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閑話 side オリビア 勘違いと後悔

オリビアに起きた事、ハーレム物の転生者は自分の起こす行動がどのような影響を及ぼすかを全く考えていないと日々感じている。次は「ギフト」持ちの彼の話を書きたいと思う。

 私の名前はオリビア・ロッシ、代々文官を輩出してきた中堅どころの貴族だ。兄と弟がいる。こういう時の女の役目は家をより強固にするために他家に嫁ぐ事だ。私は運がいい、小さい時から仲のいい幼馴染の男の子のハジメ・アヤノが同じ年で家同士も結婚に前向きだ。


 彼の家は武功を上げ続けている武門の名家、私の実家は代々お城に文官を輩出している事務方の名家。大きな戦争をしていたころはお互いを金食い虫だの後方で震えている腰抜けだの罵りあう険悪な仲だったが大きな戦がなくなり200年以上もたつと罵り合うのも疲れるのだ、それに戦が無いと武門だろうが事務方だろうがこれ以上の出世は望めない。出世も望めないのに喧嘩をし続けるほどお互い暇ではない。ここ50年以上は良好な関係を築いている。


 そして今、偶然同じ年の男女がいる。武家の名門と事務方の名門が婚姻を通して親戚となり国内外に影響力を高め、より高い位の貴族を目指そうと考えるのは自然のことだ。私たち二人も幼いころからしょっちゅう交流して仲良くしている。


 12歳になり試験を経て王立総合高等教育学院に入学し、卒業まで残り数か月、私たちが18歳の時に事件が起きた。少なくとも17歳まではお互いが別々の道に進んでいて切磋琢磨している姿を見て尊敬しあう仲だった。私は自分には絶対できない命がけで国を守ると言う献身性を称え、彼はどんな状況でも前線に滞りなく必要な物資や人員をきめ細やかに配置、サポートをする事に大きな感謝を示していた。


 18歳のある日カフェテリアで食事をしている時に下級生の平民の男の子が話しかけてきた。最初は塩対応だったと記憶している。私はそれなりの地位の貴族で婚約者がいる、彼は平民で男の子だ、少し会話しただけでも頼んでもいないのに野生の伝書鳩が勝手に手紙をばらまき始める。そんなことは分かっていた。しかし、彼の真剣な目と彼が実際に経験をしてきた実践的な話はいつの間にか私の知的好奇心を刺激していた。彼との話は楽しかった、知らなかった事、知りたかった事、私が質問すれば彼はすぐに答えてくれた。


 あのころ、週に1回のハジメとのお茶会を少し億劫に感じていないと言えば嘘だったのだろう。いつもは3時間は会話を楽しんでいたのにいつの間にか1時間で切り上げるようになった。嫌いになったわけでは無い、ハジメと話していても楽しくないのだ、やれ、大型魔獣を狩っただの、あの陣形がうまくいっただの、私の家が手配してくれた補給がどうしたと言う話に興味を持てなくなっていた。今思えばどうかしていた、何故そうなったのか未だに理解できていない。


 それでもハジメは寛大だったと今はわかる、カフェテリアで「ギフト」持ちの彼と話をしている時に諫めに来た、本当なら学院の外で秘密裏に彼を暗殺だってできたはずだ、暗殺までも行かなくても遠くの地に隔離する事だって可能なくらいアヤノ家は強大である。


 なのに彼は話し合いを選んだ、後で聞いた話だとハジメは私があんなに楽しく話しているのを初めて見た、無理やり取り上げて嫌われたら大変だよと笑いながら近しい人に話していたとの事だ。私はその近しい人に二度とハジメの話を口にするな、お前がハジメの名を呼ぶだけで彼の尊厳に傷がつくと言われ唾まで吐かれた。


 ハジメが話し合いと妥協案を提示したのに私は何故かそれを面倒だと感じた、どうせ結婚して残りの人生はつまらないのだし今くらいいいじゃないとまで思った。そしてそれに近しい事まで口にした。あの時のハジメの表情は今でもよく思い出せない、今まで私に見せた事の無い私の知らない表情だった。


