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入団試験みたいだ。

 ガヤガヤと人が多く集まる闘技場中に俺はそこにいた。

 どうも、皆さん…デザールだ。現在俺は騎士団の入団式にいる。

 此処で俺が知る限りの帝国軍について、説明をしておこう。

 帝国軍…それはこの大帝国が一番力を入れている場所だ。現在の大帝国は軍事力を上げようとしている。理由は大陸攻略に向けてだ。俺は前世でこの世界…『バルバトス戦記』での知識が多少あるが…そろそろその知識は足りない。これまで俺が知っていた知識はあくまでも物語を進める事で教わる事だった。つまり俺が知っているものは原作開始日時だ。俺は此処から先を知らない。何が起こるかも分からない。また、帝国国内の現状も知らない。

 生き残る為には必要最低限度の知識が必要だ。此処から先に俺が学ぶ事はこの世界を生きる為には力がいる。これから先、俺はどんな苦難に巻き込まれるかはわかないが生きる為に頑張ろう。

 すると鎧を着た男が前に立つと声を上げる。

 

 「それでは、これより入団試験を行う!無能な軍人は帝国軍にはいらん!それ故に貴様らの力を見せてもらう」


 それを聞いた者達はざわざわとするが俺は男の顔を見て話を聞く。


 「今回の入団希望者は約五百名近くいるが軍にはいきなりそれ程養ってやるほど余裕は無い!」


 男は指を鳴らすと後ろに被せてあった布が取られる。

 そこには木で作られた武器が並べてあった。


 「ならば、貴様らの力を見せて私を納得する力を見せよ!合格者は二百名だ!各自決められた数に分かれて、その中か勝ち上がった者を合格者とする!尚、勝ち方は様々だ殺しても殺さなくともよい。何せ勝ち方は自由だからな、近くにいる試験監督を納得させてみせよ!」


 男はそう言い終わると試験官達が決められた数に分け、それが終わると試験を受けもらう者たちに木の武器を選ばせる。

 俺は二尺のある木剣を選ぶ。現在の俺からすれば丁度いい剣の大きさとなる。


 「おいおい、ガキが混じってるぞ」

 「へっへ案外簡単かもな」

 「勝ちは貰ったぜ!」

 

 男達の言葉を聞いて俺かと思ったが俺の周りには俺と同様に身寄りのない子供達も参加していた。

 おそらくだが、俺と同様に金を盗み出してこの日に参加したのだろう。だが、俺は目的の為に此処にいる。例え同じ境遇であろうと勝たねば意味が無い。俺はそう頭に入れながら木剣を両手で握り試し振りする。


 「いや〜お兄さんいい振りしてるスッね!」

 「…!」


 俺は何振りか素振りしていると俺と同じぐらいの赤髪で糸目の青年が声を掛けてきた。


 「おっと、こりゃ失礼!俺っちはホオズキ!以後お見知り置きよッス!」

 「…そうか、俺はデザールだ」

 「デザールていうのか、よろしくス!」


 俺は青年から差し出された手に握手をしておく。

 赤髪で糸目の青年は見た感じ、人懐こく接してくるが挨拶が済むとある程度話すと赤髪の青年は群衆の中へ行き消えて行った。

 何となくだが、赤髪の青年は必ず勝つだろうと思った。理由としては赤髪の青年と握手した時の手と持っていた木剣の形状が特殊だったからだ。確か、ショーテルと呼ばれる剣だった筈…使い方は知らないが厄介な武器に間違えは無い。

 出来れば対戦相手にならない事を祈ろう。


 「各自、木で出来た武器を持ったな!なら、お前達は最初の一番目の試験を受ける者達が終わったのちに始める。それまでに第一試験を受ける者達を見るなり鍛錬をして、時間を潰しておけ、以上だ!」


 試験官はそう言うと去って行った。

 俺はとりあえず、第一試験を観に行った。

 そこに集められた受験者達が立っており、五十名近い人達が闘技場内に入っていた。

 闘技場には瓦礫や壊れた木材がばら撒かれており障害物などになる様になっていた。

 俺は受験者達よりも闘技場内をよく見渡した。


 「お、デザールさんじゃあないッスか!」

 

 俺は名前を呼ばれた方向に顔を向けると同じ受験者の赤髪の青年ホウズキがそこにいた。


 「ホウズキか」

 「デザールさんも他の受験者を見に来たんッスね」

 「あぁ」


 俺は率直に答える。


 「鍛錬をするのもいいが大まかなルールを知って置くのもありだと思ってな」

 「なるほどなるほど!デザールさんは中々入念深いッス」

 「かも知れないな…それとデザールでいい、同じ歳ぐらいだろ」


 ホウズキはそれを聞くと少し驚くがすぐに先程と同じ様にヘラヘラした表情に戻る。


 「じゃあ、ただ観戦するのもあれなんで一緒に第一試験の受験者達の様子を考察しないッスか?デザール」

 「あぁ、わかった」


 俺からすれば助かる申し出だ。この世界の武技や魔法について学べるかも知れない。

 俺とホウズキが話しをしている内に闘技場内に試験官の男が立つ。


 「それでは、これより第一試験組の模擬戦を開始する!」


 どうやら、試験開始の様だ。

 俺は闘技場内の受験者達を見ることにした。

 どんな、受験者がいて、どんな技術を持っているのかを学ぶ為に…。

 

 「模擬戦は試験官が『そこまで』と言うまで行ってもらう!…それでは始めぇ!」


 第一試験が開始された。


入団試験開始ですが主人公がいきなり戦うのもあれかな…と思ったので観戦からスタートです!

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