4話目
あはは...またやっちゃったよ。なんで名前打ち間違えるんだろ。しかも今ごろ気づいてだし...まじでいっその事、名前変えちゃおうかなぁ...<2012,5,8修正>
「――あら、どうかなさいましたの? 陛下。そんな顔をなさって」
残念ながらショック死しなかった。いや、したくないけど。あたしの耳に届いた女性の声。その声はあたし同様ショックを受けたクソ兄貴に向けられていた。しかも兄貴のショックはあたし以上で顎が外れてるんじゃないかと思うほど開けられた口。そしてお尻強打したんじゃない? なんて思うほどズベッと玉座から滑り落ちていた。
「ごめん、何言いたいか分かんないからちゃんと日本語話して」
挙句の果てに〝こ・こ・こここッけッ・・・〟なんて言うもんだから鶏の鳴き声と言ってもいいような意味不明な事を発する兄に冷たく言い放つと同時にあたしはドレスを掴み、今までで生きてきた中で一番の良い笑みを浮かべながら側に立つ人物に向かって廻し蹴りを繰り出した。
「なに勝手にひとを婚約者だなんて言いやがるッ?! ハイエナが煩わしいからと言ってひとを巻き込むなッ!!」
ドレスだろうがなんだろうがこの際どうでもいい。ちなみにここがどこかなんて事もこの際――以下同文。それらをキレイさっぱり脳内から消去したあたしが繰り出した蹴りは綺麗に躱され、憤りは更に膨れる。そんなあたしの内情とは裏腹に楽しげな笑みを浮かべるアバドン。
――ねぇ、ヤッていい? ヤッていいよね?
そんな思いを込めていまだに床と仲良くしている兄貴に視線で問えば、すごい勢いで首を横に振られた。思わず舌打ちすると何故か兄貴がビクつく。
「ごめんなさいねぇ。こんなんでも一応皇太子だから居なくなると困るのよ」
「大丈夫。兄貴はこんなんだけど義姉さん若々しいから弟妹の一人や二人すぐに出来ますよ。あ、それとも父親も新しくします?」
のほほんと答える義姉に再び会心? の笑みを浮かべながら指をぱきぱき鳴らし始めたあたしを顔面蒼白で見る兄貴。そして最早笑いを堪えぬアバドンと〝あら、そんな〟なんて頬を朱に染めている義姉の姿を呆然と見つめる貴族諸侯たちであった。
拝啓父さん母さん。如何お過ごしでしょうか。お二人の事なので恙無く過ごされてらっしゃ...てか時間軸的にどうなんでしょうねそこんところ、てかマジでホントに...ああそうそう。こっちはこっちで色々ありました。頭わいてんじゃないの? と思う甥バカの爆弾発言とか人を生贄とにして面白がってる甥バカとか、まぁ同一人物...人物? 人じゃなくて魔族だけど人型だから人物でいいのか? うん、なんか変にこんがらがってきたからこの辺で強制終了します。
「――で、華南。お前はこれからどうする?」
「これからどうするって兄貴が連れて来させてんだろ? あたしが聞きたいくらいだよ」
「あぁ、それならカナンにはこれから俺の婚約者として王宮で色々と学んでもらう事にしたよ」
「まぁ、それはいい考えねアバドン。それで手配などは済んでるの? まだなら私の方で手配致しますわよ?」
「あぁ、ただ共に暮らせていければと思ったんだが...無理か?」
「いや、暮らしって...うん、まぁこの王宮でじゃなければいい...かな?」
「いや手配などは済んでいますので後はカナンが身ひとつで王宮に来れば何時からでも始められますよ」
「まぁ、それならこのまま監禁してしまったらどうかしら?」
「それはいい考えですね母上。では早速そのようにいたしま「しょうなんて言ったらその頭に踵落とし喰らわせるからな」
「まぁ踵落しとはどういった物なんでしょう? それにどうやって頭で食べるのかしら?」
非常に...非常に可愛らしく小首を傾げて見せますが義姉さん、踵落しは食べ物なんてものではなく敢えて言うなら蹴り技です。えぇ振り上げた足をそのまま勢いを殺さずに脳天、または肩などを目指して振り下ろす。なんとも下手したら相手の命も奪える技の名前です。て、言うか何このカオス。全然話しが噛み合ってないんですけど...