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白い雲
遠くに見える白い雲を追いかけて僕達は車を走らせる。
車の窓を全開にして、猛スピードで走る。
頬に当たる夏の乾いた風が心地よい。
海岸線に見えた貨物船がゆっくりと遠ざかり、視界から消える。
真夏の太陽は燦然と輝いて、すべてを金色に染める。
青い海、白い雲、遠くに見える港町・・・
変わる景色。
長い吊橋の影が微かに見えて、
僕は海岸線に視線を落とす。
波打ち際に打ち寄せる白い波を見て、
きっといい一日になると思う。
君はカーステレオの音量を上げて、
サングラスの奥に隠した優しい瞳で僕を見る。
「どこまで行くの?」
首をかしげて、聞く君の顔には若さと希望があふれている。
青い空の額縁の中で楽しそうに微笑む君の横顔。
「どこまで行くの?」
僕はただ白い雲を追って走る。
君とならどこまでも行ける。
僕はただ白い雲を追って走る。
海岸線に沿って。
僕はただ白い雲を追って走る。
君の笑顔を見ていたいから。
僕はただ白い雲を追って走る。




