ギルドへ
次の日、狩りから帰ると、家の外で剣をガゼフが待っていた。いつもなら、剣を持たずにいるのだがこの日は剣を持っていた。
「帰ってきたか…。今日から剣術は俺と組手を行う。真剣で行うから、最初は遅く振って慣れてきたらスピードをあげていき、組手を終えたら悪い点を矯正する。」
準備を終えると、二人は対峙した。ガゼフは一般的にブロードソードいう剣であった。
「それじゃ、始めるぞ。」
ガゼフがそう言うと、一瞬で間合いを詰めてきた。アドルフは虚をつかれ、体が動かない。剣は寸止めされた。
「本気でやらんとお前死ぬぞ。」
顔に汗が流れた。ガゼフの威圧感がそうさせているのか、手が震える。
(これが恐怖が。よかった。初めて恐怖を知ったのが練習で。実践だと死んでた。精神面でもまだ未熟なところもあるんだ。切り替えを早くしないと。)
そして、今度はアドルフから仕掛けた。しかし、ガゼフは予測していたのか攻撃をいなされる。そして、次の瞬間にはアドルフは地面に倒れていた。
何度も挑むが結果は同じだった。力、速さ、技量をガゼフはアドルフのレベルに合わせているが、それでもなお二人には大きな差があった。
(俺は剣を避けて攻撃だが、ガゼフは剣を避けるんじゃなく流している?大きな違いはそこだ。おそらく剣を流して俺の体勢を崩してるんだ。相手の隙をつくのは基本だが、それを自分で作るんだ。)
アドルフは、踏み込み間合いを詰めるふりをした。ガゼフはフェイクだと気づいた。しかし、気づいた時一瞬体が止まる。そこにアドルフが寸止めで首に刃を当てた。
「お見事。まさか、初めてで当てられるとは。さて、今日の組手はここまでだ。反省点だが、基本はできているが技の構成、つまり戦略というのはお前にはない。」
「戦略?」
「そうだ、戦略だ。今回の組手を戦争としよう。今日のお前はただ単に突っ込んできただけだ。対して、俺は籠城戦だ。城を落とすのは大変だろう?力が拮抗してたら勝てないだろう?」
「なるほど、つまりは戦いの指針を決めろってことか。人によって戦略を変えたほうがいいのか。」
「戦いなんて頭を使わなくなった奴から死んでいくんだ。」
見た目脳筋の奴が言うとは。
その他にも細かい所まで指摘が入り、丁寧に指導を受けた。
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剣術の修行を終え、夕食をすましたアドルフ昨日の魔力経路についての実験を行っていた。
(複数出すイメージって難しいな。そういや、魔力の塊の中心から魔力回路を出すと、手のひらの中心に出るな。違う所から魔力回路を出すとどうなるか。)
実際にやってみると、手のひらの右側から放出された。別の所を試すと全て違う所から放出されたため、塊の位置と放出場所は一対一の対応しているとわかる。これを利用して魔法陣を早く手から描けるかもしれない。とりあえず、最初は2本から始めて、徐々に数を増やすいくことに決めた。
そこからは、反復練習だった。1回やるごとにより効率的に修正をしていった。魔力回路も指数関数的に増えていった。
月日は流れ、3年が過ぎた。アドルフは13才になった。
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アドルフの体格は3年で160cmまで伸び、筋肉もだいぶついた。
狩りも剣術も魔法も順調に成長した。今では、ガゼフに全力で相手取ることができるようになった。しかし、それでも勝てないのだが。魔法に関しては1000×1000の数の魔力回路を増やせた。そして、魔力回路を利用した魔法陣の描写もでき、魔法の発動も確認できたい。そして、魔力回路の接続も数をこなすうちに速くなり、結果的に魔法の発動を速なった。
「アドルフ、俺から教えることは無くなった。しかし、お前にはまだ実践、対人経験はない。そこで、お前にはギルドに登録して経験を積むことにした。異論はあるまい。」
「理解した。それにしてもいきなりだな。」
「まあ、これは最初から考えてたことだがよ。予想より早かったんだよ。お前の成長が。明日は、ギルドへ行け。場所は地図を書いとくから明日渡す。」
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次の日、アドルフはガゼフから貰った地図を頼りにギルドに行った。ギルドは木造りの建物で2階建てだった。中に入ると、剣や斧、弓など装備した老若男女が会話したり、掲示板を見たり、受付に並んでたりしていた。アドルフは勝手がわからないし、ひとまず受付に行こうと列に並んだ。
順番が来たようだ。
「いらっしゃいませ。本日はどういいった御用でしょうか?」
「ギルドに登録しにきました。」
「それでは、こちらの用紙に必要事項を記入して再度受付までお持ちください。」
また、並び直すのかと嘆息したが、後ろを見ると待たせては悪いと思い素直に受付を離れた。
用紙に記入し終わり、受付へ持って行こうとしたが、若い男女の2人組に話しかけられた。
男の方がまず話し始めた。
「すみません、新人さんでしょうか。」
「そうですが?何か御用で。」
「自分たちもついこの前ギルドに登録したんですけど、前衛が足りなくて困ってるんです。チームに入ってもらえませんか?」
(別に俺は一人でもやっていけるが、一度足手まといがいる状況で戦うことなんてそうはない。何でも経験した方がいいな。)
「俺で良ければ。しかし、まだ登録済んでいないんでそれから詳しく話したいんですがいいですか?」
「いいんですか!?よかった〜。これでなんとか…。」
俺が承諾すると、2人は大げさに喜んだ。その2人をよそに受付に向かった。
受付に用紙を渡すと、職員がギルドについてのシステムや規約を説明した。ギルドに登録したギルド会員には、いくつか分野にわけられており、薬草などの採取をするコレクター、動物や盗賊、指名手配犯を狩るハンター、遺跡など探索するエクスプローラーの3つある。また、それぞれの分野でランク分けされており、上からA〜Eランク存在する。最初は全部Eからスタートだ。
2人の所へ行く前に掲示板に寄った。依頼書や手配書が多く貼られ、目的の手配書を見つけた。
その後、いくつか依頼書をピックアップして2人の所へ戻った。
「おまたせ。それで詳しい話を聞かせてもらえないかな。」
「いいよ。と、その前にさっき買い出しから戻ってきた仲間がいるんだ。そいつ含めて紹介させてもらうね。俺は、剣士のケイン。まとめ役をやっている。こっちの女の子がベティ。弓を使うよ。そして、最後に斥候のリース。頼りになる兄貴分なんだ。よろしく!」
そう言うと残りの2人もよろしくと口にした。
「俺はアドルフ。俺も剣士だ。以前は狩人をしていた。」
「へえ、狩人だったんだ。それは心強い。」
そう会話した後、簡単な依頼を受けそれぞれの力量を確認し、連携について話してその日は解散した。




