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新たな編成部隊

投稿〜

 ピュルル大森林の魔物討伐作戦開始から約四日間、光龍騎士団の新兵達は耐え切っていたが、その限界も近づいていた中、俺やセラータ達がヨゼフ指揮官に召集され、待機を命じられたテントで待っていたのだが…。


 「…(イライラ)」

 「はぁー…」


 俺の前に座る同期のメーデンが目の前に座りながら睨むようにこちらを見ながら貧乏揺すりをしていた。また、その隣でスキンヘッドのバロッサがため息をついていた。

 

 「なんと言うか、此処は空気が重いな」

 「君は気楽だね…でも空気が重たいのは同意するよ」


 隣に座るのはラインハルトとボーイシュな女性はどちらとも明るく話すが重たい空気は変わらなかった。


 「それよりもどう言った理由で集められたんッスかね?」

 「確かに、私達が集められた理由は何?」

 「分からない。ただ戦果報告の招集にしては早すぎる」


 ここに集められた全員は何故自分達がここに集められた理由を聞かされずにただ集まれと命じられた。

 しかし、確認してわかる事はただ一つ、此処にいる全員は大規模作戦前の報告しに来た時にいた人がほぼ全員揃っているという事だ。

 

 そう、頭で考えているとテントの入り口から上官のヨゼフとその補佐が入室する。


 「ヨゼフ上官が戻られた。総員起立! 敬礼!」


 補佐官の言葉にその場にいた全員が椅子から立ち上がってすぐに上官のヨゼフと補佐官に敬礼をする。


 「うむ、よくぞ集まってくれましたね。さて、あと一日で援軍と合流するとは、言っても自体はあまりよろしくありませんので、すぐに本題に入りましょう」


 ヨゼフ上官はそう言うと中央の椅子に座って俺達新兵も着席する。


 「君達も理解していると思うが、戦線は著しく消耗している。これでは、明日の昼まで保つのは難しいでしょう」

 

 ヨゼフ上官が話す事は無理も無い。現状では、新兵から死者が既に出ており、初日だけでも数名で四日で十名以上の犠牲者が出ている状況下では、指揮の低下が予想出来る。


 「少し宜しいですか?ヨゼフ上官」

 「何だね?」


 ヨゼフ上官に話し掛けるのはヨゼフの部下の一人が挙手して、話し掛ける。


 「新兵の彼らにも話して宜しいのですか?」

 

 その言葉には、俺含め全員が納得するがヨゼフは髭をさすりながらその問いに答える。


 「べつに構いませんよ。此処に呼んだ彼らはほぼ中級騎士階級の昇格は確定ですからね」 


 「「「「「「「!」」」」」」」


 ヨゼフ上官の発言に俺を含めた新兵全員が反応する。


 「そんな昇格が確定している彼らだからこそ、招集したんですからね」


 ヨゼフ上官の言葉を聞いて、俺は納得した。俺達は全員昇格が確定した新兵。つまり、此処にいる全員はこの場で既に中級騎士の立場となっている。


 「そうですか…」


 もし、俺の考えが正しければこの招集は指揮が落ちている現状の中の打開策を打ち出す為に集められたということか…。

  

 「…ヨゼフ上官、少しよろしくでしょうか?」

 「何かね? メーデン君」


 声を上げたのは俺の前に座っていたメーデンだ。


 「失礼ながら二つほどお聞かせください」

 「貴様、ヨゼフ上官に無礼と「構いませんよ」っ!?」


 メーデンの質問に無礼止めようとしたヨゼフ部下が立ち上がって止めようとするがヨゼフ上官によって静止される。


 「では、まず一つ目の質問ですが今回、我々の遠征は本当に光龍騎士団のみの遠征だったのですか? 私の予想が正しければ本当は風龍騎士団と合同遠征だったのではと考えています」

 「ふむ、それに関しては嘘偽り無く答えよう。君が想像した通り、此度の遠征は風龍騎士団と合同遠征だった」

 「やはり、そうでしたか…」


 その言葉を聞いた他の新兵達も納得した。


 「最後の二つ目は、此処いる者たちは本当に中級騎士階級昇格に値する実績があるのですか?」

 

