別行動 リリィ ガールズトーク
リリィさんは悩んでいる。
「こんにちわ、受付のおねえさん、オリバーと一緒にクエスト行ったの誰?女?女性?何歳くらい?どこに住んでいる人?」
「いや、私受け付けてないから、おじさん、おじさんに聞いて、斡旋したのあの人、今休憩中だけど10分もしたら戻るから、って住所聞いてどうする気なんですか?」
「そうね、オリバーの前で・・・」
「いい、言わなくていいから、後、仮に一緒にクエストしたからって浮気ってわけじゃないでしょ」
この世界の冒険者は性別関係なく特性が合うもの同士でパーティーを組んで活動する事は普通の事である、命がけなのだ、色恋でどうこう言ってたら命がいくつあっても足りない、しかし結構な割合で頭が足りないせいか色恋が原因でパーティーか命がクラッシュするわけだが。
遠くからおじさんの声が聞こえる、ロックさんとキノコ採取だよ、女性じゃないですよー
「ロッ・・ク・・?誰?名前からして男だけど」
「ヒャッハーって言ってそうな人よ」
「あー、あの人ね、なら安心」
ロックさんの名誉のためだが別にモヒカンでも肩パッドでもない、雰囲気である。
「受付さん、お名前聞いていい?」
「受付嬢よ、嘘だけど。ユリよ、どこか遠くの国のお花の名前らしいわ」
「そう、ユリさんちょっと相談いい?女性にしか相談できない事」
「いいけど、もう少しで業務終わるから会議室借りようか」
「業務時間外にごめんね、ありがと」
15分もしないうちに借りた会議室にユリが入ってくる。
「お待たせ、お話って?オリバーさん関係よね」
「ええ、まぁそうなんだけど、実はこの前誕生日がきてね、24歳になったの」
リリィは綺麗な銀髪を指でくるくる回しながら言いにくそうに次の言葉を紡ぐ
「で、これくらいは言ってもいいか、オリバーって18歳なのよ、年の差6、もしくは5よ、冷静に考えたらちょっとどうなのかな?っていや、別にそれで別れるってわけじゃないわ、その気になったら18歳になるから」
「6歳もサバを読むのはちょっと図々しいかなぁ、それで?」
「その、こういう言い方ってよくないと思うんだけど、平民的にありなのかな?って思いまして」
「貴族様的にはちょっとアレな感じなんだ」
「あれってほどじゃないけど、何か訳ありかな?って絶対言われる感じ」
ノック音がしてユリがどうぞと言う、おじさんが気を利かせてお茶を持ってきてくれたようだ。
「ちょうどいいじゃない、おじさん、年上のお嫁さんってどう思う?」
「いきなりなんですか?相性がよければ年なんて20とか30とか離れていなければ問題ないでしょ、私の嫁さんは7つ上ですよ」
リリィは勢いよく立ち上がり少し興奮して話す。
「詳しく!詳しく聞かせてください!周りの反応とかどうなんですか?後、若い子に目が行ったりしないんですか?」
「詳しくと言ってもねぇ、おじさんは元冒険者でね、一応パーティ限定制度上はゴールドだったんだけどね・・・」
「ゴールド!?」
ユリが声を上げる、無理もない。シルバー以上はダンジョンに行ってしまってこの町で見る事は無い。ユリにとっては伝説の生き物だ。
「ユリさんステイ!今はそんな事どうでもいいから」
「4人パーティでね、私は斥候で嫁は魔法使いでしたよ。詳しくは聞きませんが、あなたと違って卒業は出来ずに中規模魔法までを扱える魔法使いでした」
基本的に貴族ばっかりの学院でも魔法コースは違う、魔法の素養がある子は一定の水準を満たす平民でも入学できた。才能がある平民の子を貴族がいじめようものなら最悪「メッ」っと怒られるどころじゃなく滅される事もある、実力至上主義なのだ。
「年齢の事を色々言ってくる人はいますけどね、夫婦って言うものはお互い対等で尊敬しあえる仲であるならいいと思いますよ、片方が依存するようではいずれ破綻します、パーティーでも夫婦でも一緒ですよ」
まぁ私は尻に敷かれえていますけどねと笑いながらおじさんは仕事に戻っていく。
「笑いながら尻に敷かれているって言える関係でいいんじゃないですか?私彼氏いないからわからないですけど」
ユリは遠い目をしながら独り言のようにつぶやく。
(互いを尊敬、対等、依存・・・・私はオリバーを尊敬しているわ。でも私は尊敬に値するのかしら?依存は・・・してる、と思う、対等ではないのかもしれない)
ユリに礼を言いギルドを後にする。
尊敬、対等、依存、私って重い女・・・脱却しなきゃ、でもどうやって?彼のいない世界は考えられない。
いつか勇気が出たらオリバーに話をしてみよう。
受付嬢さんはユリさんです、私がたった今決めた、おじさんはおじさんです。
夫婦って言うものはお互い対等で尊敬しあえる仲であるならいい・・・作者の母親の言葉である。
オリバーとリリィはお互いに根っこの部分は深く悩んでいる、と言う意味では対等であると思います。後は二人ともそれを解消すれば尊敬しあえるいいカップルになれると作者は考える、それがいつになるかは作者もわからない。




