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婚約者といちゃつく奴を注意したら決闘となり敗北~すべてを失った男の物語  作者: 松ボックリ


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閑話 真冬の出来事2 異世界の考察

真冬の間はやることが無いのでよく二人でお話をしています。

 「ねぇオリバー、いつもあなたが読んでいる小説だけど、ジャンルが異世界転生ばかりね」


 冬の間、特に決めたわけじゃないが最低一日一回は同じ食卓で食事をするようになっていた。唐突に自分の趣味を暴かれ少し戸惑う。


 「ガキっぽいと思うだろ、何故か嫌いになれないんだ」


 控えめな言い方をしたが嫌いになれないどころの騒ぎではない、大好きだ。昔は買っていたが今も貸本屋で新作を見かけたら絶対に借りるくらい好きだ。


 「それ系の小説の主人公ってかなりぶっ飛んだ魔法使うじゃない」


 確かにそうである、時間停止や瞬間移動なんて当たり前、簡単なものだと鍵開けとか、凝った設定だと建物やダンジョンで瞬間移動魔法を使うと天井に頭をぶつけるので専用にダンジョン脱出用魔法まであったりする。酷い物だと即死魔法とか、変わり種だと主人公が元居た世界の信じられないくらい便利な魔道具を購入できる魔法があったりする。基本的にほぼ全員が超便利な収納魔法を覚えている。


 「まぁ、そうだな、何だ?リリィも好きなのか?」


 もしそうなら冬の間ずっと語り合いたいものだが。


 「違うわよ、魔法使い界隈だと作者は何故そんな事を思いつくのかって研究がされているのよ、と言うか一定の研究結果があるわ」


 「それは、気になるな。もしかして一部使えそうなのか?」


 「違うわ、文体を見る感じ作者は複数存在する事が確認できたの・・・ねぇギフト持ちって知ってるわよね?」


 あまりいい思い出はない、確かギフト持ちのあいつはコウタと言ったか?オリビアと結婚でもしたのかね?思い出すだけで腹が立つ、格好つけないで実家の力を結集して殺すか遠くに飛ばしておけばよかった。残念ながら今の俺の実力じゃほぼ返り討ちだろうな。


 「聞いてる?」

 

 長考をしてしまった。リリィが少し怒っている。美人は凄い、怒り顔も美人だ。


 「聞いてるよ、ギフト持ちも知ってる、あいつらがどうしたんだ?」


 「伝承だと彼らの権能もかなりぶっ飛んだのが多いじゃない?色々記録を調べたのだけど彼らが異世界転生者じゃないかって結論がでたの、彼や彼女達が故郷を思い出して小説として書き残した物が起源とされてそれに影響された私たちの世界の物書きが真似しているってわけ、真似される前の昔の作品の方が異世界の描写が細かいのよ。例えばトラックって言うのは今だと大きな馬車って解釈なんだけど古いギフト持ち作者の作品を調べると乗り物には変わりないのだけど荷物を運ぶ専門の道具だってほぼ判明したわ、しかも御者の思うがまま動いて弓矢に近いスピードで動くの」


 自分の得意分野の話なるとめっちゃ早口だな。しかしコウタの権能は多分剛力と剣技だと思ったがそれだと結構地味だな。かなり強かったが俺と少し打ち合える程度の実力だった、父上や実家の騎士団の上位の強者なら一刀両断できると思うが。


 「それでね、ここから近い国でギフト持ちを確認できたから取材しようとしたって古い友人から聞いたの、でも断られたのよ、何か高位の貴族と揉めたらしくてしばらく謹慎だって噂なの、その人は知識系のギフト持ちだって発表されたらしいから国には逆らえないみたいね」


 めっちゃ俺じゃん、あいつ謹慎食らったのか、ざまぁみやがれ。実家がブチ切れたのだろうか?

 

 あぁ、知識の方面のギフトって事にしたのね、こうやって他国の人間が情報収集に来るくらいだしな、武闘派って知れたらめんどくさいのだろうな。


 「じゃあ、何だ?異世界ってのは現実に存在してそこの住人がこっちに転生する時に権能をもらってギフト持ちに生まれるって事か?」


 「こっちで生を受けるパターンもあれば肉体はそのままで転移してくるパターンもあるみたいね」


 「じゃあ向こうの世界には金属で出来た空飛ぶ箱があって大勢の客を乗せて数千キロ離れた場所に旅行行ったりするのも本当の話って事か?」


 「ええ、紙ヒコーキ作った事あるでしょ?そのヒコーキって言葉って向こうの言葉に直すと飛行機って書くの、空飛ぶ機械って意味ね。あっちの世界では金属を紙ヒコーキみたいな形に作ってそれに莫大な力を発生させる機構を取り付けて空を飛ぶみたいね、過去の資料を調べたらその金属と莫大な力が発生する機構の設計図とそれを動かす燃料があれば理論上ここでも作れるみたい。大昔のギフト持ちの見解のメモだと”こっちの世界は魔法という便利過ぎる力があるからカガク技術の発展は遅れるか、もしくは発展はないだろう”って書いてあったわ。カガク技術と言うのが向こうの世界の力の根幹なのでしょうね」


 「と、いう事はギフト持ちや異世界転生者の故郷には魔法が無いって事か、不便そうだな」


 「不便だからこそカガク技術と言う超常の技術が発達したのでしょ、兵器転用したら一発で数十万人が暮らす都市を消滅させる魔法が使えるらしいわ、隠語でキノコ雲とかって表現されてる事が多いけど」


 「信じがたいが存在するなら見てみたいな。こっちの人間も不慮の事故で死んだら向こうに転生してるのかもな」


 「物語に出て来る女神様って存在が知るって所ね、それと過去の資料だと、一年、一か月、一週間、一日、一時間、一秒、キロ、グラム、リットル等の単位も異世界転生者が作った物とされてるわ、隅っこにヤードポンド法は絶対普及させるなと書いてあるけど意味は分からないわ」


 異世界転生者はこだわりが凄いな、それと意外なリリィの一面が知れた。自分の研究分野の話になると凄く早口で饒舌になるんだな。

オリバー君はまだ過去の女が忘れられないようです。目の前に美人さんがいますよー

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