第二十七話 ツンデレに黄金比率は9:1だと思います、1:9でも可!
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それぞれ、軽食で昼を済ませた。軽食ってレベルじゃなかったけど。軽食の対義語って何かな、重湯とか?重食って変だよね。油分が多そうだし、ハートアタックグリルとかそれっぽいよね。
俺は結局、バニーニと黒っぽいお茶、それに串焼きを食べた。
この串焼きは以前購入した干し肉と同じ肉を使っていたみたいで大変美味だった。思い切って店主さんに何の肉か聞いてみた。
「ん、この肉か? 何だ坊主はオーク肉を知らないのか」
オークだった。ファンタジー定番の豚さんのお肉を食べていた。いや、設定によっては、エルフの一種だったり亜人の一種だったりするから、もしかしてカニバってました?怖いんですけど、病気とかなったりしないかな。
そう思って青い顔になっていると委員長が補足してくれた。
「オークっていっても、人じゃないわよ。魔物の方のオークモドキよ」
へぇ~、オークは亜人種に入るみたいだ。オークは確かに存在するらしい、しかし、千年前に絶滅したという話を教えてもらった。クッコロできないじゃないですか、やだー。
今は魔物のオークモドキをオークと呼ぶのが一般的なのだそうだ。第五層以降より南によく出没するらしく、肉がおいしく大量に得られるため、冒険者にはよく狙われる魔物らしい。やっちゃいますか、やっちゃいましょうよ!!!俺の目標が定まった瞬間だった。
そう言う分けで、ささっと装備を用意しようね。じゃあ、誰か知っている人は武器防具店を紹介してちょうだいよ。
「オレは知らんぞ、購買で買ったのはお前も知ってるだろ」
「……某も、で候」
「拙者もトト様のお下がりでした故に……にんにん」
「私が棒を買ったお店はダメだよね。魔道具のお店なんだけど、ちょっと遠いし」
まあ、そうそう美味い話はないか。
「私が利用した店なら、連れて行ってあげてもいいけど……失礼なことしない? いや、するわよね。さっきの店でも流れるようにババア発言してたし」
誰だそんなことをしたのは、全く迷惑な話だよ。委員長さんお願いできませんかねぇ~。たのむよ~。
「……一応、連れていくだけ連れて行くわ」
そんな分けで、委員長に案内してもらえることになった。
俺達は第二層にやってきた。第三層とは空気が違う。すごく、場違いです。
これは学生が利用するようなお店のラインナップじゃないな。例えるなら、商店街からブランドの集まる一等地に来てしまったようだ。
「ここのお店よ。そんなに高いところじゃないから大丈夫だと思うわ」
そうですか、すごいですね。さっきのお店もでかいと思ったけど、今回はそれに加えて高級感が漂っている。
さっきのお店がシマ○ラだったら、今度のお店はル○ヴィトンって感じだ。まじっすか~今からここに入るんすか、緊張で胃がシクシクしてきたよ。前世でも一度も入ったことない感じのお店だよ。
「……これはすごいな」
「……まじ者のお嬢様でござったか。あ、にんにん」
「カ、カタリアさんすごいお店を利用するんだね、わ、私、緊張してきちゃったよ」
「……良い匂いがするで候」
委員長の名前がカタリアっていうのか、初めて知ったな。もしかして俺って結構失礼なやつなのだろうか。そんなことない、ないよね?
