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おっさんの異世界転生 <俺もテンプレ世界で冒険してぇなぁ~>  作者: ところてんはあんまり・・・
第二章 ケツの毛羽まで毟られろ、学校生活編
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第二十九話 焼肉のネタは何が好き?おっさんは、丸腸とセンマイです

29.



 皆と相談して、グウェンちゃんとベア先生を焼肉に招待することを承諾してもらった。


 来てくれるか不安であったが、グウェンちゃんとベア先生は快く招待に応じてくれた。忙しさも落ちついたのかもしれないな。結局、黒汁魔物にはどういう対応をしていくことになったのか、飲み食いしながら聞いてみるとしよう。


「焼肉か~よいの~はへっ?わたしを誘おてくれるのか? そうか、そうかぁ~。最近忙しかったのじゃ、存分に楽しませてもらうとするかの~」

久々のグウェンちゃんとのお食事だ。楽しんでもらえるとうれしいな。


「私も誘ってくれるのか、ふむ、わかった。ありがたく招待に応じるとしよう、手土産は何がいい?」

 ベア先生は大人な対応だな~。手土産とかその辺がもうかっこいいです先生。先生のお気持ちでお好きなものをお持ち寄りください。





 鉄板の上で肉が焼ける。モリモリ焼いている。色合い悪っ!! ほ~ら、せっかくだから野菜も焼きなさい。野菜炒めも食べないと健康によくないですよ~。

「雑草をのせんじゃねえよ!」

 キーちゃんたらもう、その年で好き嫌いをどうこうは恥ずかしいよ。


「へぇ~不思議な味の野菜ね」

 でしょ? ゼンマイに似た草があったから灰汁抜きして焼いてみたのだよ。

 委員長はとりあえず何でも食べてみる派だな。おばさん臭いとか言ってしまいそうだ。なぜだろうね、何でもとりあえず口に入れてみるようになったら寄る年波を感じてしまうよね。


「カ、カタリアさんって、その、抵抗感とか、あんまりないんだね。ズクタロウくんは平然と毒草を食べさせてくるらしいんだけど」

 あ、委員長が吹き出した。ところで、ナクアさんは何食べたい?でっかいカタツムリを拾ったから焼こうか?


「……成敗で候」

 カロちゃんに叩き落とされた。俺のマイマイがーー! 土まみれになってしまったよ、問題ないか。

 それにしても、カロちゃんはナクアさんになんか甘い気がするな。守ってあげたくなるタイプの女性に弱いのかもしれないな。気をつけろよカロちゃん、女なんて一皮むいたらアレだぞ、怖いぞ、やばいぞ!


「肉じゃ肉じゃ~酒飲むのじゃ~。ハグッ! んぅ~オーク肉は、んまいのぉ~」

 グウェンちゃんはご機嫌だ。ダンジョンから生還してから忙しかったみたいだし、これでお祝いということにしよう。


「うむ、エーイチの肉はさすがだな。エーランクは滅多に市場にも流れないからな」

 そう言ってお肉に舌鼓を打つベア先生。ランクってことは、やっぱり等級だったか・・・。


 A5ランクとかどんなオークが出てくるんだかな。強い個体ほど美味いらしいから横綱みたいなオークが出てくるのだろうか。A1では強さはあんまり変わらないと思ってしまったが、実際はどんなものなんだろうか。


 ベア先生は手土産として、お酒を持ってきてくれた。ミズーリでは学校に入学したときから飲酒可能となる。冒険者として活動していく上で先輩たちから酒を勧められることはよくあるらしく、その練習と思って飲みなさい、とのことだ。

 さすがっすね、先生。すごいな~憧れちゃうなぁ~。グウェンちゃんがカパカパ飲んでいるけど。


「どんどん焼くので、たくさん食べてほしいでござるよ~にんにん♪」

 クームはご機嫌だな。俺と一緒に給仕をやらせてしまって悪かったが、本人がご機嫌なので交代はもう少し経ってから誰かに頼もう。




 一区切りついたな、よしグウェンちゃんとおしゃべりしよっと。何だかんだ言ってゆっくり話すのは久しぶりだ。

「おぉ~ズクタロウではないかぁヒック、どぉしたんじゃぁ~、わたひに何かようなのかのぅ~ウック」

 あ、できあがっちゃっていますね。


「グウェンちゃん、黒汁魔物についてはどうなったんだすか?」

 聞きたかったことを聞こう。今なら緘口令が敷かれている情報でも聞き出せるかも知れない。

「なんじゃ~ヒック、久しぶりに会うたのに~、ほれ、もっと、こう、な?、あるじゃろ~が~、ズクタロウのアホんだらが……」

 ダメだこりゃ。酔うのはやくない?うわっ、ちょっと抱きついてこないでよ。酒くせぇんだよう!はいはい、ほらもうしょうがないなぁ~、おーよしよし。助けてベア先生。


「ふふっ、ズクタロウ、君はグウェン先生に信頼されているのだな。誰かに対してそんな態度を取る彼女を、私は初めて見るよ。彼女はちゃらんぽらんに見えて、非常に慎重でまじめな先生だからな」

 まあ、グウェンちゃんがすごくまじめな先生だということは知っているけどね。学内の教師、生徒ともに信頼に厚いことも知っている。ふむ、そんなグウェンちゃんからの信頼は、正直重いな。裏切らないようにがんばるとしよう。ただ、戦闘中に平然と死ねと命令してくるのは、マジ勘弁。


 天才であるグウェンちゃんの能力を他人にまで要求するのはいただけないな、俺にだけかも知れないけど。何か怒らせるようなことをしただろうか、身に覚えがありまクリスティだ。ありまクリマクリスティだ。

 


