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セポダ

とある家族が

とある街に住んでおりました。

その家族はとても仲が良く

あたたかな家庭を築いておりました。

その家族の家は

その家族をとても愛しておりました。


家族も

この家を大変気にいり

セポダという名前をつけました。

「セポダちゃん、セポちゃん」

と言われたり、あるときは

「セポダさん、セポダ」

と言われ、たくさん愛されておりました。


平日は、お母さんのママ友や

子供達の友達が訪れ

休日は、お父さんの友人や会社の同僚

様々な人々が集まり

とても

にぎやかなお家でありました。


しかし、ある日のこと

お金のことが原因なのか

心のことが原因なのか

どういうわけか

戦争が

はじまってしまいました。


セポダも

都心に近い家だったので

この家族は

セポダから離れなくては

ならなくなりました。


幾日経っても、幾日経っても

にぎやかだった

家の明かりに電気がつくこと

台所に水が流れること

ふかふかのベッドに

人が寝っ転がることがありませんでした。


セポダは

さびしくて、さびしくて

ついには

紫色の涙を流しておりました。


そうして

幾年も過ぎた

とある日のこと

ようやく終戦が告げられました。


家族は

急いで、疎開先から

愛する、この家、セポダに帰ってきたところ

セポダは、黒い瓦礫(がれき)だけになって

ほとんど、あとかたもなく

なくなっておりました。

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