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怪文書とひきこもり

家からまともに出たのは何年ぶりだろう。


中学校にはまともに行けなかった。女子の派閥も、階級も、全てが性に合わなかった。いや、多分誰も合ってなどいなかっただろう。適応していただけで。


スイには霊感があった。ずっと話していた友達が、他人には見えていない存在だとわかり、周囲が奇異な目でこちらを見ていることに気づくのが遅れた。そんなスイを派閥に入れるものはなく、階級もハズレ者としてそっと外に置かれていた。


人によれば気楽だろう。無視すればいいのだから。だがスイはそれができるほど心は強くなかった。


でも家から出るきっかけが、まさか異世界召喚とは思わないじゃん。


『朱鷺野スイ様 魔法学校トルトト・エシンへの入学を許可します。どうぞご来校くださいませ』


私がいなくなって悲しむ家族はいなかった。家族は交通事故で死んでいたし、引き取った親戚はスイの霊感を気味悪がり、部屋にほとんど閉じ込めるようにしていた。


迷わずスイは、その怪文書に合意のサインをした。生きてても死んでても同じような生活が続くなら、異世界でやり直しの学園スローライフを送ってやる!あ、ついでに彼氏もできたらいいな!案外私って俗っぽい。


怪文書からパッと光が放たれ、スイは現代日本から消え去った。死亡届が出されたのは、それなりに先のこと。


でも、待っていたのは学園生活でもスローライフでもときめきに満ちた恋愛でもなかった。


あんな男の子分になるなんて…!

異世界でハードライフ(ほのぼの)始めます

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