覚悟を決めて扉を開いて中に入った。
「いらっしゃいませ、お客様、当店の……これはカタリア様、本日はどのような御用件でご来店でしょうか?連絡をいただければ、ご注文のお伺いに向かいましたのに」
もうだめだ、完全にセレブだわ。ピシッとした執事服を着た老紳士がでてくるとは、ここは本当に武器防具を扱う店なのだろうか。靴とかバッグとか財布とか扱っている方が似合っているじゃないのか。
「こんにちは、ランドルフ。今日は学友たちに装備品の店を案内してほしいと頼まれたのよ。私が知っているお店はここくらいしかないのですもの。お邪魔してしまったかしら」
こわっ! 誰このお嬢様!! 委員長、元に戻ってくれよ~。さみしいよ~。
「そんなことはございませんよ。お客様を紹介していただけることはありがたいことでございます。皆さま、失礼ですが、ご予算のほどを伺ってもよろしいでしょうかな?」
俺たちみたいな人にも紳士的何て反則すぎるだろ。しかも吊るし品じゃないのかよ。
「オレは30万くらいで盾を都合したい、できたら防御を重視したものがいい」
すげー、この空気で平然として応対しているよ。キーちゃんもやる時はやる奴なんだな。悔しくなってきた。
「ほう、30万ですか、なかなかの予算ですな。さぞや優秀なのでしょうね、今見本をいくつか持って参ります。お茶を用意させますので、しばらくお待ちください」
お茶出ちゃった……。あ~これは、あれだ。カーディーラーに行った時の対応に似ているわ。
この爺さん、キーちゃんを見て本人の実力で稼ぎを上げたと一瞬で見てとりやがった。ただもんじゃないな。普通は親の金かなんかだと思うはずだろう。
「……某も同額で、グリープとブーツを見せていただきたい」
「拙者は10万ビッテル代で二刀流できるタイプの小剣を見せていただきたいでござりまする、にんにん」
み、みんなガンガン行こうぜ、なんですね。
オレもブーツを見せてもらおう。買えるかどうかはわからないけどね。
それぞれ、見本品を手に持って確かめている。手持無沙汰な俺は爺さんに聞いてみた。
「爺さん、なんで俺達が自分で金を稼いだんだと判断できたんだ?」
直球で聞いてみる。委員長が怒っている気がするが無視だ無視。
「ほっほっほっ、それはですな。カタリア様がご友人とおっしゃって連れてきた方々が、ご両親の資産を当てにする様な者のはずがありえませんからな。お嬢様は友人の選定には大変厳しい眼を持っていらっしゃいますので、私どもの店にお連れするくらい皆さまのことをお認めになっていらっしゃるということでございましょう。そのような方々をどうして粗末に扱えましょうか」
そうだったのか! つまり、委員長も間接的にはボッチ体質だってことなのか!!
ボッチは引力を持っていて、引かれ合う運命でもあるのだろうか。次々にボッチを引き寄せていると、ボッチがボッチでなくなってしまうな。・・良いことだな。これからもドシドシ引き寄せたいものだ。ボッチはいいところだぞ~みんな、帰ってこーーい。
「べ、べつにそう言う分けじゃないんだからね」
委員長は本物のツンデレだったのか。ツンデレって性格が実在することに驚いたよ。あんなもん実際にいたらボッチ確定だろうよ。あ、ボッチだったわ。じゃあ、いいか。これからも、よろしくね?
「よろしくしたいなら、よろしくしてあげるわよ!」
ありがとう。俺は友達ができたとはいえ、まだまだ寂しんボーイだったからね。素直にうれしいよ。
「す、素直にお礼を言うんじゃなくて、いつもみたいにふざけなさいよ。……まったく、もう、これじゃ私がバカみたいじゃないの」
そう言っている委員長とは仲良くやっていけそうな気がする。
ん? クームが妙な目で俺を見ているな。どうかしたのかな、手を振っておこう。あ、目を反らされた。なんだろう、心の病気発症かな?
結局、装備はキーちゃんとカロちゃんだけ購入した。
俺は購買製品にしよう。クームは少し悩んだ後、購入を見送ったようだ。俺と一緒に購買商品を使うそうだ。練習用にはそっちのほうがいいと本人なりの考えがあってのことだ。
名残惜しいが、もう用もないのでお店からお暇した。
「皆さま、『カーター戦器店』一同、またのご来店をお待ちしております」
最後まで紳士された。負けた気分だ。くっそぉぉぉ~おふざけをする隙が見当たらなかったじゃないか。ベア先生のようなタイプに近いな、あの爺さん。飄々として掴みどころがない。この次は、笑わせるか怒らせるか、してみたいものだ。
さって、それじゃ~……どこに遊びに行く?
「知らんな」
「……わからんで候」
「すまんでござる、にんにん……」
「えっと、皆も当てがないの?」
「……友人と遊ぶって何をしたらいいの?」
そういえば、ボッチ集団だったな。ボッチが盛り場を知っているなんてことはありえないね、インターネットもテレビもないから情報入手手段が限られるものね。
とりあえず、喫茶店でもはいる?
結局お茶して帰った。暇な大学生みたいにおしゃべりをしただけだった、でも楽しかったからいいかな。
次までに遊び場を探しておくとクームが気合いを入れていた。俺も探すのを手伝おうかと聞いてみた。
「そ、それでは、その、よさそうなお店があったら、二人で偵察に、い、いくでござるよ、にん、にん」
そんなことを言いながら、落ち着きがなかった。心の病気発症かな?
そんなクームを見て、ナクアさんがほんわかした笑顔を浮かべていたことが記憶に残った。
次回、月に20万ビッテルあったら幸せに生活できる。そのくらいの価値観を持っていたおっさん。しかし、金を稼ぐには金がかかるという矛盾に苦しむことになる。おっさんは豚肉を食べるために戦うのだ。




