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妹 ルイ・アヤノ リリィの返事と兄への執着

 妹ちゃん話ですよ、手紙の返事を受け取ってどう思うか。

 そろそろ届いたかしら?最初の返事は想定内、これで私の計画の第一歩は確実に進んだ。


 2通目の返事はそろそろ届くはず、これの返事に関してははっきり言ってこっちの親切心だ。将来の義姉が私に好意持ってくれればいいなと言う希望で出した。答えはどっちでも構わない。私は物語の義妹ではない、お兄ちゃんの大事なお嫁さんをいじめるなんてありえない、大好きなお兄ちゃんに嫌われるじゃない。


 だからあの女とも仲良くしてやっていた、お兄ちゃんの婚約者だったからだ、お作法と勉強しか出来ない今どきの親にいいなりのお人形さんの令嬢に。そういえばやたら胸が大きかったわ、お兄ちゃんはああいうのが好みなのかと思ったけど違うみたいね。今は目の前にいたら......まだ冷静に対処できないわ。



 私はよく物語に出て来る義母や義妹が性格のいいお嫁さんをいじめる事に理解ができない、大事に育てた息子や一緒に育った兄や弟が大好きな伴侶をいじめて何をしたいのか?まぁ家族の仲がが悪いとかの設定ならわかるけど、それなら離れて暮らせばいいだけなのだ。


 こんこんこんこんこん.......決まった回数のノック音。私は夜になったら自室のバルコニーで夜風に当たる振りをする。絶対あり得ないと思うけどメイドにスパイでもいたら大変だ、お母様にもきつく言われた。


 「お嬢様、聞こえますか?」


 どこからか声が聞こえる、姿は分からない。流石執事長が揃えた我が家に仕える精鋭の人たちだ。


 「聞こえるわ、周りはどう?誰もいない?」


 「ご安心を、他の物に調べさせました、誰もいません、風系統の魔法の許可を頂けますか?範囲外の人間に私たち二人の話が聞こえなくなります」


 「許可します.....本当に何も聞こえないわね」


 私たちの声が聞こえないという事は範囲外の音も聞こえないという事である。


 「リリィと言う者からのへんj」


 「ねぇ!あなた何様?!お兄ちゃんのお嫁さん候補よ!私の義姉になる人なのよ?!次期アヤノ家当主の私に何か思うところでもあるのかしら?!ねぇ!」


 「も、申し訳ございません、リリィ様、リリィ様です。まだ平民でしたので思わず、私の配慮が足りませんでした、この浅慮の責任はっ


 「ごめんなさい、現場で一番頑張っているのも、あなたがアヤノ家に忠誠を誓っているのは分かっています。兄のことになると周りが見えなくなるの、許して、そしてあなたの発言は忘れます、報告の続きを」


 「もったいなきお言葉、では続きを、答えはイイエです」


 「そう、(そっか、顔も見たくないという事ね、気持ちは分かるわ。私なら目の前でみたいけど、まぁ一つ手間が減ったわね)」


 「それと、もう一つ”今までの提案は動物が了承したら私はそれに従う”だそうです」


 「......そうもう、下がって。次はリリィさんの学院在籍時の魔法の適正と成績を調べて頂戴、いえ、何が出来るかも知りたいわ、あの人たちの成績のつけ方には疑問が残るの」


 「はっ、承知しました。それと差し出がましいのですが、鉛筆画でよろしければハジメ様の周囲の者たちの絵を用意しました。よろしければ拝見してください」


 「あら、あなた意外な才能あるのね、兄は、少しやせたのね。いえ、絞ったと言うべき?描いたあなたはどう思う?」


 「私見ではございますが、重装備で行軍して集団で戦う事の多い騎士と違い、冒険者は単独、または少人数で動くことが多いので、ある程度の膂力は維持しつつ素早さを追求したのかと」


