平凡なプログラマー
レンです。
27歳で、プログラマーをしています。
彼女はいません。
友達もほとんどいません。
最後に自分の意思で外出したのはいつだったか思い出せません。
そして、勤めている会社によると、仕事も特に得意ではないようです。
私は…
―平凡です。
目の前のメールを見つめながら、その言葉が数秒間頭の中でぐるぐる回っていました。
業績評価
結果:期待以下
所見:
従業員は納期を守るのに苦労しています。開発速度と複数のプロジェクトを同時に処理する能力を向上させる必要があります。
一度読みました。
そしてもう一度。
さらに三度。
何も変わりませんでした。
マウスを置きました。
―期待外れ…
夜8時半だった。
周りのデスクはいくつも空いていた。
評価表をもう一度見てみた。
もしかしたら、彼らの言う通りなのかもしれない。
何しろ、同じプロジェクトに4日間も費やしていたのだから。
上司が2日で終わると思っていたことを、4日間もかけて修正したのだ。
つまり、倍の時間がかかってしまったということだ。
こんな状況を弁解する術はほとんどない。
メールを閉じ、コードに戻った。
まだやるべきことが残っていた。
私が修正しているシステムは、会社の最も重要な顧客の1つが所有しているものだった。
6年前に開発されたシステムだった。
別の会社が開発した。
異なる技術が使われていた。
ドキュメントも不完全だった。
そして、誰も説明してくれなかったのだが、最近のアップデートで数千件ものレコードが重複し始めたのだ。
原因究明を命じられた。
そして、修正する。
2日間で。
独力で。
指がキーボードの上を駆け巡った。
ある関数をチェックした。
何も起こらない。
別の関数も。
何も起こらない。
ログをもう一度確認した。
何かがおかしい。
データが重複しているが、すぐには起こらない。一定数のリクエストの後だ。
ということは、おそらく…
モニターの方へ移動した。
「待て。」
別のファイルを開いた。
さらに別のファイルも。
ある呼び出しを追跡した。
さらに別の呼び出しも。
そして何年も前に書かれた関数を見つけた。
その関数を見た。
10秒。
20秒。
そして、それを見つけた。
「これだ。」
一見些細な条件。
通常の状況では、何も問題を引き起こさない。
しかし、新しいアップデートと組み合わせると…
コードを修正した。
コンパイルした。
テストを実行した。
待った。
エラー。
ため息をついた。
「わかった。」
もう一度試した。
エラー。
目をこすった。
頭がズキズキと痛んでいた。
マグカップを手に取った。
空っぽだった。
いつコーヒーを飲み終えたのかも思い出せなかった。
もう一度コードを見た。
「頑張れ、レン…」
もう失敗するわけにはいかない。
これ以上時間がかかったら、次の評価はもっと悪くなる。
クビになるかもしれない。
もう一度すべてを確認した。
5分。
10分。
20分。
すると、2つ目の問題を見つけた。
それを修正した。
もう一度実行した。
プログレスバーが動き始めた。
10%。
30%。
50%。
画面から目を離さなかった。
80%。
100%。
テスト完了。
待った。
エラーなし。
2回目のテストを実行した。
完璧。
そして3回目。
完璧。
画面を見つめた。
「やった…」
その日初めて、私は微笑んだ。
今でも好きな感覚だった。
不可能と思われたことが、ついにうまくいった、あの小さな瞬間。
だからこそ、私はプログラマーになったのだ。
創造することが好きだった。
問題を解決することが好きだった。
答えが見つからないように見えるものを見て、「きっと方法があるはずだ」と考えることが好きだった。
学生時代は、夜通しプログラミングに没頭することもあった。
教授たちは私に才能があると褒めてくれた。
ある教授は、私には将来有望だとまで言ってくれた。
当時、私はそれを信じていた。
さて…
評価メールをもう一度見てみた。
期待以下。
もしかしたら、仕事の世界は私の本当の実力を露呈させただけなのかもしれない。
解答を送った。
10分も経たないうちに返信が来た。
上司:受領しました。
待った。
何か別のことを書こうか。
結局書かなかった。
まあいいか。
少なくとも終わった。
荷造りを始めた。
携帯電話の時刻は午後9時27分。
10時半までには家に帰れる。
夕食を食べながらドラマでも見ようか。
ゲームでもしようか。
そう考えるだけで気分が良くなった。
すると、またメールが届いた。
新しい課題。
手を止めた。
ファイルを開いた。
そして、ささやかな喜びは消え去った。
また別のプロジェクトだった。
しかも、もっとひどいプロジェクトだ。
データベース再構築。
バグ修正。
移行。
最適化。
テスト。
ドキュメント作成。
仕様書を読んだ。
そして日付を確認した。
締め切り:月曜日。
今日は木曜日だった。
画面を見つめた。
――いや…
もう一度確認した。
何かの間違いに違いない。
間違いはなかった。
立ち上がって上司のオフィスへ向かった。
彼はまだそこにいた。
――すみません。
――どうしたんですか?
