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クロスリーパー  作者: ルーツ
第二章 新たなる旅立ち

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13.無意識と出発

登場人物


ディヴァインリーパー

ジェシカ グラフ アンディ アリス


グラフの兄    錬金術師

鍛治師グレン   アルス


ミネルバ王国         

第二王女ソフィア  第一王女フェミル(現国王)


覚醒死者      古代マリア

魅惑のアリュール  リーンホークマリア

 ジェシカ、グラフ、アルスはミネルバ王国から遠く離れた丘に到着した。

 ジェシカは二本のロングソードを背負い、アルスとグラフに向かい合うように立つ。


アルスが声をかけた。


「いいか?よく聞け。

 これからジェシカは身体開放を全力で使うだろう。その時、この武器がどんな共鳴を起こすかは正直分からない。一気に開放するな。

 もし異変を感じたら、すぐに剣を離せ。分かったか?」


「分かった。それじゃ、やるよ」


 グラフはあえてジェシカの近くに立ち、静かに声をかける。


「いつでもいいぞ、ジェシカ」


ジェシカは剣に手をかけ、しっかりと握り構える。

息を吸い、力を込め、目に力を入れる──身体開放!


 周囲の空気が揺れ、握る黒い剣の赤黒い血管模様が真紅に変わり始めた。

だが、ジェシカは違和感を覚え、剣を地面に落とす。


「どうした!?何かあったのか?」アルスが駆け寄る。


「う…うん……男の声が頭に響いてきたの」


グラフが冷静に答える。


「それはヴェインだろうな。こいつの血で作られた剣だからな。ジェシカ、こいつは意思のある生きた剣だと思え。お前の力で、もう一度屈服させ従属関係を築くんだ」


「でも、どうやって…?」


「スカーレットローズを使い、お前の血を剣に注げ」


「え…でも壊れたりしない…?」


グラフはアルスを見る。


「悪いなアルス。今からジェシカにスカーレットローズを使わせる。壊れたら…仕方ない。だが今はこれが必要な手段だ」


アルスは笑いながらうなずく。


「ああ、いいぜ、ジェシカ!そんな奴、さっさと従わせろ!」


ジェシカは無言で頷き、剣を再び握る。

 空は晴れ渡り、無風の丘に、約ニ年ぶりに彼女の声が響いた。


「スカーレットローズ!」


 蒼い瞳は真紅に染まり、背中には真紅の羽が生え、身体を覆うように青白いオーラを纏う。

アルスもグラフも、その変化に息を呑む。


ジェシカは手から血を流し、剣に注ぐ。

 赤黒い血管模様が徐々に紅色に染まり、剣は激しく脈を打つように抵抗しながらも徐々に従属していく…。


 だが全力の身体開放でジェシカは気を失い、その場に倒れた。


──意識の中、ヴェインの声が響く……


「──クソがぁぁぁぁ!!」


 しかしもう一人の存在、マリアがジェシカの意識内に介入する。

 威圧によりヴェインは動けず、マリアの真紅の瞳に飲み込まれる。


【………ジェシカよ、血を求めよ】


 ジェシカはグラフに抱きかかえられ、意識を取り戻す。


「ふっ、よかったぜ。意識が戻ったようだな」


「うん…ごめん、グラフ」


「いや、いいんだ」


 剣を確認すると、赤黒かった血管模様は真紅の美しい色に変わっていた。


「身体、大丈夫か?」


「うん!ありがとう、グラフ」


──。


「二人共、少し私から離れて…」


ジェシカは剣を握り、再び全力で身体開放。

 二刀のロングソードが、まるで身体の一部のように自由自在に動き、アルスとグラフは思わず歓声を上げる。


「あははは!す、すげーよ!!」

「ふっ…」


 ジェシカの華麗な剣捌きにアルスは思わずグラフに抱きついた。


ジェシカは笑みを浮かべ、剣を背負い近寄る。

 グラフは頭を優しく撫で、三人は夕暮れの丘を後にし、別荘へと帰るのだった。


───────────────────────


 あれから数日、アンディの体調は回復し、アリスもいつも以上に艶やかだった。

 別荘のリビングには、ジェシカ、グラフ、アンディ、アリス、アルス、そして第二王女ソフィアが集まっていた。アリスは戦略について熱心に話している。


「まず確認だけど、“魅惑のアリュールの膝下”と言われている四人は覚醒者で間違いないのよね?ソフィア」

「こちらの情報では間違いないと思いますわ」


「それで、その覚醒者たちだけど、グラフとアンディは倒せるの?」

「ふっ、俺は問題ない。覚醒者くらいなら何度か経験がある。ただ、こいつのことまではわからん」

アリスはアンディを見つめた。

「ああ、俺も問題ない。何度か経験している」


「分かったわ。それなら私はこの二人を支援に回るわ。私自身は戦闘向きじゃないからね、うふふ」


「それで、ジェシカ。四人のうち一匹だけ相手してもらいたいのだけど、いいかしら?」

「うん!大丈夫。任せて」

「うふふ、お願いね。それと確認だけど血の結晶は持っているわね」

「現地で作ってもらう事になるかもしれないけど、二人は期待せず動いてね。ジェシカは討伐の要なの」

「ああ、分かっている」

「念の為に言うけれど血の結晶は多用しない事よ、依存性を高めると、理性を失い、暴走する可能性があるのだから」


「分かっている」


「こんなところかしらね。それじゃ王女様から何かあればお願いします」


 ソフィアは背筋を伸ばし、一人一人を見渡して今回の依頼を受けたことに感謝の意を述べた。

アルスは少し後ろに立ち、優しく肩に触れる。


「明日、あなた方が向かうと同時に、こちらも第一王女フェミルを王座から引きずり下ろす作戦を実行します。一蓮托生です。どちらも失敗は許されません。ご武運をお祈りします」


 そう言うと、ソフィアとアルスは別荘を出て城へ向かった。


アンディはジェシカに短剣を手渡す。


「え?これは何…?」


「グラフから聞いた話だが、お前は開放せずに相手の懐に入る事ができるらしいな。それなら襲撃用の武器があった方がいいだろ」


「ありがとう、アンディ!」


ジェシカは短剣を受け取り、身につける。


「よし、これで準備万端だね!」

「ディヴァインリーパー初の依頼だ!やるぞー!!」


『おう!』


 こうしてジェシカは、これまで様々な経験を積み重ねてきた仲間たちと共に、魅惑のアリュール討伐へと歩み出したのだった。




───────────────────────


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