爆破
滝田茜の事件簿
12.
「酷い……」茜は、リアルタイムでテレビの画面を見ながら、呟いた。
所長からは、待つように言われているが、生来が好奇心旺盛な彼女である。出来るなら、いますぐ現場に駆けつけたい。健太の身が心配だ。
しかし……これは、規模が大きすぎる。個人ではない何か大きなものが、動いている。そんな気がした。
犯人は、どんな人物、あるいはグループなのか。
何が目的なのか。
そして、あの女優と健太はこの爆破事件に
関係があるのか。いくら考えても、茜の理解力や想像を絶していた。
テレビでは、延々と燃えているであろうヒルズのビルの火災ーー今や黒煙を上げながら、多層階に火災が起きて延焼し、高層ビルの火災は消火活動もままならないことをーーについて、アナウンサーが、悲鳴を上げるような声で、しゃべっていた。
非現実感があった。これは、映画なのではないかと、一瞬茜は思った。
だが、チャンネルを変えてもテレビは、ビルが爆破された報道ばかりなのだ。
福屋所長は出かけている。父親である福屋泰三は、事務所にいが、ソファで眠りに就いたようである。安らかに寝息さえ立てている。
茜は、しばらく逡巡していたが、止むにやまれず、事務所を飛び出したのである。
(つづく)