――新しいプロジェクトを受け取りました。
――よかった。
――締め切りは月曜日です。
――そうです。
――でも…規模が大きすぎます。
上司はタイピングを止めた。
――どういう意味ですか?
私は唾を飲み込んだ。
――移行作業は
はい、数日は一人で作業する必要があるかもしれません。以前のコードも確認しなければなりませんし、アーキテクチャにも詳しくありません。テストもやらなければならないとしたら…
彼の表情が変わった。
怒っているようには見えなかった。
落胆しているように見えた。
それはもっと悪い。
「レン、君のパフォーマンスについてもう一度話し合う必要がある。」
胃が締め付けられるような感覚に襲われた。
「私のパフォーマンスですか?」
「君が他の誰よりも時間がかかるせいで、これ以上遅れを取るわけにはいかない。」
「でも、このプロジェクトは…」
「みんな責任がある。」
「分かっています。」
「だったら、もっと計画的に作業を進めなさい。」
何か言い返したかった。
本当に言いたかった。
「もっと計画的に作業を進める」とはどういう意味なのか、彼に聞きたかった。
睡眠時間を減らす?
食事を抜く?
日曜日も働く?
しかし、言葉が出てこなかった。
この仕事が必要だった。
家賃を払わなければならなかった。
請求書も払わなければならなかった。
食事。
だから、いつものようにした。
――分かります。
自分のデスクに戻った。
10時には、残っていたのは4人だった。
11時には2人。
11時20分には、私一人だけ。
一部のエリアの照明が自動的に消えた。
私は仕事を続けた。
まだ理解できないことがあった。
傍から見れば、おそらく明白なことだっただろう。
私は仕事が遅いわけではなかった。
平凡なわけでもなかった。
そして、決して下手なプログラマーではなかった。
会社は、ある危険なことに気付いたのだ。
私はほとんど「ノー」と言わなかった。
複雑なプロジェクトが発生すると、必ず私の担当になった。
誰かが辞めると、必ず私の担当になった。
クライアントが緊急に何かを必要としている時も、必ず私の担当になった。
他のプログラマーがこう言った時も、
「その時間では無理です。」
誰かがこう答えるだろう。
「レンに任せろ。」
そして私はそうするだろう。
最初は、自分の能力を証明したかったからだ。
次に、それが自分の責任になったからだ。
そして最後に…
怖かったからだ。
仕事を失うのが怖かった。
彼らを失望させるのが怖かった。
自分が思っていたほど優秀ではないと気づくのが怖かった。
最悪だったのは、不可能と思えることを成し遂げるたびに、奇妙なことが起こったことだ。
不可能が当たり前になった。
通常10日かかる仕事を7日で終えると、次は5日しか与えられなかった。
5日で終えると…
次はなぜ4日でできなかったのかと聞かれた。
私は一度も勝てなかった。
それでも、私はまだそれに気づけなかった。
午前0時14分、私の携帯電話が振動した。
上司からではなかった。
旧友からのメッセージだった。
土曜日にミーティングを企画しているんだ。君に会うのは本当に久しぶりだね。来る?
私は彼を見つめた。
一瞬、微笑んだ。
うん。
行きたかった。
すごく行きたかった。
最後に彼らと午後を一緒に過ごしたのがいつだったか思い出せなかった。
私はメッセージを打ち始めた。
もちろん。今度こそ行くよ。
送信ボタンに指をかけた。
モニターに目をやった。
新しいプロジェクト。
締め切りは月曜日。
メッセージを削除した。
ごめん。今週末は仕事なんだ。また今度ね。
送信。
すぐに返信が来た。
大丈夫。じゃあね。
それで終わりだった。
携帯電話を置いた。
「また今度ね」という言葉が、何年も繰り返されていたことに気づかなかった。
誕生日。
夕食。
旅行。
映画。
会議。
また次の機会があるはずだ。
そう自分に言い聞かせていた。
でも、誘われる回数はどんどん減っていった。
彼らを責めることはできなかった。
1時過ぎに帰宅した。
「ただいま」
沈黙。
ドアを閉めた。
じっと立ち尽くした。
なぜそんなことを言っていたのだろう?
