カレンちゃん、初めてのお宅訪問
こんちわん
ウィングが生まれて一週間。もう羽毛も生えそろい、目も開いてたくさんの言葉を覚えてきました。まだニート生活の二人は親ばかしておりました。そんな二人を心配してカレンちゃんは遊びに行くことにしました。
(よし、準備万端!!うう、でも男の子の家に遊びに行くのは緊張しちゃうな。)
そして覚悟を決めて、インターホンを押す。
ピーンポーン
するとどったんばったん聞こえてなんか大きなものが動く気配がして、それから静かになった。
ガチャリ
「あ、カレンちゃんこんにちは」
ユキさんが出てきました。あれ?手で包み込んでるそれはなんでしょう?
「こ、こんにちは・・・えと、その・・・しばらく見ないからなんか心配になって・・・あ、これクッキーです!!」
「お、ありがとー!!」
「ありがとー」
「へ?今の声どなたでしょう?」
「ぼくだよー」
「カレンちゃん、この子この子。」
「え!?」
私が見たものは虹色の羽毛に包まれたヒヨコサイズの小さな鳥でした。
「か、かわいい!!よし、クッキーいっぱいあげちゃう!!」
「チ~」
その様子を見てなんかユキさんの鼻の下がのびてます。
「ごめんね、最近閉じこもってたのはウィングが孵ってさあ」
「こ、この子孵したんですか!?卵から!?」
「うん、そー」
その時ダイラさんが出てきました。
「ん?こ、この臭いはくっきーか!!」
「はい。そうですよ。あれ?そういえば獣人でもないのに嗅覚いいんですね。」
「え?うん、まあね、あははw」
ん?心なしか二人の目線が泳いだ気がしましたよ?ま、いいや誰だって秘密はあるものね。
「早くたべる!ぼく、食べたいぴょ!!」
「あ、上がってきなよ」
ひゃあ!殿方の家に招かれてしまいました!!うええええええええええええええええええええええええい!!
「くっきーくっきー!!」
「食べる~」
「ボクもボクも!!」
ふふふ、ユキさんもダイラさんも子供っぽくてかわいいです。こんな雑種の私なんかとも同等に扱ってくれます。あ、そういえば私たち獣人や竜人はだいたいの人に差別されます。そういう行為をアパラトヘイトというのです。でもこの町はそういう方が少ないのでとても住みやすいです!!ここは王がとっても優しいのです!!アパラトヘイト禁止令を作ってくれて、とっても助かってます!!
で、今上がらしてもらっているわけなのですが・・・何にもないです!!キッチンにある程度のものがあるだけでホント何もない!!ベッドすらない!!
「ごめんね何にもないけどせめてお茶でも。」
いや、なさすぎでしょ!!・・・クンクン・・・ん?
「あれ?ユキさん達ってペットはその子だけ・・・ですよね?」
「ん?そうだけど?」
「あれ?おかしいなあ、なんかイヌ科の動物のニオイがする・・・」
バタン
「へ?あ、ダイラさん大丈夫ですか?」
ダイラさんがすっ転んだ!!
「あ、あはははは」
・・・なんか二人の笑いがぎこちない。お二人とも私の勘をなめないで下さいよ?なんていったって私魔獣のなかでも特に頭のいいキツネ魔獣との間の子ですから。
でも深入りはしません。そんなことするのは失礼に値しますから。
「あ、そういえば二人とも服一着しか持ってないんですか?」
バキッ
ユキさんがクッキー握りつぶした!!
「う、うんそうなんだよ。ははっ」
・・・またまたお二人さんの表情が強張った。
「それならかあさまに頼んでおきましょうか?」
深入りしない、なんか事情があるはず。それならば手伝えばよいのだ。
すると途端に二人の顔が明るくなった。
私はかあさまにたくさんの服を作ってもらおう。たくさんの料理を食べさせてあげよう。私も使えるやつだと思ってもらうために。
そろそろ帰ろうか。私はこの人たちが好きだ。だから2人も私のことを好きになってほしい。友達になってほしい。なれるかな。なりたいな。そんな思いを胸に秘めてドアを開ける。
「ただいま、かあさま」
さよならいおん
ぽぽぽぽーん♪




