馬鹿王子 おまけ
え~っと、本編で王子のバカッぷりが出てなかったので、出したいなぁと。でも、なんかあんまりおもしろくないかも・・・。
「ああ、子どもを産むなら女の方がいいだろう」
「そうだな!!きっとエルに似た美人になるだろうからな!!」
「他国の王族と姻戚関係になれれば国益にもなる。王位継承権から外れても、王の血が流れていることには変わりないからな」
「他国!!遠いな・・・。そんなところに嫁に行くのか・・・・」
・・・・何だろう、この会話。
「ああ、でも男も欲しいな!!俺のように強い男に育てるんだ!!」
「男は止めろ。産んだところで争いの種になるだけだ」
カイン王子の執務室で繰り広げられる会話。相手は、第2王子のローランド様だ。婚約の祝いをいただいた後に、何故か続く会話。しかもかみ合っているようでかみ合っていない。
「下手に男など産んでみろ。変な妄想にかられた奴に担ぎ上げられ、後継者争いだの、国家転覆などに利用されるのがオチだ。産むなら女にしろ」
「担ぎ上げられるような軟弱な育て方はしない!!一人で戦場に立っても生き延びられるように俺が鍛える!!」
ああ、シリアスに話が進まない。担ぎ上げるって、肩に担ぐわけじゃないですよ、カイン様。というか、産むのは私であってあなたではないんですけど。
なんだか一気に脱力してしまった。思わずため息が出る。
お茶でも飲もう。そう思い、茶器の準備をする。
ふと、部屋の扉に背を預けて立つ、少女が目に飛び込んできた。
薄桃色の髪は背の半ばほど。視線に気づいてこちらを見つめ返す瞳は、新芽のようなみずみずしい新緑の色。美しい、というより可愛らしいという風貌だ。年は私よりいくつか下だろうか?
「・・・お茶は、いかがですか?」
答えはノーだった。緩く首を左右に振られた。
仕方なく一人でお茶を入れ、一人で飲みながらそれとなく彼女を観察してみた。
よくみれば、彼女の長い耳はぴくぴくと動いていた。王子たちの会話を聞いているのだろうか、その動きはうさぎのようで、ちょっと可愛い。
そのせいか、ふふふっと笑ってしまった。
それに、怪訝そうな瞳をむける彼女。なんだろう、森の民って、全然人と変わらない。
「いや、そもそも子どもを産める体か?出産というのは、母体に大きな負担がかかるのだ。子を産んで亡くなる母親も多い」
「なに!!エルが死ぬのか!!なら、俺は子どもなんていらないぞ!!エルがいてくれればいいんだ!!」
なんだか会話の雲行きが怪しくなってきた。嫌な予感に視線を彼らに戻せば、カイン様とばっちり目があってしまった。
「エル!!死ぬな!!俺はお前がいないと生きていけないんだ!!」
こんな台詞を堂々と、人前で言ってしまうカイン様。は、恥ずかしい。
たぶん私の顔は、赤くなっていたと思う。
「子どもはいらない!!お前が生きていてくれ!!」
すごく恥ずかしいけど、嬉しい言葉。同時に私を包んでくれる強い腕。
「カイン、ウリエルがお前の腕で死にそうだぞ?」
「何!!エル、大丈夫か??」
力加減も出来ない、愛すべき馬鹿王子。あなたの愛で、私は天にも昇れそうです。
なんだかんだ、ウリエルもちょっと馬鹿っぽくなってしまった。次は、ローランド王子とアールヴの話を書きたい、なんちゃって。




