登場人物 一覧
# 『北冠の黒狼』登場人物紹介
北方ノルヴェルドには、それぞれ異なる文化と力を持つ九つの部族が暮らしている。
この世界で人間が使える超常の力は、生命力を巡らせて身体を強化する「気」。
一方、本物の魔法を操るのは魔法生物であり、人は彼らと契約を結ぶことで、その力を借りることができる。
## 黒狼族・ノルヴァル家
### ヴァイセル・ウラ・ノルヴァル
**通称:ヴァイ**
**契約獣:王種・黒冠狼クルヴァナール(ヴァナール)**
本作の主人公。黒狼族を率いるノルヴァル家の第六子で、兄姉の中では末っ子。
現代日本で七十八年を生きた男の記憶を持って生まれ変わり、幼い身体の中に軍事、農畜産、兵站、組織運営などの経験を抱えている。
黒髪と灰銀色の瞳を持ち、北方人としては細身。普段は穏やかで丁寧に話すが、必要なときには驚くほど迷いなく判断を下す。
力任せに戦うより、相手の動き、地形、味方の位置、時間まで利用する戦いを得意とする一方、「強さとは敵を倒すことだけではない」と考えている。
何より嫌うのは、何も知らないまま誰かを切り捨てること。
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### クルヴァナール
**呼称:ヴァナール**
**種族:王種・黒冠狼**
ヴァイの契約獣。
かつて北方で「冬王」と呼ばれた存在につながる、極めて希少な魔狼。巨大な黒い身体と、黒曜石のような氷の冠を持つ。
ヴァイとの関係は単純な主人と従者ではない。互いを「群れを率いる者」として認め合って結ばれた、少し変わった契約である。
誇り高く、人間の肩書や権威にはほとんど興味を示さない。
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### ヴァルフラム・ノルヴァル
**黒狼族族長/ノルヴェルド辺境伯**
**契約獣:鉄狼ガンヴァル**
ヴァイたち六人兄弟の父。
大柄な戦士で、黒狼族でも屈指の武勇を持つ。政治や商売を得意とはしないが、自分にない才能を持つ者の意見を聞く度量がある。
古くから続く北方の価値観を背負う男であり、「自分が前に立って家族と部族を守る」ことを当然と考えている。
息子ヴァイの異常な才能を認めながらも、子供を神童や象徴として利用しようとはしない父親でもある。
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### アストリッド・ノルヴァル
**第一夫人/出生家:赤熊族ロスグラード家**
**契約獣:赤牙狼ラグヴァ**
ヴァルフラムの第一夫人。ローヴェンとユルヴァの母。
赤熊族の族長家に生まれた、生粋の北方武人。豪快で気が強く、家族にも遠慮がない。
黒狼族へ嫁いだ後も、自分が赤熊族の娘であることを捨ててはいない。
家族への愛情は深く、とりわけ「強い者ほど自分の強さを過信する」ということをよく知っている。
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### セレネ・ノルヴァル
**第二夫人/出生家:銀梟族シルアーン家**
**契約獣:星詠狼セラヴェル**
ヴァルフラムの第二夫人。シグヴァルとエルヴィアの母。
文字、歴史、法律に通じる知識人で、幼いヴァイへ読み書きやこの世界の歴史を教えた最初の師でもある。
感情より事実を整理して話すことが多く、武人の多いノルヴァル家では貴重な「記録と理屈」の担い手。
静かな人物だが、決して気弱ではない。
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### ミウレイア・ノルヴァル
**第三夫人/出生家:白兎族ウラリーネ家**
**契約獣:白霜兎リフネ**
ヴァルフラムの第三夫人。ベルヴァンとヴァイの実母。
白兎族らしく治療や身体の知識に通じる、穏やかな女性。
一見すると三人の夫人の中で最も柔和だが、家族が傷つけられることには非常に厳しい。
合理性を優先しすぎるヴァイに対し、「人は数字だけでは動かない」と教える数少ない人物でもある。
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### ローヴェン・グラ・ノルヴァル
**長兄**
**契約獣:雪狼イスヴァル**
六人兄弟の第一子。
ノルヴァル家最強と評される大剣使いで、巨大な剣を正面から振るう生粋の戦士。
短気で口も荒いが、単純な乱暴者ではない。家族や仲間、そして契約獣を傷つけられることを何より嫌う。
細かな理屈を積み重ねるヴァイとは正反対に見えるものの、弟の努力や実力を認めることに妙な意地を張る兄でもある。
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### シグヴァル・シル・ノルヴァル
**次兄**
**契約獣:風狼リュヴァン**
六人兄弟の第二子。
弓、偵察、追跡に秀でた戦士。正面から敵を叩き潰すローヴェンとは対照的に、「敵を見ること」「見つからずに動くこと」を得意とする。
兄弟の中では比較的冷静で、周囲をよく観察している。
ヴァイの考えをすべて理解しているわけではないが、その意図を察するのが早い。
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### ユルヴァ・グラ・ノルヴァル
**長姉**
**契約獣:草狼フィオヴァ**
六人兄弟の第三子。
明るく人当たりがよく、薬草、林業、土地に関する知識を持つ。
赤熊族の血を引く一方、緑鹿族とも深い縁を持ち、異なる部族の間で話をまとめることを得意とする。
兄たちとはまた違う意味で政治感覚に優れた女性。
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### ベルヴァン・ウラ・ノルヴァル
**三兄**
**契約獣:岩狼ドルヴァン**
六人兄弟の第四子。
