第25話
「じゃあ、早速なんだけど、ポーションを売ってちょうだい」
冒険者となったばかりで、装備もポーションも何もない。
ポーションを調達するために、ここへやって来たのは忘れていない
「あいよ。ローズ殿は冒険者になったばかりだから、新人セットをお渡ししよう」
「新人セット?」
「ご説明致しますね。新人セットは"回復ポーション[下級]"が三本、"魔力回復ポーション[下級]"と"解毒ポーション[下級]"が一本ずつの計五本のお得セットなんです」
ナツメちゃんの説明を聞いている間に、センブリお婆ちゃんが店の奥から新人セットを持って戻ってきた
「これが新人セットじゃ」
センブリお婆ちゃんの手には五本の細長い※フォレストガラスを持っていた
※フォレストガラスとは、10〜17世紀のヨーロッパの森林地帯で製造された、灰と砂を主原料とする中世のガラス。
緑がかった黄色い色が特徴で、日常の器や教会用ステンドグラスに使われていた
「あと、これも持っていってくれ」
センブリお婆ちゃんから受け取ったのは、腰に着けることができるサイドバッグだった
「お、お婆ちゃん、それって"アイテムバッグ"だよ!!それも容量が多い[上級]じゃない!!」
「ア、アイテムバッグの上級!?高級品じゃないの!!」
「ローズ殿に命を救われたにも関わらず、礼どころか依頼を押し付けてしまった。これは礼だと思って受け取ってくれぬか?」
「そ、そうは言っても・・・」
「ローズさん、どうか受け取ってください。というか、お婆ちゃんは頑固でしつこいので、受け取らないと面倒なことになりますよ?」
「急に脅された!?」
「まったく、ナツメは大袈裟なんだよ。もし、受け取らなかったら、受け取るまで、真夜中に宿まで押し掛けるだけなのに・・・」
眠っている時に部屋に押し掛けられるのはたまったもんじゃない
「わ、わかったわ。受け取ります、受け取らせて頂きます」
「よかったよかった。この足腰だと、毎日、押し掛けるのは面倒じゃったから、受け取ってもらえてよかったわい」
「よかったね、お婆ちゃん?面倒なことにならなくて」
センブリお婆ちゃんもだが、ナツメちゃんも中々な恐ろしさ。
やはり血は争えないってことなのかしら
「ポーションは通常、ポーション専用の鞄に入れる必要があるが、アイテムバッグを持っていれば、そこに入れておけば大丈夫じゃ」
私はセンブリお婆ちゃんから受け取ったアイテムバッグへ新人セットのポーション五本を仕舞い、腰へ身に付けた




