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#23「お●●●んランドっスか?」

SSS級ドラゴンをひとりで倒したダンジョンシーカー=最上《もがみ》ティアという存在が知れ渡ってすぐに、世界中のダンジョン硏究者やスキル研究者は彼女が戦っている映像を検証した。


瞬発力やジャンプ力は一流アスリート以上ではあったが、それは全シーカー必須の常時発動《パッシブ》スキルによるもので、最上ティアの身体能力そのものは一般的な女性と大差なかった。


そして硏究者たちが出した結論は、最上ティアは「敵の弱点を見抜く」「敵の動きを読む」事に関して驚異的なほどの優れた感覚を持っている……それはスキルや鍛錬ではなく生まれ持ったセンスに近いというものだった。



ティア本人は自分のその“神ってる”センスについてはずっと気がついていなかった。


彼女は浅い階層に潜り、弱いモンスターだけと戦ってきた。

だから圧勝していても「雑魚だし、こんなもんか」と考えていたのだ。


しかし今は違う。

自分は雑魚と同じように最強クラスモンスターとも戦える事を彼女は知っていた。

自分のそのセンスを信じていた。



ティアは遺跡内で階段を見つけてはどんどん深い階層に降りていく。

深くなるほどにモンスターは強くなっていくが、彼女の表情には恐れのようなものはいっさいなく、自信に満ち溢れていた。


そして遺跡を進むとまた下へ降りる階段があり、そのすぐ上にはかなり大きな鍾乳石が天井から吊り下がっていた。

その鍾乳石には大きな穴がひとつと、小さな穴が無数にある。


ニョロ、ニョロ、ニョロ。


ニョロロロロロ!


鍾乳石の穴のうちの小さな穴の方から、血管の浮いた筋肉のようなロープ状の触手が伸びてきた。

その数は10本以上で、イソギンチャクの触手のようにユラユラと動いている。



「また【ピー!】じゃん! なんなん? このダンジョンって【ピー!】ばっかなん? 国洞20号っておちんちんランド? ブッカケの現場?」



ティアは腰のレイピアを抜いた。



“おちんちんランドは規制ワードに入ってないのねw”

“モンスターはローパーだね”

“触手系か”

“本数多いなー”

“ローパーは鍾乳石や枯れ木に擬態するんだよな”

“大きな方の穴は獲物を食べるための口か”

“レイピアは突きがメインの武器だし不利じゃね?”

“触手を薙ぎ払えないけどどうすんだろ”

“弱点は鍾乳石の中?”

“聖剣ブリトニーで貫通できるか? 硬そうじゃね?”

“ぶらさがってる本体の位置が高いのもしんどいな”



ゆっくりと慎重に、ティアはローパーに近づいていく。

ティアの目は無意識にせわしなく動き、ローパーの特徴や弱点を読み取っていた。



「ふうん、ローパーっていうんだ。こいつの間合いにあーしが入ったら触手を超スピードで伸ばしてくるみたい。あとあの大きな穴で喰われたら割とガチめにヤバいっぽいねー」



さらにすり足のようにして進み……そして。


小さな穴から出ていた触手がいっせいにティアに襲いかかる。

しかしティアは右から左からやってくる触手を、身をかわしたりジャンプしたりして華麗に避けていく。



“うおおおおおおおおお”

“SUGEEEEEEE!”

“動きを読むってどんな感覚なんだろうな”

“高速パンチを全部避けるボクサーみたいだ”

“かっこいいなぁ”



誰の目にも触手がティアを捕まえられるようには見えなかった。そのくらい余裕すら感じさせた。


1本の触手がティアの足首に向かって伸びる。

もちろんこれだって、避けようと思えば簡単に避けられた。



しかしティアは――避けなかった。


にやりと不敵な笑みを浮かべたままその場で動かず、触手が足首に絡みつく。


そして触手は逆さ吊りにするようにしてティアを持ち上げた。

コメント欄は悲鳴や心配する言葉で溢れる。


完全に宙吊りの状態になったティアは、高い位置にいる配信用ドローンに向かってピースサインを出した。



「はい、これでオッケー! じゃあやっつけちゃうよ! こいつの倒し方はねー、えっとぉ、ヒントはエロ漫画ー!」

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