妹 ルイ・アヤノ オリバー達への接触の序章
妹ちゃん回、と見せかけて今回はちょっと主人公まわりに接触してきます。
アヤノ領、本邸。
ルイ・アヤノは、お気に入りの天蓋付きベッドの上で、お気に入りの大きな熊のぬいぐるみをきつく抱きしめながら、ぶつぶつと独り言を呟いていた。
「あぁ、お兄ちゃん……今どこで何をしているの? 外の世界は、私たちが思うよりもずっと汚くて残酷で野蛮なところよ。ちゃんとしたごはんは食べられているかしら。お金に困って、ひもじい思いをしていない?」
彼女の頭の中では、今や悲劇のヒーローとなった兄・ハジメの姿が美化されて再生されている。
「……あ」ぽつり、と呟くと、彼女の顔から一切の感情がすっと消え去った。
抱きしめていたぬいぐるみをベッドに放り出し、いつもの冷静さを取り戻す。
「……よく考えたら、あの兄が、街の素人やゴロツキ程度にどうこうできるわけないわ。むしろ、兄に絡んだ可哀想な人たちが、反射的に兄に会うたびに逃げ出すか目を背けるようになるわね」
完全に冷え切った声でそう分析した瞬間、部屋の扉がトントン、と叩かれた。
『ルイお嬢様。例の、ハジメ坊ちゃまの周辺についての調査報告書が届きました』
執事長である部屋に招き入れ、報告書を受け取る。そういえばこの前母に叱られた。
「ダメよ、ハジメが生きている事を簡単に他人に伝えたら、まだ喪に服しているという事になったいるのよ?もう少し間を開けて、世間がこの事件を忘れた頃に私かお父さんに相談してから動いてちょうだい、まぁ動いてしまったものは仕方ないわ、有効活用しましょう、報告書が上がったら情報共有をしなさいね」
反省しなきゃね、私は兄のことになると視野狭窄に陥りやすい。
「それで?ふーん、お兄ちゃん。もう彼女作ったんだー、手が早ーい。どんな人かな?お兄ちゃんは人がいいから性悪女に引っかからないといいけど、えっと、リリィことリンネア・ショーベリ?.......え?確か北の国の小貴族にショーベリ家ってあったわよね。えっと、あぁ、あの豚に追い回されて逃げたのね、えっと、何よ、この報告書じゃお兄ちゃんにでれっでれっじゃないの、それならいいわ。出自も悪くない、しならく様子見ね、それよりショーベリ嬢を追い回していた豚、前にどこかのパーティで見た覚えがある、とある国の3位貴族の次男だか三男だか、お母さまに色目を使ってお父様に凄まれて震えていたところに向こうの当主につまみ出されていたわね。まったく長男だけ教育して次男以降を蔑ろにするから.,,,,,」
「お嬢様、今よろしいでしょうか?旦那様より言伝が」
私の思考がまとまった絶妙なタイミングで執事が話しかけて来る。
「何かしら?お見合いかしら?」
「こちら、報告書になります、そして旦那様から、”お前も当主になるのだ、解決して見せよ、相談には乗る、いつでも相談に来なさい”....との事です。」
お父様の真似うまいわね、流石長年勤めているだけあるわ。報告書を受け取り読むととんでもない内容である。
「あら?あらあらあらあら、これはよくない、よくないわね。採光用魔石の横流しは見過ごせない」
採光用魔石は我がアヤノ家の軍需産業品の一つである、すべてナンバーが控えられ決まった場所で完璧に管理されている。今回横流しされた物は仮に軍事訓練中に無くしたら見つかるまで探させられる。そういう代物だ。
”採光用”魔石である、光を増幅して暗闇でも明るく見える程度の物は粗悪品に分類されるが、今回の物は兵器である、光を集めて発射機構に取り付ければ非魔法使いでも強力な光線を放つ事ができる。主に城壁に設置して大型魔獣の迎撃にも使用できるほどの火力を秘めている。
「馬鹿なの?こいつ、ナンバー控えているのよ、買う奴なんていないのに、えっと、あら兄の彼女の実家の領内の準貴族じゃない、しかも逃げる前に懇意にしている工務店から金目の物盗んで訴えられてもいるって、ん?こいつ、珍しい、映像記録魔法の使い手?.......あっ!わかった、こいつ魔石は魔力探知機に探知されるけど映像記録は持ち出せる、魔石は記録後に捨てて加工技術と刻印ナンバーの書体だけ大陸外に持ち出すつもりね!でもどうやって?準貴族ごときが一人でできるわけないわ、調べなきゃ。」
あまりにも大きな話すぎていくら天才とはいえ、まだ16歳のルイには判断するには重すぎる話だった
「お父様は気が付いていない、これは相談しなきゃ、けど今は訓練でいない、でも急がないと。あら?兄の滞在している町に潜伏してるのね、これは使える。兄ならこれの価値が分かるから即返却してくれるわ。お父様がいないから仕方ない、お母さまに相談して兄の町のギルドに指名依頼という形で依頼するしかないか、ついでにショーベリ嬢、いえお義姉さまにも連絡を取りたいわ、作戦を考えましょう」
こうしてルイは思いついた事柄を母親と相談しながら手紙に記し兄の町のギルドに届けるように命じた。
うーん、セリフ多いなぁ。独り言を言っているみたいで変かな?
お母さまに色目を使ってお父様に凄まれて震えていた・・・ブタ野郎は細身で目つきの鋭いロングヘアー美人が好みのようです。
20時にロックの短編入れます。
.......気に入ったかも。・・・・より何か使いやすい気がします。
採光用魔石はすべてナンバーが控えられ決まった場所で完璧に管理されている…これが理由で簡単に解決できると判断してルイに任せてみたのである。別に父は悪くない、軍事や警察をつかさどる大貴族である。本当はいちいち準貴族の横領ごときでは動かないです。
本当はロッシ家と仲違いしなければ軍事部門と警察部門は近い将来分けられるはずでした。マジ、コウタは害悪。両家は今はぎくしゃくしているが、いつかは国と為と割り切って付き合っていけるだろうか。当然作者にもわかりませんよ。ライブ感で執筆中!
よく天才キャラってどんなジャンルにもいるじゃないですか、でも作者的には全部ひとりでできる人間なんていないと思うんですよ。人間って協力しあってこそ力を発揮すると思います。なのでこの作品にはなるべく「あれ、また俺なにかやっちゃいました?」という風に解決する話やキャラは作らないように意識しています。意識しているだけで気が付いたら一人で解決してしまう事もあるかもね。そこは作者の技量と記憶次第。
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