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忽雨  作者: ゆきのひ
四章 秘密
25/26

25話 髪色(人物紹介)

挿絵(By みてみん)


 ホームルームが終わり、久しぶりに屋上に来た。

 二人でぼーっと曇り空を眺めている。


 風が吹いて、前髪が少しまつ毛にかかった。

 そろそろ切らないとな...


 そんなことを考えながら晶の顔を見て尋ねる

「晶...前髪目に入らない?」


「入るよ〜。けど、これが落ち着く。視界狭まるし痛いからかな?」


「なるほど」

 視界を遮りたい気持ちは晴も理解できた。でも、目にも痛みを求めるのかと少し驚いた。


「晴は前髪いつもぱっつんだよね」


「うん。勉強する時邪魔だから、いつも自分で切ってる。」


「!そうなんだ、切るの上手。色は、元からその色?」


「ありがとう...うん、親に黒染めさせられてたんだけどいつからかしなくなった。」

 お金もかかるし、面倒になったからだった。


「...晴はどの色が落ち着く?」


「強いて言えば今の色かな、髪なんてどうでもいいけど」


「そう。晴の髪、綺麗で好き」

 と、晶が笑う。やっぱりきらきらしている。

 晶の笑顔を浴びると、本当に自分の髪が綺麗なものに思えてくる。


「...なら、どうでも良くないかも。晶はずっと染めてるの?」

 面と向かって褒められるのはまだ慣れないので、すぐに話を変えた。


「うん。黒髪だけど、何となく染めてる。」

(本当はあんまり好きじゃないから。あの人の事思い出すし)


「そっか、見てみたいな」

 また思ったことが口から出てしまった。晶と話すようになってから自分でも、自分の意思が強くなったと感じる。


「え」

 悲しいのか嬉しいのか分からない声で晶が驚いた。


 晶の目を見つめて、真っ直ぐに伝える

「あ...晶の目の色が、好きだから。髪も、同じように綺麗な黒なんだろうなって。今のも似合ってるけど」


「え〜、俺の事口説いてるの?笑」

 と、いつものトーンでちゃかす。


「うん」

 笑いながらそう答えた。


「....ありがとう。多分、相当傷んでると思うけど。

 んー、今度ちょっとだけプリンになってみようかな」

 と髪をいじりながら迷っている。


「プリン?」

「えっと...なんか美味しそうって顔してるけど、ちがう」


「甘いのじゃないの?」

「俺は甘くならない!」


「晶は甘いよ」

 微笑みながら晶の首元に近寄る。シャツの中に前噛んだ跡が少し見えた。


「何言ってるのかな晴くん...そうゆう気分?」

 満更でもなさそうに晶も笑った。


 晴の肩を優しく噛む。

「ほら...あまい」

「ん...くすぐったい」


「...んむ」

「もっと....強く、っう

 そんな...優しいのじゃ、足りない」


「わがまま...っ」

 今度は要望通り強く噛んだ。

「──んん"」


 ぱっと口を離す。

「...おわり。ちょっと最近噛みすぎ」

「そう?...もっと食べて欲しいのに」


「プリンになるまで我慢」

 晶がよくする人差し指を自分の唇に当てるポーズを真似してみた。


 晶は驚いた顔で笑う。

「プリンの意味分かってたんじゃん...てゆうか、プリン側が我慢するの?」


「...僕も、我慢してる」

 晴が赤い顔でそう言うと、晶は嬉しそうに擦り寄って来た。


「じゃあ食べて♥」

「だめ」

「ケチ」


「...プリン買って帰ろう」

「いいね♩早くプリンになれそう」

「意味わかんない、行くよ」

 二人で笑いながら屋上を後にする。


 宣言通り帰る道中でプリンを買って、同じ家に着いた。

ありがとうございました。

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