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婚約者といちゃつく奴を注意したら決闘となり敗北~すべてを失った男の物語  作者: 松ボックリ


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初夏の始まり1 オリバーの決意

 オリバー君、ロックの言葉を受け将来に向け第一歩を踏み出す。

 「リリィさん、たまにはクエストを忘れてピクニックしませんか?」


 最近ロックに教えてもらった釣りにはまっているのだ。釣りはいい、釣れた時も楽しいが、大自然の中でゆっくりと時間が流れる待ち時間で会話が弾む。コロコロと変わるリリィの表情を見るのが好きだ。


 「いいけど、どこに行くの?ピクニックと言うんだから安全な所なんでしょ?」


 「歩いて行ってもいいけど今回は馬車鉄道を使って遠出をして川で釣りを楽しみながら夜は用意したお肉も使ってバーベキューをするキャンプをしようと思う」


 リリィの目がカッと見開く、思った通りだぜ。肉食系女子のリリィさんがバーベキューと言う単語を見過ごすわけが無い。


 「オリバーったら仕方ないわね、キャンプと釣りね、釣りはともかくキャンプは弟も好きだったわ、男の子ってこういうのが好きなんでしょ」


 そんな事を言いながらリリィはものすごく手早く準備をしている、顔は笑顔を通り越して興奮している。本当にリリィってお肉がすきなんだから。


 「とりあえず、危険な動物も魔獣も出ないし治安もいい場所なんだ、きっと気に入ると思う、ただ、問題があってね、道中のお肉の保存をリリィにお願いしたいんだ」


 「それくらいいいわよ、ちゃんとした箱さえあれば30分に1回くらいのペースで5分くらいの詠唱で氷が作れるわ」


 「よかった、実は今朝、ロックが仕掛けた罠に鹿がかかっていたらしくて肉屋に鹿肉が入荷したんだ、もう美味しい部位は押さえてあるよ、鹿肉と釣れるはずのニジマスでバーベーキューだ」


 初夏の鹿肉は、青々とした新芽や若草をたっぷり食べて育つため、脂が少なく、みずみずしい上品な赤身の旨味が特徴なのである、赤身本来の力強いコクと純粋な旨味を味わえる。


 鉄道馬車、乗合馬車ギルドと近隣諸国が道路に鉄のレールを敷設することで馬車の乗り心地を改善する目的で整備されたものだ。通常の馬車に比べて乗り心地もよく輸送力も大きいことから近隣諸国が資金を出し合い輸送の強化やへき地へのアクセス強化に力を入れている。乗合馬車ギルドは鉄道の規格に合う馬車に随時変更作業を進めている。


 流石に今の自分にも理解ができる、鉄のレールを使った移動手段、考えたのはきっと過去の異世界人だろう。そもそも庶民に長距離移動をしようと言う概念が無い。豪商がキャラバンを組んで馬車で移動をするか、国家単位での他国への表敬訪問か軍事演習くらいである。


 きっとこの移動方法で庶民も旅行を楽しむ日が来るはずだ。


 ただネックは鉄道を敷いた場所にしか移動できない、そして運賃がそこそこ、シルバークラスの我々だからこそ笑って支払うことができる。当然大きな町の間にしか運行されていない。だが、運がいいことにこの町の近くに最近線路が開通した。この町の端っこなので歩いて1時間ほどで停留所に到着した。


 「どこに向かうの?この方向だと西の方角だけど?」


 「そうだよ、西の方にいい丘陵地帯があるんだ、清流があってこの時期だとニジマスがとれる・・と聞いた」


 言い淀んだのはすでに知っている事だからだ、子供の頃よく家族で遊びに行った土地の近くだ。


 「え?大丈夫なの、あの辺って私でも知っているアヤノ家の土地でしょ?西の大国で3位貴族だけど強すぎて1位貴族も手だしできないっていう大貴族よ?知らないわけないでしょ?」


 うん、超知ってる。大丈夫だよ、この時期は訓練に使って無いから。今頃は山岳地帯で新兵にハイとイエスしか返答が許されない系の訓練してるから国境に近寄らなければ大丈夫。


 「さすがに国境近くまで行かないよ、この領ギリギリで、アヤノ領とは10キロ以上離れた場所でキャンプするよ」


 「そう、そうならよかった、そんなところよく知ってたね」


 ここに来る途中に偶然見つけたんだけどね。

 