 今日は話を聞くのはあきらめよう。それよりも、こうして皆で過ごす時間を精一杯楽しむべきだろう。必修の授業もほとんどの日程を消化し終わっているし、一部の授業を除けばグウェンちゃんともそう何度も会えなくなるかも知れない。

 今年度はまだいいが、来年度になると会うことなど無くなってしまうかも知れないな。

 そう考えると、なんだかすごく寂しい気持になってしまった。アノワイアとセリアンとの別れの時には、こんなことはなかったのにな。今は、この小さいけど、がんばり屋で、すごい先生をギューっと抱きしめておこう。

「ウゥッ!!オェ、オロロロロロ」

 マジ勘弁。



 グウェンちゃんを横向きに寝かせてから、服を着替えて宴会場へと戻ってきた。便利だからって理由で制服を何着も買ってしまったな。学生価格でお安いのだもん。

「うめ、これめっちゃうめ!」

 キーちゃん食べ方がちょっと汚いよ。


「おいし~、ベア先生お酒ありがとうございます」

 ナクアさんの飲むペースが速い。それに、いつもより口が滑らかに動いている。

ベア先生が持ってきたお酒は蒸留酒を果実のジュースで割ったものだった。チューハイみたいだな。ジュース感覚で飲めるから、気が付いたら潰れている可能性がある。これは狙って選んできたんだろうな。痛くなければ覚えませぬ、の精神かぁ。痛いのは翌日の頭だけどね。


「うまうま、でござるよ、にんにん」

「……すぅすぅ」

「うん、65点といったところかしら、獲ってきたばかりにしてはなかなかね」

 おう、それぞれ好き勝手に過ごしていますね。俺も腹に詰め込んでおこう。



「ズクタロウ、お前が気になっていることを私から伝えておこう」

 うん? ああ、黒汁魔物についてか。それは助かるな。さすが、ベア先生だ。

「ミズーリ付近で、黒色の魔石を持つと思われる魔物が複数確認されている。これらは非常に危険な存在として認定された。現在判断できる材料が少ないが、須らく黒色魔石を持っているとされることから、黒石魔物と呼称されることになった」

 なんだ、黒汁魔物じゃないのか。そういえば、ク・リトゥ・リトゥのダンジョンマスターも汁を飛ばしてきた分けではなかったな。


「これらの魔物は西側の山脈地帯で目撃情報が多い。しかも、ここ数カ月間でかなりの増加傾向にあることがわかった。お前たちも、外で活動する時は十分に注意するのだぞ。間違っても戦おうとするな。カロンの事情は聞いているが、お前が止める役目をしろ」

 わかっていますって、魔術師がいない俺達では苦戦どころではなく殺されてしまう可能性が高いですからね。

 グウェンちゃんは特別だとしても、やはり遠距離攻撃の手段は必須だな。二体とも接敵するには危険な相手だった。弓でも習うかな、矢玉が高そうだなぁ。


「うむ、お前はわかっているだろうな。しかし、自分の命を勘定に入れないのはお前の悪い癖だ。友人が大切だと言うのならば、まず自分を大切にしろ。それができなければ、お前だけではなく友人たちも無茶をするようになるぞ。他ならぬ、お前を守るためにな」

 耳が痛いな。本当によく見ていらっしゃることだ。


「まあ、学校の一年に言う事ではないかも知れないな。本来ならば三年間でじっくり学んでいくことだ。だが、今のミズーリは不穏な空気に包まれている。何があってもおかしくはないだろう。場合によってはお前も再び、強大な敵を相手に戦うことになるかも知れん。死ぬなよ、危険になったら尻を捲くって逃げるんだ。後の始末は私たち大人の役目だ」

 死なないですよ。死んで堪るか。



 俺には人生の目的など見つからない。生き残るために、必死になって目標を達成し続けていくことしかできない。そこら辺は、前世から変わっていないな。だから足掻こう、簡単に死など認めて堪るものか。用水路に突き落とされたあの時から、ずっと足掻き続けている。


 久しぶりにまじめな気分になって疲れている俺の前に奴らは現れた。

「タロウ殿ぉ~、飲んでぇないのでぇござぁるかぁ~にぃんにぃん」

「それはいけねぇなぁ、どれオレが酌してやんよぉ~」

「やっぱり、肉よね~、肉脂肉肉脂肉肉肉脂」

「ズクタロウくんも、飲んだ方がいいよぉ~。すっっごくおいしんだもん。あれぇ、ズクタロウくん分身~あははははは」

「・・・zzz」

 すごく、すごく、面倒くさいことになった面々だ。いや、一人は寝ているけど。大学生になって初めての飲み会をしたときの同回生のようだ。俺は酒に無駄に強いから、片付けや介抱ばかりさせられていた苦い記憶が甦ってくる。


「ベア先生、責任とって後始末はお願いしますね。これにてドロンッ!!」

 そういって、俺は逃げ出した。

「あ、ちょっと待てズクタロウ! この野郎! オレの酒が飲めねって言うのかよ! おい、こらぁ! まて! こっちこいや、こらっ!」

 うるせぇ! 酔っ払いなんて同じ話を何度も繰り返したり、急に泣き出したり、笑いだしたり、落ちの無い話を延々とする害悪ばっかりじゃねぇか! よって俺は逃げる! 片付けは明日やるから勝手に楽しみな! 


 それに今は、少しだけ一人になりたい。




 俺は夕闇に染まった街へ飛び出していった。



 次回、思わず学校を飛び出したおっさん、何かを求めて夜の街を行く。そこでみたものは? おっさん衝撃の真実は!? ばっさりカットです。

 次回、ついに学校最大のイベントであるクラス対抗戦が始まります。上級生の選抜者たちと血で血を洗う戦いが繰り広げられる……かも!?


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