 「へぇ、流石ね。ロックさんは何だか素行が悪そうな顔ね、報告書では気のいいお人よしとあるけど人は見かけによらないのね」


 自分の兄が一番見かけによらないのは目が曇っているからであろう。しかし兄の親友なら平民でも敬意を持って評価するのである。


 「リリィさんは、えっと、注釈に銀髪と.....あなたこれ間違い、なんてするわけないか」


 「......描いている時に少し、いえかなり髪の色以外は若いころの奥様に似てるなと」


 「やっぱり、咄嗟に選んだ髪の色は茶髪だし、名前はオリバーね、あの女に似ているのもあるけどお母様の地方によくある名前を咄嗟に選ぶ当たりよほどお母様の事が好きなのね?それと過去の女が忘れられなかったようね、こういうのマザコンって言うのかしら?体は大きいクマなのに可愛い兄だわ、よし、ご苦労様、今日は休んでまた調査をお願いね」


 「ありがたきお言葉、ではお休みなさいませ」


 (やってしまった、やってしまった、やってしまった。私はダメな女だ。周りから天才とか言われるけど、どうしてもお兄ちゃんの事になると視野狭窄に陥ってしまう。リリィさんの”今までの提案は動物が了承したら私はそれに従う”要は兄の意向に従うという事、当たり前よね、お兄ちゃんの意志が一番大事だもの、そこを失念してどうするのよ、冷静になれ、視野を広く持て、お兄ちゃんがなるべく地位を回復して私の近くにいてくれるように外堀を埋めるのよ、当然お父様とお母様以外に気がつかれないように)


 ルイはすーっと深呼吸をする。


 (それにしてもリリィさんはあの頭ゆるゆる女と違って頭もいいわね、私が用意したルート以外での返事だったから用心してクマを使わずに動物に変えるあたり機転も利くわ。勉強と礼儀だけしかできない女とは違うようね、見習わなきゃ。そしてお兄ちゃんにぞっこんなのがパーフェクトよ)


 さて、リリィさんの返事とこれまでの反省を生かして目標を立て直しましょう。と言っても2つ目の返事がイイエだったからやる事は次の報告が来てからね。


 夜ともなるか風も冷たい、家の中に入り、明日にでも母親に今夜の事を報告しようと考えながら兄の事を思い出しながら眠りにつくのであった。

 1話にする予定だったんだけどなー、2話になっちゃう。次はルイがブラコンになった理由話です、1時間後にアップ予定です。鉄は熱いうちに打てと言います。今すぐ書きたい所ですが誤字脱字チェックがあります。毎回誤字脱字がある上に読み返すと再発見します。困ったものです。誤字脱字が無ければ即アップできるのに。


 オリビアの評価、別に頭も悪くないし、機転も利かないわけでもないし、何なら上級文官コースの成績上位者で卒業後は官僚として修業して将来的には脳筋一族の裏方をする気マンマンだった上にできるだけの能力はあります。ただ兄を傷つけたと言う一点でルイからの評価は地の底です。


 オリビアの見た目、背が小さく胸が大きいとのことですよ。リリィとは真逆です。何故マザコンの主人公の婚約者になり大事にされていたかはいつか書きたいと思います。


 オリバーと母のヘレナ、オリバーはドイツ系、ヘレナはドイツを中心とした欧州系の名前だそうですよ。ドイツだとヘレーネと言う発音になるらしいですが、語感がいいのでヘレナにしました。


 貴族変装時に名前も性も無いといけないよねって話もいれようとして


 リリィ「オリバーは.....オリバー・カー、いや、何か嫌な予感がするわ、やめましょう!」と言うシーンを入れようと思っていたこともありました。分からない人はゴールキーパーとオリバーでググれば出てきますよ。往年の名選手です。


 次話は妹 ルイ・アヤノ 兄を慕う理由になります。


 ルイが何を考えているのか、何故ルイが重度のブラコンになったのか。少しでも『面白い!』『ニヤニヤした』と思ってくださったら、ページ下部の【★★★★★】やブックマークで応援していただけると、執筆の励みになります!」

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