第8話:酔っぱらい
「ここが冒険者ギルド・・・」
冒険者ギルドへと足を踏み入れた私は建物の内部を一通り見渡した。
入口の扉から入り、真っ直ぐ進んだ所に二階へ上る階段がある。
どうやら、一階が酒場らしく、椅子に座り、食事をしながら酒を飲んでいる冒険者が数名いる
「ローズ殿、一階が酒場、二階が冒険者ギルドです」
「やっぱりね。見た感じ酒場だとすぐ分かったわ」
「おい、あんた!なんだその口調、気色わりぃな!」
「すぐ分かったわ、だとよ!!」
私の話口調を聞いた酔っぱらいの冒険者が私を馬鹿にする
「貴様ら!!ローズ殿に向かって・・・」
「大丈夫よテッカイさん」
今にも斬りかかる寸前のテッカイさんとフェールさんに、アイゼンさんを宥める
「しかし、ローズ殿・・・」
テッカイさん達を落ち着かせ、私を馬鹿にした二人の冒険者へ近寄る
「ん?なんだ?文句あんのか?このオカマ野郎」
私をオカマ野郎と馬鹿にした冒険者の目の前に止まり、酔っぱらいの頭を力任せに鷲掴みした
「あ、がぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私に頭を掴まれた冒険者の男は私の握力に手も足も出ないまま、悲鳴を上げている
「誰がオカマ野郎だって?ん?もう一度、言ってみないよ!!!」
「あたまが!あたまがぁぁぁ!!!」
「謝罪するなら今のうちよ?熊の頭蓋骨みたく粉砕されたい?」
数年前、私が住んでいた村に熊が現れた。
結局、その熊を倒したのはこの私、今の酔っぱらいみたく頭を鷲掴みし、頭蓋骨を粉砕してやった
「ご、ごめ・・・」
「ごめ?ふざけているのなら容赦しないわよ?」
「ぎゃあぁぁぁぁ!!!!ご、ごめんなさい!!オカマ野郎などと言って申し訳ございません!!!!」
顔の穴という穴から、あらゆる液体を流しながら謝罪する冒険者の頭から手を離すと、テーブルに倒れ込んでしまった
「貴方もやる?」
この倒れた冒険者と一緒に私を馬鹿にした冒険者へ睨みつけると、顔を真っ青にしながら、頭をブンブンと降っている
「そう。でも、二度目はないわよ?」
「は、はい!!!!」
「お待たせして、ごめんなさいね?」
倒れている冒険者と震えている冒険者からテッカイさん達へと振り向き、彼らの元へ戻る
「いやぁ、見事な手際だ」
「ふふっ、あのような輩の扱いはなれているのよ」
テッカイさんへ言った通り、あのような無礼な輩の扱いは村で慣れている。
まあ、その結果、村人全員から化け物を見るような視線を向けられるようにはなったけど
「そうでしたか。それにしても、無礼な冒険者もいたものですな!あの者たちに代わり、謝罪します」
何故かテーブルで倒れている酔っぱらいの代わりにテッカイさんが頭を下げる
「ちょっと!何で貴方が謝るのよ!!」
「憧れの冒険者になるため、遠路遥々冒険者ギルドへ来たというのに、あのような冒険者を見て幻滅したかと・・・」
「大丈夫よ!私の特性上仕方がないもの。覚悟はしてきているわ。それに全員があんなのではないって知っているから」
「お強いですな、ローズ殿は」
「ほら、もういいでしょ?頭を上げて、二階の冒険者ギルドへ案内して頂戴な」
「ふっ、承知した」
テッカイさんに連れられ、階段を上がる私。
フェールさんとアイゼンさんはギルドには用がないらしく、一階で酒を飲みながら待っているそうだ




