ渡部・・・先月君から受け取った研究リポートの中にあそこにあるものを無力化できる可能性があると思われるんだよ」
「・・・」
渡部の抵抗も虚しく研究をすることになった。誰もがその時死を覚悟していた。
「あぁ〜・・・今から真佑ちゃんもう一度誘ってこよ」
渡部はそう言って部屋を出て行った。
「真佑ちゃん!」
「また来たの・・何度も言わせないで」
「いや・・・そうじゃないんだ・・たぶんもう会えないかもしれないから最後に話出来ればと思って・・・」
「渡部え!何言ってんのもう会えないとか、最後とか!」
「・・・まぁそういう事だから・・バイバイ」
そう言うと渡部は大学の施設へと消えて行った。
「・・・なんなの?あれだけ付き纏ってたのに突然会えないとか・・勝手な奴。まぁこれで煩わしさから解放されるけど・・・でもあいつなんでだろう」
「さぁアレを無効して真佑ちゃんをまた食事に誘うぞ」
渡部は強い決意のもと冗談を言って研究内容を見返していた。