私は一人暮らしだった。
いつも一人だった。
電気をつけた。
アパートは狭かった。
ベッド。
テーブル。
パソコン。
漫画が並んだ本棚。
フィギュアがいくつか。
ゲーム機。
大したものではなかった。
でも、それは私のものだった。
そして、それらは恐らく私の人生で最も大切なものだった。
バッグを置いた。
冷蔵庫を開けた。
飲み物。
卵2個。
コンビニのテイクアウト。
テイクアウトを選んだ。
夕食を温めながら、本棚を眺めた。
2週間前に買った漫画があった。
まだ包装されたままだった。
「今日は…」
時間を確認した。
午前1時38分。
7時に起きなければならない。
「明日だ。」
そのままにしておいた。
昼食を持ってパソコンの前に座った。
アニメをつけた。
数ヶ月前から見ていたファンタジーシリーズだった。
主人公は仲間たちと広大な世界を旅する。
森。
都市。
モンスター。
魔法。
冒険。
食べ始めた。
20分間、仕事のことを忘れていた。
一度笑った。
驚いた。
よかった。
エピソードが終わると、次のエピソードが自動的に始まった。
マウスに手が伸びた。
見たくなった。
あと1つだけ。
時間を確認した。
午前2時7分。
ため息をついた。
ウィンドウを閉じた。
それからビデオゲームを起動した。
メニュー画面をじっと見つめた。
起動すらしなかった。
もし始めたら、止められなくなるだろうと思った。
そして明日にはもうへとへとになっているだろう。
だから、それも閉じた。
部屋は静まり返った。
自分の持ち物を見渡した。
ほとんどプレイしていないビデオゲーム。
買ったけれど読む時間がなかった漫画。
何週間もかけて見終えたアニメ。
これらは私が愛していたもの。
私が努力して手に入れたもの。
でも、仕事のせいで、それらを楽しむ時間が奪われてしまった。何かがおかしいと感じた。
横になった。
携帯電話を手に取った。
ああ。
昔のクラスメートたちの新しい写真がいくつかあった。
一人は最近結婚したばかりだった。
もう一人は旅行中だった。
また一人は息子との写真を誇らしげに見せていた。
スワイプした。
次から次へと写真が。
生きている人々。
画面を消した。
天井を見つめた。
「一体何をしているんだろう?」
思わず口からその問いが漏れた。
答えはなかった。
私は27歳だった。
「いつかもっと時間ができる」と、何年も言い続けてきた。
あのプロジェクトが終わったら。
落ち着いたら。
休暇が取れたら。
もっと貯金ができたら。
いつも「いつか」と先延ばしにしてきた。
私の人生は、いつまでも始まるのを待っているようだった。
胸に奇妙な感覚がした。
悲しみ。
怒り。
苛立ち。
それが一体何なのか、正確には分からなかった。
ただ、疲れていた。
平凡だと言われることにうんざりしていた。
努力しても、その見返りに仕事が増えることにうんざりしていた。
誰もいないアパートに帰ることにうんざりしていた。
誘いを断ることにうんざりしていた。
好きなものを見て、「明日でいいや」と言うことにうんざりしていた。
何年も避けてきたことを、初めて自分に許した。
これは普通じゃない。
普通であるはずがない。
人は、自分の人生を生きるために許可を求める必要なんてないはずだ。
ベッドの中で寝返りを打った。
目覚まし時計は7時にセットされていた。
あと5時間もない。
アラームを止めたかった。
明日は出勤できないとメールを送りたかった。
体が目覚めるまで寝ていたかった。
一日中ゲームをしていたかった。
あの漫画を読みたかった。
友達に電話する。
外出する。
何もしない。
自分のものだったものなら何でも。
でも、どれもやらなかった。
仕事が必要だった。
だから目を閉じた。
「もう少しだけ頑張らなきゃ…」
何度も何度も繰り返した言葉で、もはや意味を失っていた。
もう少しだけ。
あと1つのプロジェクト。
あと1週間。
あと1ヶ月。
眠ろうとしながらも、まだ理解できないことがあった。
自分が役立たずではないことを証明しようと、あまりにも多くの時間を費やしてきた…
そのためにどれだけの自分を犠牲にしてきたのか、気づいていなかった。
そして明日、また同じことを繰り返すのだ。
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