掌(たなごころ)
きいろ
一番多いのはこの初詣の季節だ。
彼は、うっすら目を開けた。
いつもなら、かすかに昇ってくるだけの祈りや願い、目標などが、今日はあちこちで弾けている。
泡のような『想い』を、彼はそっと掌ですくい上げた。そして、
ふっ
息を吹きかけられた『想い』は、ゆっくりと戻っていった。
病気の回復を願う人に、受験の成功を頼む人に。
禁煙を誓う人に、幸せを望む人に。
彼の周囲は、どんどんスッキリしていった。
そうして、彼はまた目を閉じ、まどろみ始めた。
20040117修正20190521
K.様のサイト「伍拾音式。」(50のお題)の「掌(たなごころ・手のひらのこと)」から書いたような気がするのですが、サイトのデータには違う作品(二次作品)が書いてあったので、この作品自体は文章教室で発表していたようです。
どちらにしても、自分個人で「たなごころ」という素敵言葉は出てこないので、いくつもの作品を触発する素敵タイトルは本当にすごいなーと思いました。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
「短い小説まとめてみました」は一旦これで完結です。
あちこちで書いていた短編ほぼすべてアップしました(微妙すぎるのは省きました)。
また見つけたら追加します。新しい短編を書いたら別タイトルでアップします。
最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。