 「なんか、ロックが昔に線路敷設工事の手伝いをした時のキャンプ地だったらしいよ」


 「そうなんだ、意外とあの人何でもしているのね」


 「一度3人で飯でも食べようよ、リリィの事も紹介したいし、ああ見えてロックはとても真面目でしっかりした男なんだ」


 オリバーの中でロックは父親に次いで尊敬できる男ナンバー2の位置についているのだ。


 「あなたが言うなら是非お願いしたいわ」


 リリィはオリバーの事なら何でも知りたいようだ、そんな事を考えているなんてオリバーは思いもしないが。


 「さて、到着だ。ここから30分でキャンプ地だよ」


 「本当に全然揺れないのね、快適だったわ。アヤノ家はたくさんお金あるんだしもっと頑張って普及させてくれればいいのに」


 「そうだね。(きっと優秀な妹が普及させてくれるよ)」


 目的地に到着して釣り糸を垂らす、感覚にして20分に1匹くらい釣れる。その間他愛もない会話を楽しむ。


 突然リリィが真剣な表情で話を切り出す。


 「ねぇ、ちょっと聞いてほしいの」


 妹の言葉を思い出す、「女が話を振るときは語りたい時、自分3割、相手7割で聞いてあげて」


 「どうした?急に?いつでもリリィの話は聞くよ」


 「ありがと、実はね。この前、いろんな人の意見を聞く機会があってね、結婚・・・は早すぎるけど」


 少し照れているようだ、将来的にはそういう関係になりたいとは思っている。


 「男女って言うものはお互い対等で尊敬しあえる仲であるならいいと思いますよ、片方が依存するようではいずれ破綻しますって言われて納得しちゃったの」


 本当は男女じゃなくて夫婦だったのだけど流石にリリィはそこまで踏み込めなかった。


 「私はあなたを尊敬しているわ、でも私はあなたに尊敬されるような人間だと思えない、そして、ごめんなさい。あなたに依存しています、あなたがいなくなると考えるだけで、気が狂いそうになるの、めんどくさい女でごめんね、いつでもあなたと行動したがっているって自覚はしているの、一人になりたい時もあったよね、わかっていたけど、我慢できないの」


 ちょっと間が開きリリィが口を開く


 「それとわかっていると思うけど私の方が結構年上、この前24歳になりました。オリバーは18だっけ?19になった?それでも私の方が結構年上ね、オリバーはよく私の事、美人だ、綺麗だっていってくれる、すごくうれしい、でも私って見てくれだけの女じゃない、すぐおばさんになる、そうしたら価値がなくなっちゃう」


 妹の女7割、男3割はここでは忘れないといけない、そう直観した。


 「そんな事ない!俺は、リリィの見てくれだけに惚れたわけじゃない!俺の言ったことに素直に反応してくれる、素直に喜んだり怒ったり色んな感情を見せてくれて俺も嬉しくなる、俺を頼ってくれる事も男として頼られている、必要とされていると感じて誇らしいんだ。 普段はしっかりしているのに二人きりの時だけ甘えてくる時や俺にだけ見せる特別な一面にいつもドキドキしている!それと年齢が何だって言うんだ、リリィが年を取るなら俺も年を取るさ、今も熊ってよく言われるけど見てろよ、すぐに頼れる男になってやる、リリィに相応しい男になるよ、だから自分をそんなに卑下するなよ!」


 「オリバー・・・」


 リリィは正直オリバーはここまで自分を想っているとは思わなくて涙があふれそうになる。


「……なぁ、リリィ。夜になったら、俺の過去の話を聞いてほしいんだ。全部を話すと君の身に危険が及ぶかもしれないから、話せないこともある。だけど、俺という人間の根幹に関わる情けない秘密は、全部君に打ち明けるよ」


 「わかった、暗い話になっちゃったね、せっかくのバーベキューだよね、美味しい物お腹いっぱい食べて、ちょっとお酒飲んで、綺麗なお星さまの下でオリバーの話を聞きたい、何があったかは夜聞くけど、私はあなたが大好きよ」


 「俺も大好きだよ、じゃあ続きは夜な」


 残りの時間は他愛の無い話をしたり無言の時間を過ごしたり、そうこうしているうちに夕方に差し掛かりメインのバーベキューの準備に取り掛かる。

 ロックさん大活躍、まさか男キャラでも勝手に動くキャラができるとは思わなかった。


 二人の関係性はどうなるのか、実はまだ作者は考えていない。今から布団にもぐって考えながら寝ます。


 明日早起きして続きを書いて17時頃にアップする予定、できるといいな、布団さんが「ダメ、あなたを離さない、ずっと一緒」とヤンデレ化したらごめんね。仕事さん「ふざけた事言ってねぇで働け!」でヤンデレ布団さんを蹴散らすのですが。


 でも今なんか乗りに乗っているので行ける気がします。17時アップに向けて今から続き考えながら寝ます。

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