 その後の事はあまり覚えていない、いつの間にか決闘騒ぎになり、なぜか私は「ギフト」持ちの彼の事を応援していた気がする。そして決闘が始まり10秒も立たないうちにハジメが負けた、その時は頭もそんなに良いわけじゃないのに決闘でも負けるなんていい所ないね、とのんきな事を考えていた。後に激昂した父から彼の「ギフト」は戦闘特化だから常人が勝てるわけが無いという事を教えられ体中が震えた。


 彼の「ギフト」は知識系だと聞いていた、戦闘系だと知れ渡ると他国から干渉されるから伏せられていたらしい。その結果ハジメは武門の出身で税金で戦闘訓練を受けながら文官志望の下級生に決闘に負けたと嘲笑されるようになった。


私はそんな事望んでいなかった!


 数日後、ハジメは家の歴史とメンツに泥を塗ったと遺言を残し自決したと知らせが届いた、王が首を確認して認定して後継者はハジメの妹に移った。


 ハジメの葬式に参加したがアヤノ家の人間は私たちを一瞥もせず香典はその場で突き返された、なんとか置いてきたものの配達証明郵便で送り返されたと後に聞いた。


 アヤノ家の人間は私の家の者に一瞥もしなかったと言ったが少し違う、すべて終わった後にハジメの妹さんに肩を捕まれ突き飛ばされて大粒の涙を流しながら「お兄ちゃんを返して!何でお前みたいな倫理観も股も緩い女が大手を振って歩いてお兄ちゃんはいなくならないといけないの!」と泣きじゃくっていた。聡明で常に冷静で15歳にして末席と言えど国王直属の国家運営委員会に召集されたと噂された才女の姿は無く兄の死を悼む年相応の小さな女の子が泣いていた。最後に絶対許さない。と言っていたのは気のせいではないはず。


 父はこの禍根は何百年続くのか?もし武の名門であるアヤノ家と我が家を天秤にかけた時に王はどちらを選ぶかは検討がつかないと言っていた。


 私はここ数か月の間、何故あんな行動をとってしまったのか未だに理解できない。

 

 本当なら自宅で軟禁からの修道院送り、もしくは最悪の場合は毒酒を・・・の可能性もあったが「ギフト」持ちが尽力してくれたみたいだ、一応の自由があるが今となっては彼の顔も見たくないし有難迷惑だ、でもハジメと違って自決する勇気もない卑怯者だ。そういえば「ギフト」持ちのあいつの名前は何だったのか?思い出せない。



 ここまで読んでいただいてありがとうございます、何か感じる物がございましたらどうかお気に入りと★評価などをお願いします。このままだと誰の目にも止まらないまま埋もれるばかりです。どうか評価をつけていただけないでしょうか?作者からのお願いでした。


 実は作者はアルファポリスとカクヨムにも同じ話を投稿し始めました、どちらもそこそこ好調です。特にアルファポリスが好調で、HOTランキングと言う新人専用ランキングにここ数日6位~4位を行ったり来たりしてTOPページに乗り続けております。本編は先行してこちらで投稿しますがテンポが悪くなる作者の思い付きで書く閑話はあちらに投稿しようと思います。よければあちらでもお楽しみくだされば幸いですし評価をしていただけたらより一層やる気に満ち溢れます。すでに1話ほどあちらのみで投稿した話もあります。


 投稿する際にすこし修正・加筆も行っております。先行連載をするメインはこちらです。これからもよろしくお願いします。


https://www.alphapolis.co.jp/novel/296775484/259062949


もしくは下部の直リンクから飛べるページに下記のタイトルが限定公開中です。


「受付嬢は見ている 冒険者の追放劇」がアルファポリス様での限定投稿作品になります。


 オリビアのこれからが気になる方は下部にある評価の【★★★★★】と、ブックマーク登録で応援をお願いいたします!皆様の応援ポイントが、次話を執筆する最大のエネルギーになります!もうしません許してください。これアップした時間が一番PV数多かったら複雑な気分になりそう。

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