第2話:ターゲット
ギャアギャア騒ぐ女ほどしつこくてろくな女はいなかった。
「本当にあたしのこと好きなの!?」ってな。
いろんな女がいる。
でも案外俺の知ってる女はケツ軽ばっか。
今度ナンパするときは慎重に……。
目に飛び込んできたのは黒くてくせっ毛な感じの女子。
隣には黒と同じぐらいの背の高さの茶髪ショート。
ターゲットは決まった。
黒髪女子だ。
見ていると黒髪のほうは立ち止まり、俺と目が合った。
そして俺は歩み寄り声をかける。
いつも通り。
「君ら今暇?」
って――…。
この時の俺はどうでもよかったんだ。
誰でもよかった。
ただ、俺を受け入れてくれる人がいれば。
俺を受けとめてくれる手があれば。
誰だってよかったんだ――…。
簡単に声をかけたはずだった。
この時は――…。
「暇だったら、一緒に遊ばない?」
「んー。いいよ♪」
「ちょっ。ミヨナ!?」
この茶髪で傲慢そうなのはミヨナというらしい。
「へぇ。ミヨナちゃんって言うんだ?で、君は?」
「この子は麻緒梨って言うの!」
おめぇに聞いてねぇよ。
「人の名前勝手に教えないでよぉ!」
とにかく、ターゲットの名前は分かった。
「俺、悟夢!よろしくな!」
「よろ〜♪」
「あ。よろしく……。」
「ねぇ。アド交換しない?」
このミヨナとかゆうの、邪魔。
「じゃ、二人ともケータイ出して!」
「あたしも!?」
当然っしょ?
そして追加された二人の名前。
のちに俺はミヨナに振り回される。
ミヨナは、強引だ……。
俺に麻緒梨に近づく隙さえくれない。
夜もやつからばっかりメールがくる。
メールの内容も読みづらい。
もう無視だ。無視。
[ミヨナ。ちょっ┣〜??もぅ寝ちゃッタ/〜??無視┣ヵ∪〒なLIヨネ??]
またきた……。




