魔王様。ボクは恋敵?ライバル出現!?ぬるぬるの触手の魔の手が魔王様を襲う!!3
ルシアはキラキラした瞳でそれを嬉しそうに受け取ると待ちきれなかったのかその場でパクッと頬張った。
「……おいしい」
口の周りにホイップクリームをベッタリと付けて嬉しそうに微笑むルシア。
「ルシア。口にいっぱいクリーム付いちゃってるよ……もう、しかたないなぁー」
ボクはそう言ってセシルから出掛ける時に渡された肩に掛けるピンク色のポシェットからハンカチを取り出して、ルシアの口の周りのクリームをハンカチで拭いてあげる。
「んっ……ありがと……」
「どういたしまして」
隣で笑うルシアにボクも微笑み返すと、持っていたチョコバナナクレープを食べた。
「んん~、これおいしい!」
ボクがチョコとクリームのかかったバナナの部分を食べて目を丸くさせていると、ルシアがボクの方をじっと見つめている。
「ルシアもボクのチョコバナナ食べてみる?」
「……うん。たべたい」
「いいよ。はい、どうぞ!」
ボクはルシアの口の前までクレープを持っていくと、ルシアはぱくっと大きな口を開けて一口食べた。
「うん。おいしい……はい。ルーのもどうぞ……おかえし」
ルシアは笑顔でボクに自分のいちご練乳バニラアイスクリームのクレープを差し出した。
「じゃあ、ボクもいただきます」
ボクは口をを開けて噛み付いた。すると、甘酸っぱいいちごに冷たいアイスクリームと練乳の甘さが口の中で溶け合ってとても美味しくて自然と笑みが溢れる。
「ルシア! このクレープもすごく美味しいね!」
「でしょー」
ボクが感激しているとルシアは嬉しそうに微笑んでいる。
こうやって2人でクレープを分け合いながら楽しい時間を過ごす。
その後、街を歩き回りながら異世界から来た異国の勇者が広げたりんご飴を屋台で買って近くのベンチに座って食べていると、パン屋さんから出て来たピンク色の長いウェーブの掛かった髪の同い年くらいの女の子が見えた。
「ありがとうございます。いつもこんなにパンの耳を分けてもらって」
「いいのよ! どうせ捨てちゃうものなんだから、そうだ! リゼちゃん。このパンも持って行きなさい!」
パン屋のおばさんと女の子が話している会話がボクの方まで聞こえて来る。
「いえ! 貰えません! 私、お金持ってないですから!」
「いいの! いいの! 朝に焼いた余り物だし、それに育ち盛りなんだから! もっといっぱい食べなきゃ駄目よ!」
「でも……タダでこんなにパンの耳を分けて貰ってるのに……」
「いいから! 持って行きなさい!」
パン屋のおばさんは遠慮する女の子に半ば無理矢理パンの入った紙袋を押し付けて女の子に手を振った。




