↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/72

#42「ネットはマジ広大すぎだわ」

国洞1号でスライムキングを討伐してからダンジョンを制覇する。


国洞1号のような挑戦者の多いダンジョンでまだ誰も達成できていない最下層到達……しかもソロでというのはとてつもなく難易度が高いものだった。


今回ばかりはしっかりと準備して挑まなければならない。


外出用のお嬢様スタイルになった最上ティアはAV女優仲間である姫澤はるかと一緒にダンジョン用品店に向かった。



「ティアさん、今度の挑戦って1日で終わるんですか?」


「無理無理! 調べたんだけどね、まず深度20にシーカーたちが休憩する場所があってそこで一泊するみたいだし。ていうかさ、そもそも最下層がどのくらい深いのかもわかんないしねー」


「た……大変ですね……」


「だからね、今回はポーションとかもたくさん持っていきたいからダサいけどリュック背負っていくんだよー」



ダンジョン用品店にはダンジョン内で役に立つものが並んでいる。

その中でも最も代表的なのはポーションだった。


実際には「RE:BOOST」や「ENERION」や「ガンバロンS」のような商品名があるのだが効果はどれも似たようなものなので、シーカーたちは有名RPGに倣ってポーションと呼んでいる。


ダンジョン内でのみ採取できる草から作られた疲労回復効果のあるポーションは、ダンジョンの外では飲んでも効果はない。

価格は1本1万円前後。


それ以外にはアクアボールもシーカーの必需品だった。

これは口に入れて噛めば1個で約500mL相当の水分を補給できる。

価格は1個5000円前後。



「マジで高っかいよなー、まーこれだけアレば問題ないかなー」


「わあ! いっぱい買いましたね! ところでティアさんってダンジョン用の服ってないんですか? いつも普段着ですよね?」


「ふふふ、今回のあーしはその辺も考えてるよー」



ティアはスマホを取り出してフォトアルバムから1枚の写真を表示させた。

それは黒を基調としたボディスーツだった。



「どう? なんか街を見下ろしながら「ネットはマジ広大すぎだわ」とか言ってるおねーさんが着てそうでしょ?」


「それはゲームですか? アニメですか? よく意味はわからないですけど……すごいハイレグ……」


「最上ティア専用のダンジョン服を作りたいって繊維メーカーってとこから連絡がきててシカトしてたんだけどさ、今回のために作ってもらったの」


「すごい……今回は準備からして違いますね」


「あっ! そうだ!」



ティアはスマホで電話をかけはじめた。

その相手はダンジョン服を提供した繊維メーカーの担当者だった。



「もしもしー! あのダンジョン服とデザイン合わせたリュックって作れたりしますかー? なる早でなんスけど……え? イケる? マジっすか! ありがとー!」



ティアは自分でも不思議だった。

もともとは暇つぶしではじめていたダンジョン配信だったのに、今回はこれまでにないくらい真剣だった。

プレッシャーがあるわけではない、真剣に楽しんでいたのだ。



「頑張って目標達成してくるよ! 帰ってきたら今度ははるかちゃんの買い物につきあうよー!」


「はい! 私も配信観て応援します! コメントもします!」



そして挑戦日当日の朝。

ティアはAV事務所の社長が運転する車に乗って国洞1号へと向かった。



「ティアちゃーん、そろそろ到着するわよ」



ティアは助手席の窓から外を見た。




付けまつ毛のついた彼女の目には、“おおきなタマネギ”が映っていた。







◆第一章・完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。