 その言葉に隣に座っていたセラータや一部の者は眉間に皺を寄せた。


 「ふむ、此処に呼ばれた者達は私が見るには中級騎士に値する実力があると言っても不満かね?」

 「いえ、そうではありません。実績を知らない者達に背中を預けれませんから」


 メーデンの言い分は正しいだろう。実力の無い者達が今回の作戦に入れば作戦自体に支障をきたす恐れが生じる。 

 それに現在やっている事は単純な殺し合いでもあり、そんな任務だからこそ、発言できる言葉である。


 「それもそうだね…なら、君の質問に答えよう」


 ヨゼフ上官は髭をさすっていた手を離すと眼を俺達新兵に向ける。


 「まずは、言い出したメーデン君の実績を」

 「構いません」


 ヨゼフ上官が一度、メーデンに確認を取ると構わないと答える。


 「では、メーデン君はゴブリンウォリアー三体とゴブリンメイジ一体を倒した実力持ちです。さらに右翼の防衛を担当で他の新兵達よりも多く魔物を狩り、前に出て戦う姿は指揮向上となっていました。これを見て、今回の部隊編成には、彼の様な指揮向上になる訳で部隊に選びました」

 「兵士として、当然でございます」


 ヨゼフ上官はメーデンの戦果するとメーデンはペコリと頭を下げる。 

 メーデンの話が終わるとヨゼフ上官は次々と他の新兵の戦果や選ばれた理由を答えて行く。


 「次はホウズキ君は、主翼で戦っており、ゴブリンウォリアー、一体と戦果はこの中では、一番低いですが彼の索敵能力は非常に高い為、選びました。事実、三日目の魔物の夜襲にいち早く察知したのはホウズキ君でした」


 三日の魔物による夜襲とは、突然の魔物が攻撃の仕方が変わった異変である。 あの時は、昼の掃討作戦で疲労していた新兵達が休まっている時間帯を狙ってきた奇襲攻撃には、小規模な影響を受けてしまった事である。

 ある新兵がいち早く、察知してくれたおかげで耐える事ができ、被害は最小限に減らせたという。


 それがまさか、ホウズキだったとは…


 「この索敵能力は私の部下よりも高い索敵能力だと、分かりました。そのため中級騎士になる事は間違えないでしょう」

 「兵士として、当たり前のことをしたまでッス」


 ホウズキはいつもより少し畏まった態度でヨゼフ上官にペコリと頭を下げる。


 「最後になりましたがデザール君ですが、彼の方がこの新兵の中では、多くのクラス持ちの中で厄介な魔物を倒してます。オークテイマーを一体にゴブリンメイジ四体と五体のクラス持ちと戦っており、実力は申し分無い上に手が薄くなったところを援護したりと他の新兵達や私の部下からも一眼おける所の多いので選びました」

 「作戦に役立てらのであれば、謹んで」


 俺はそう言い終えると同じ新兵達からの視線を感じとるがヨゼフ上官が言う作戦内容に集中する。


 「さて、長くなりましたが話を戻します。君たちには、他の新兵よりも前に出て戦って貰い、他の新兵達の指揮向上の為に戦ってもらいます。 無論、今辞退するのであれば構いませんが私個人としては受けて欲しい。君達だけには、私が可能な限りな報酬を出す事と付け加えておきます」


 「「「「「「「!!」」」」」」」

 

 このヨゼフ上官の発言に本日二度目の驚きの発言が出る。

 

 「それでは、確認します。辞退する者は挙手を」


 俺を含めた新兵全員は挙手をしなかった。それだけ、今回の事態は重くもあるが報酬を考えると大きなメリットがあると分かったからである。


 「それでは、よろしく頼みますよ新兵諸君」


 ヨゼフ上官のその発言が終わる事で今回の新たな編成部隊の設立がされた。


 ――――――――――――――――――――――


 「ヨゼフ上官…よろしいので?」


 ヨゼフの部下の一人は今回の新兵達への追加報酬の話しに関して、少し不満を持っていた。


 「このような事態で指揮低下は最も避ける事態ですからね…それに援軍は後一日ですが、もしかしたら後1日伸びる可能性があります」

 「っ! それは本当ですか!?」


 ヨゼフの部下はその言葉を聞いて、驚きを隠せない。


 「もしもの話です。それに少し嫌な予感がしますからねぇ」

 「…っ!」


 ヨゼフの眼は少しいつもよりも鋭くなっていることに気がついた部下はゴクリと唾を飲む。


 「あの森から徐々に何か嫌なものが近づいているよな気を感じるんですよ…いやはや、若い頃の血がうずうずして、仕方がないのですよ…」

 

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