↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/79

ファルーサ・カイデン8-3

 ゴブリン達と戦って驚いたのは、魔物が連携して戦っていたこと。

 5体で俺を取り囲み、1体の合図で襲い掛かってきたように思えた。

 幸い、ウォーター・カッターで5体ほぼ同時に瞬殺できたから良かったものの、それが出来ていなければ、1体が俺に攻撃を仕掛け、俺がそれを防ぐことに専念すると、他の奴がその隙を突いて攻撃する、ということを繰り返してきたのかもしれない。

 あれが迷宮の第2層なんだとすれば、階層が進む毎に魔獣等の知能が上がって行く等、迷宮攻略の難易度がどんどん上がっていく可能性が高くなる。

 もう一つ驚いたのは、ストーン・バレットでも試したが、この空間の高さが、下りてきた階段の高さよりも(恐らく、でも間違いなく)高いことだった。

 あの第2層(と思われる空間)はどんな構造になっているんだろうか?

 そんなことを考えながら、昨日に引き続きやって来た。

 昨日作った土製の円柱はすぐに見つかったので、その周囲を確認する。

 ゴブリン達の死骸は、奴らが持っていた武器も含めて何も残っていなかった。

 やはりここは、迷宮の第2層だ。

 ここにいる魔獣達も強くなっているだろうから、もらえるS(スキル)P(ポイント)も多くなるだろう。気を付けて進みながら、SPを増やそう。

 改めて周囲を見回してみると、森とまでは呼べないまでも木が茂っている場所が何か所か、小さな岩山のようなものがいくつか、丘とも呼べない盛り上がりがいくつか見えた。

 その、第2層の入口付近から見えた風景を頭に叩き込み、取り敢えず一番近いと思われる岩山を目指して歩いてみる。

 しばらくは何も起きず、5分程歩いたところで、敵が近付いてくるのが分かった。

 またゴブリンかと思ったが、それよりは接近速度がはるかに速い。

 この辺は、第2層の入口付近よりも草が深く、俺の膝から腰位まである。

 何かが草と擦れる音がしてきたので近付いて来ているのは分かるが、それが何か見えない。

 ある程度近付いて分かった。数は7。

 俺はアイテムボックスから短剣を出して、いつでも突き出せるように構える。

 かなり俺に近づいたところで、先頭の敵が草むらから俺の短剣に向かって飛び出してきた。

 狼だ。

 跳びかかって来る途中で、俺に噛みつこうと大きく口を開ける。口の中には、鋭い歯が並んでいる。

 普通ならビビッて委縮するところかもしれないが、近付いて来ているのも、その方向も、距離も分かって短剣を構えていたので、後はそれを前に出すだけだ。

 先頭の狼の、開いた顎の下から首の後ろ辺りまで短剣が突き刺さったが、その狼自体の重さと跳びかかってきた勢いで、短剣ごと後ろに飛んでいく。

 1匹倒した(と思う)が、無手になった。

 大丈夫。まだ体術がある。

 次々と跳びかかって来る狼たちを躱したり、殴ったり、蹴り飛ばしたりするが、気が付くと6匹に取り囲まれていた。

 昨日のゴブリンと同じように、俺を取り囲んだ上で、一斉に襲い掛かるつもりだろう。「グルルル」と唸りながら、タイミングを計っているような気がする。

 だが、俺はそれを待ってはやらない。

 俺を中心に、全周囲に向かって土の槍を発動。「キャーン」とか「グゥッ」とか聞こえてくる。

 全部倒せたか確認するため周りを見ようと少し右に向いた時、1匹の狼が俺に跳びかかって来ていた。

 これは予想してなかったので、咄嗟に手で顔を庇って、目を閉じてしまった。

 右手の手首辺りに衝撃を感じた。きっと狼が咬み付いてきたんだろう。そして、跳びかかってきた勢いで俺は後ろに押され、倒されてしまった。

 もしかしたら喰い千切られるかもしれないと恐怖を感じたが、何かに手首の辺りを挟まれている感覚はあるが、いつまで経っても痛みは感じない。

 恐る恐る目を開けてみると、確かに右手首辺りに咬み付かれてはいるが、狼の歯は俺に刺さっていない。その部分の服の袖は、狼の涎でしっとりしてきていたが。

 狼は、きっと俺の手を喰い千切ろうとしたんだろう。その状態で、自分の方に俺を引っ張った。が、何せ歯が立っていないので、滑ってすっぽ抜けてしまった。

 何が起きたのかわからないのだろう。狼が俺の方を見て、口を開けて「えっ?」て顔をした。

 そりゃ、そうだろう。俺だってしばらくして状況が理解できたが、この時は俺も「えっ?」と思った。きっと同じ顔(?)をしていただろう。

 ただし、その呆けた状態から立ち直るのは、俺の方が早かった。

 俺は右手をそのまま狼の顎の下に持っていき、手の平を上にして、上に向けてファイア・アローを放った。

 さっきまで俺に咬み付いていた狼の頭頂からファイア・アローが飛び出していった後、一筋の煙が上がると同時に焦げくさい臭いがしたと思ったら、その狼が倒れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。