大柄で力が強く、建築、地形、土木に並外れた感覚を持つ工兵型の人物。
岩や土地の形を見るだけで構造を把握することを得意とし、剣だけでは解決できない仕事に強い。
ヴァイとは同じ白兎族の母を持つ実兄弟。
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### エルヴィア・シル・ノルヴァル
**次姉**
**契約獣:霧狼ネヴァ**
六人兄弟の第五子。
社交、礼法、人付き合いに優れた少女。
北方人には面倒がられがちな南方式の作法を覚えることにも抵抗がなく、「知らない規則なら覚えて利用すればいい」と考える現実的な性格。
シグヴァルと同じく銀梟族の血を引いている。
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## ヴァイの友人・協力者
### ヴェルド・ハウゼン
**黒狼族**
ヴァイの乳兄弟で、幼いころから共に育った少年。
ヴァイと同い年だが、七十八年分の記憶を持つ友人の考え方には時々ついていけない。
その一方で、ヴァイの難しい説明を「結局、何をすればいいのか」という現場の言葉へ直すことが得意。
ヴァイにとって数少ない、身分より先に幼なじみとして接してくる存在。
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### トーマ・グレイ
**灰鼠族**
**契約獣:穴潜り鼬ネクト**
若い工作師。
排水路、測量、木工、坑道など、実際に手を動かして物を作ることに長けている。
ヴァイの案だからと無条件には従わず、現場で無理だと思えば遠慮なく指摘する。
「知識を持つヴァイ」と「実際に作れる職人」をつなぐ重要な相棒。
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### ノエル・フェンリス
**蒼狐族長家の姪**
**契約獣:氷玻璃狐ルーチェ**
ヴァイと同世代の少女。
商売、会計、契約、相場に強く、「良いことだから」という理由だけでは人も商人も動かないと考える現実主義者。
他人の言葉を簡単には信じず、自分で数字と現物を確かめる。
ヴァイとは似ている部分も多いが、利益や信用に対する考え方ではしばしば真正面からぶつかる。
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### ウルナ
**通称:婆様**
**白兎族/老薬師・天候見**
北方の自然を長年見続けてきた老女。
薬草、治療だけでなく、雪、動物、風、雲などの小さな変化から季節の異変を読み取る。
ヴァイの年齢不相応な知識にも気づいている様子だが、無理に問い詰めることはない。
経験を「迷信」と切り捨てず、同時に知識を「魔法」で済ませない人物。
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### ハーヴェン・ハルセン
**黒狼族最長老**
古くからの掟、慣習、部族の誇りを重んじる長老。
新しいものを何でも嫌う頑固者ではなく、「長く続いてきた制度には、それなりの理由がある」と考える人物。
ヴァイの新しい発想に対しても、年齢や実績、責任を厳しく問い続ける。
若者を邪魔する老人ではなく、部族全体の安全を考える立場から慎重論を唱える存在。
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## 赤熊族
### グラウス・ロスグラード
**赤熊族族長**
**契約獣:鋼炎熊ヴォルカ**
赤熊族を率いる武将。アストリッドの実兄で、イリナの父。
巨大な斧を使う豪傑であると同時に、重装歩兵を組織的に運用する優れた指揮官。
力を重んじる赤熊族の価値観を体現しているが、感情だけで部族を動かす人物ではない。
家族と民を守る責任を強く背負っている点では、ヴァルフラムやヴァイとも通じるところがある。
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### イリグナ・ロスグラード
**通称:イリナ**
**赤熊族長の長女**
**契約獣:焔甲熊ブレイズ**
赤熊族の若き戦士。
長柄斧を操り、真正面から相手とぶつかることを恐れない。
誇り高く、遠回りな策略より自分の力と覚悟で結果を示すことを好む。
荒々しく見えるが、自分だけ安全な場所から兵へ命令するタイプではなく、戦うなら自分も前に立つ。
ヴァイとは「何を強さと呼ぶのか」という部分から大きく異なる人物。
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## 南方から来た者
### エドガー・バルテス
**バルテス商会・北方取引支配人**
長年、北方との交易に携わってきた南方商人。
穀物、魔晶石、輸送、信用取引などを扱い、剣ではなく契約と金で人を動かす。
北方人をただ見下している無能な商人ではなく、利益の変化や新しい商売の危険性を素早く察知する現実的な人物。
ヴァイにとって、武器を持たなくても十分に手強い相手の一人。
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## 名前について
ノルヴァル家の子供たちの正式名には、個人名と家名の間に**「母印」**が入る。
* **グラ**――母が赤熊族出身
ローヴェン、ユルヴァ
* **シル**――母が銀梟族出身
シグヴァル、エルヴィア
* **ウラ**――母が白兎族出身
ベルヴァン、ヴァイ
母印は単なるミドルネームではなく、母方の部族との血縁や盟約を示す大切な名前である。
普段の家族同士では「ヴァイ」「ローヴェン」のように個人名だけで呼ぶことが多い。
結婚すると省略されるようになる。
勢い余っていろんな登場人物を出しましたが、設定を忘れかけているためまとめました。
後々矛盾点などありましたら教えてください。




