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巨大回廊の激闘(4)

”イビルアイ”


それは最も危険度が高いボス級限定のエネミーだ。

見た目は宙に浮く直径1.5m程の肉の球体で、中央に巨大な目が1つと、頭に短い触手が幾つか生えている。



そしてその触手の先端には小さな目玉が付いており、その目玉には個々に攻撃能力を有していた。

石化光線、破壊光線、分解光線、睡眠光線など多種多様な攻撃手段を触手眼に備えているのだ。


さらに厄介なのが魔法使い泣かせの”魔法無効化フィールド”である。

それは巨大な目玉が見る一定の範囲で、あらゆる魔法が無効化されてしまうのだった。


故に、イビルアイ戦は大多数の戦力による遠距離戦となるのが定石であった。

しかし死角無しと言わんばかりに極大魔法も使用してくるので、遠距離であっても対策なしでは全滅は必至であるという。



そのイビルアイが身動きの取れない剣聖を認識した。



距離にして30mは離れているが安心は出来ない。

シウスは足下が氷結回廊(アイスコリドー)によって完全に氷結し、未だに解除回復していない。

長い、、変だとシウスは訝しむ。



そしてシウスが危惧していた事態に直面する。



【イビルアイの二重詠唱(デュアルキャスト)が発動】


【イビルアイが激烈熱線(テラーブルヒートレイ)を詠唱】


【イビルアイが雷撃矢(ライトニングボルト)を詠唱】




それは極大魔法では無いが、詠唱が短く高威力の上級魔法だった。



シウスはそれを視認すると即座に納刀する。

その刹那、激烈熱線(テラーブルヒートレイ)が発動した。



超高速の熱線が、焼き尽くそうと一瞬でシウスに到達したかに思えた。

しかし熱線はシウスには届かない。



[シウスの零の太刀 羅生門が発動]



熱線が到達する寸前でシウスの羅生門がそれを切り裂いたのだ。


まるで竹を縦に割る様に切り裂かれた激烈熱線(テラーブルヒートレイ)は、シウスを避けた後その後方で霧散した。



そして間髪入れずに二重詠唱(デュアルキャスト)による雷撃矢(ライトニングボルト)が発動する。


ウェポンスキルによる相殺が間に合わないシウスは、防御に徹した。



轟音が響き渡り雷の矢が剣聖を突き抜ける。

すると剣聖の体力ゲージは防御したにも関わらず、3分の1も消失してしまった。

不可解と言わんばかりの表情がシウスの顔に()ぎる。


だがその頃には足下の氷結も解除され、シウスは即座に移動を始めていた。



シウスは思考する。

自身の装備は、物理防御力を捨てている。

その代わり被魔法ダメージ減少を格段に強化し、さらに魔法レジスト率100%を実現していた。


それなのにイビルアイの雷撃矢(ライトニングボルト)を全くレジスト出来なかった。


これはイビルアイの魔法がクリティカルしたとしか考えられない。

そしてAOでの魔法のクリティカルは、魔法の効果を100%絶対に発揮させる。

だから防御した上から予想以上のダメージを受けたと推測出来た。



ウロボロスのハッカーによって、エネミーの魔法全てが100%クリティカルになるよう操作されていたら、、。

氷結回廊(アイスコリドー)の効果時間が長かったのも頷けた。




洞察し推測すればする程、状況の深刻さが明らかになる。




再びイビルアイが二重詠唱(デュアルキャスト)で魔法を詠唱し出す。


【イビルアイがライトニングエクスプロージョンを詠唱】


【イビルアイがメギドフレアを詠唱】



極大魔法が2つ。

直撃すれば只では済まない。



しかも近接型のボス級エネミー群が、シウスの後背に迫っていた。



もう魔法は被弾どころか、防御も危険だ。

そして物理攻撃も自身の防御力を鑑みれば、受ける訳にはいかない。



さらに最も危惧していた問題が発生する。

"絶掌"のリキャストが回復していないのだ。



剣聖には、後が無くなりつつあった。





その時、イビルアイの頭上に一筋の閃光が縦に走った。


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