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実の子が見つかったからと邪険にされたので、屋敷を出た養女の話  作者: 山田 勝


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姉御幼女メアリー

「トーマス、メアリーの姉御が副商会長に相応しい!」

「ロバート、落ち着くネ」


 あれからあたしゃ、姉御と呼ばれるようになったぜ。

 フランク自警団を撃退してからトーマス商会のナンバーツーに推薦されたぜ。


 ロバートさん。このヒゲダルマ・・・手の平を返しやがった。

 メアリーちゃんは7しゃいだ。とても、裏組織のナンバーツーの器ではない。



「メアリーはナンバーツーの器ではないネ」


 ほら、トーマスさんもそう言っている。


「器がでかすぎるネ、裏組織で終わる器ではないネ。だから、ロバートが副商会長ネ」


「ヒィ、そんな」


 だが、この男・・・フランクにビビったように怖さを知っている。これも器なのかもしれない。


「メアリーの姉御、俺、いや、私はどうすれば宜しいのですか?」

 何事も私にお伺いを立てに来るようになった。


「暇な時は、貫手の訓練をするの~」

 と砂の入った壺を突く訓練を命じた。


「はい!やります。お前らもだ」

「「「がってんだ!」」」


 ロバート一派は訓練でもさせよう。

 しかし、やりづらいな。メアリーちゃんは幼女である。

 年上の部下ほどやりづらい者はない。


「メアリー、そろそろ考えておくネ」

「ハニャ?」


 トーマスさんはメアリーちゃんを裏組織から抜け出すべきだと言う。


「どう見ても男爵令嬢で終わる器でもないネ、商業都市に留学にいくカ?案内状をかくヨ」


「メアリーも責任があるの~、もう少し待つの~」


 そうだ。仮にどこかに行くにしても、ヨサブロウ、マリー、トニーと部下がいる。

 メアリーがいなくなった後の生活も考えなければならない。

 ベレッケ侯爵の姉弟とも親交がある。




 と思っていたら・・・織田家康、異世界インチキ日本の将軍の書状が携えた日本人の女性がやってきた。髪はポニーテールのようにまとめている。16歳という。


 忍者みたいな座って礼をして書状を渡す。


「日の本は鎖国じゃないの~」

「鎖国?」


 そうだった。蚕の件があってから定期的に貿易をしているのだ。江戸時代、結構、出島を通して影響し合っていた。


「私、直美と申します。くノ一でございます。平与三郎頼家様お慕いしております。この度、居場所が分かって参りました。家臣の末席ににお加え下さい」

「はにゃ」


 書状を見たが、


『てやんでぇ、べらんめい!ちくしょーめ!もう一人面倒を見やがれ!トントンちき!』

 なんて書かれている。口が悪い将軍様だ。


 ・・・くノ一か、


「芸能、ナンバ走りです!お役に立てます!」


 芸能がスキルだったな。


 ナンバ走り?インチキ古武術家が主張していたような・・・

 クワを使っていたから、昔の日本人は腕と足が同時に出る。だから昔の武術はナンバを意識しなければならない。その武術は西洋の武術、運動をはるかに凌駕するものだ。


 西洋人だって、クワを使っていたじゃないか?と思った物だ・・・


 だが、明治時代初期、ドイツ人の医者が横浜から軽井沢まで人力車に乗ったら、ほぼノンストップで軽井沢まで行ってしまった逸話がある。

 昔の日本人は持久力が優れていたのだろう。


 いや、それは良い。しかし、平和な世ではあまり役に立たない。魔道通信も実用化しているし・・・


 ヨサブロウさんを見る・・・顔は『う~ん』となっている。


「直美殿・・・姫に迷惑がかかるでござる」

「お慕い申して上げておりますわ」

「これ、姫の前で」


 うわ。抱きつきやがった。メアリーちゃんは席を外した。直美か。でも、将軍の依頼だから受けるしかない。


 さて、どうするか。部下が3人と一頭になった。

 串焼きストリートの見回りに行くか。


「マリーしゃん。馬車を出してくだしゃいなの~」

「はい、メアリー様」

「ヒン」



 串焼きストリートに行くと。

 皆が出むかえる。



「メアリーの姉御!」

「メアリー様、ヤキトリをどうぞ」


「ハニャ」

「「「メアリーの姉御!」」」


 ここでも姉御か。

 まるで、〇ヤさんの見回りみたいになっている。


 ここは叱るか。


「みなしゃま、なっていないの~!接客中なの~、持ち場に戻るの~!」

「「「はい!」」」



 そうだ。これは良くない兆候だ。

 あったな。破綻寸前の百貨店の末期、会長が見回りをすると大名行列のように部下が付き従って、営業時間中に店員達は深々と頭を下げる。


 動画を見たときは下手なホラーよりも怖かった。



「メアリー様、仕方ないですよ。フランク団を撃退したのですから、しかもフランクを一喝しましたから・・・平民は守ってくれる者なら幼女でも崇拝するものです。ヒィ、申訳ございません」


 マリーさんが深刻な顔で話しかけて来た。


「マリーしゃん。いいの~、メアリーは幼女なの~」

「メアリー様はどこにも行きませんよね」



 さて、どうするか。と思ったら。



「ナノ様!」


 古い呼び名で呼びかける声が聞こえた。老女の声だ。忘れもしないゼークト領の孤児院長だ。

 昔は「なの~」とばかり泣いていたからその名になった。ナノ(仮)状態だったが。


「ハニャ?メアリーなの~」

「失礼しましたです。ゼークト伯爵からもらった名でしたので変えたのかと思ったのじゃ・」

「メアリーで定着しちゃったの~」


「なつかしいの~、観光なの~」

「いいえ。メアリー様に渡す物がございますのじゃ」


「ハニャ」

「お話があるのじゃ」


 メアリー7歳、孤児院長も来たから少し過去を遡って原点を探るぜ!

 あたしゃ、転生したときのことを思い出すことにした。




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