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26話【ドルイディ視点】久しぶりに会うルドフィアお姉様

 私が開けたルドフィアお姉様がいると思われるこの扉……なんか他の扉より重かった。


 非力な上に疲れてる私では少し開けるのに、苦労してしまったよ。


 「ぐぬぬ……」と言いながらゆっくりと扉を開ける私を見て、後ろのディエルドたちにもその重さと開けることの大変さはきっと伝わってることだろう。



「……うん」



 ……とまあ、それは置いておこうかな。どうでもいいようなことだしね。


 部屋の中について話そうと思うが、まずリュゼが言っていたようにお姉様は中にいた。


 私やディエルドが知っていて……何度も見たことも話したこともある……正真正銘のお姉様……ルドフィア・ペンデンス・オトノマースが部屋の中にね。



「……お姉様?」


「何かしら? ドルイディ」


「お姉様はそこで何をしているのかな……?」


「なにって……誰か来るのを待っていたのよ」


「待っていたって……」



 ルドフィアお姉様は現在、王城の(お姉様の)自室を完全に再現している部屋……


 そこにある天蓋付きのベッドにて、腰掛けながらこちらを見つめていたのだ。


 それはどうしても監禁されてる人形の姿には見えず、思わず絶句しながら目を擦ったよね……


 ディエルドもさっきから言葉を発してないし……



「はぁ……」


「こらっ、ドルイディ。ため息は幸せが逃げるわよ!」


「そう言ったって……いや、まあ……うん」



 取り敢えず、顔を明るくするよう努める。


 なんか、面倒くさいけど、お姉様が安全であることはわかったわけだし早くリモデルにも会いたいから。


 ……監禁されてるって聞いてたから、もっと酷い目にあってると思っていたし、部屋も拷問部屋のような……拷問器具が揃った物騒な部屋を想像していた。


 それがこんな……拷問部屋とかけ離れた部屋で……監禁されてるとは思えない格好をしてるとはさ。


 私も誰も……想像してなかったわけだよ。



「お姉様……待ってたって言ってたけど、さすがにずっと待っていたわけじゃないんだろう?」


「そうね……私がここに連れてこられたのは昨日の夜だし、貴女たちがここに向かっていることを知るまではそこに小さな机を出してお茶を飲んでいたわ……」



 ご、拷問されていたわけでもリュゼに何か嫌がらせを受けていたわけでもないのか……


 隠している感じでもないしね……これが全く知らない者ならともかく、お姉様が隠していたら何となく私もディエルドとわかる気がするんだよ。


 記憶を消されているとか……? そういう考えも浮かんでいるよ。ここは不思議な館だし、その所有主と思われるリュゼも特殊な人形だしありえなくない。



「お姉様……本当のことを言っているよね?」


「もちろんよ。姉の言うことを疑うなんてよくないわよ?」


「そうだね。ごめん」



 でも、それならなんで『ミツケラレーダー』の点は色が変わってしまっていたのだろう。


 何もないなら色が変わるはずないだろう?


 私は壊れてしまったという可能性を考え、一旦お姉様に待ってもらった後……


 後ろでじっと二人で佇んでいたプララとラッシュにそのことを尋ねに行く。



「ねえ、プララ。ラッシュ。『ミツケラレーダー』が故障しているか確認してほしいんだけど」


「いいのですよ」


「いいのだよ」



 今回はプララが見てくれるらしい。


 プララは私から『ミツケラレーダー』を受け取ると、それを丁寧に見ていく。


 軽く分解もして内部も見ていたが、どうやらプララによると壊れてはいないらしい。


 念の為ということでラッシュにも見てもらったが、プララと同じような答えが返る。



「……うーん」



 私はルドフィアお姉様の前に戻ると、お姉様に戻ってきたことを伝えてベッドの隣に座る。


 私としては立ってもいいんだけど、お姉様が『横に座りなさい』とでも言うようにベッドをパンパンと叩いたからね。断ったら感じが悪い。


 ディエルドも反対側の方に何故か勝手に座っていたし、座らないという選択はなし。



「……ドルイディ、ディエルド。二人とも、会えて嬉しいわ。最近、本当に会えていなかったものね」


「……まあ、そうだね」


「私はいつでも話しかけてくれてよかったのよ? 忙しくて話しかけられないと思っていた感じかしら?」



 そういうことにしておくべきかな……?


 いや、見え透いた嘘をお姉様につくべきじゃないね。



「……ごめん。単純に恋愛に関することを色々調べたり、研究やらで忙しくて……」


「ああ、そっちだったのね。ごめんなさい」



 お姉様はぺこりと頭を下げてくれる。


 ……それに関しては、特にそこまで謝罪するようなことじゃないと思うけどね。



「ディエルドも本当に久しぶりよね」


「オレは本当に暇な時多かったんだけど」


「そうね。貴方に関しては、私の方から避けていた節があるもの。話せないのも不思議じゃないわね」


「えっ!? 意図的に避けてたの? 姉さん酷い!」



 ディエルドが半泣きで絶叫。


 確かに私も面と向かって同じことを言われたら、心の中で泣いてしまうかもしれない。


 もしくはどこかでひっそりと……


 お姉様は本当に容赦のない言い方を昔からするんだよね。私も多少影響を受けてるかも……


 ……まあ、わからないけど。



「そんな落ち込まないでいいわよ。確かに避けていたこともあるけど、貴方も大切な兄弟の一人だもの。大切に思っているから会えて嬉しいのよ」


「そう言われてもすぐには立ち直れないよ、姉さん……」


「悪かったわ。本当に容赦のない言い回しが直せないわ。本当に次から気をつけるわね?」



 お姉様はこう言っているものの、多分次会った時も同じように厳しい言い方をしそうだ。


 自覚が薄いからね。言ってから……酷い時は指摘されないと気づかないということがある。



「あ、そうだ。聞きたいことがあるんだった」



 うっかり忘れるところだった。『ミツケラレーダー』の点の色が変わったことについてだ。


 もちろん、お姉様は『ミツケラレーダー』のことを知らないだろうから見せた上で説明する。


 私はさっき壊れてないか見てもらった『ミツケラレーダー』を懐から取り出すと、それを見せながら聞きたいことがあるということを伝えた。



「……ああ、それは貴女たちに早く来てもらうためにリュゼルスがこの部屋で拷問させてくれたからよ」



 はぁ……? 何を言っているんだ……?


 私が知っているお姉様とはかけ離れたことを言っている目の前の人形に私は困惑する。



「……ってそれはいいでしょ。それより、ちょっと忘れないうちに聞きたいことがあるのよ」


「……っ……なに? お姉様」


「ドルイディ、貴女……『恋』してるでしょ」


「はっ……はぁ……ぁっ!?」



 姉からまたまた飛び出したトンデモ発言に……私は自身の顔を困惑に歪めながら……


 ベッドのシーツの上に……倒れる。


 困惑が最高潮。気絶しなかった私を……誰か褒めてくれてもいいのではないかと……思った。

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*****


明日からまた自動投稿にしていく(かも)です。


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