村を訪れ
村に着いたブウド達。そこは村"だった"と言っていいほど凄惨なところであった。何とか形を保てている家が数軒、後は突風にでも当てられたかのように崩壊していた。
地面を見てみると干乾び荒れ果てた畑、見るからに廃村だった。
「ここなら多少ではありますが雨風は凌げるはずです」
そう言うと姉はブウドを1番大きな家へと案内しようとした。その時数名の男達がその家から出てきた。
「アミア、お前勝手に村から出て行ったと思えば今度はこんなバケモノを連れてきて‥‥一体どういうつもりだ?」男達の真中にいたリーダーらしき男がアミアと言われていた姉に対し言葉を放った。
「勝手に出て行ったことはごめんなさい。でもこの方は私達を助けてくれたの。だからせめてここで休んでもらおうと思って‥‥」言い終わる前にリーダー格の男が遮った。
「それでこんなバケモノを連れてきたってのか!?ふざけるのも大概にしろ!それでもしこいつが暴れでもしたら他の奴等はどうなるとおもってんだ、お前責任を取れるのか!?」その言葉にアミアは言葉が出なかった。ブウドは確かにアミア達を助けてくれた。しかしだからといって自分達も襲われないと確信が持てなかった。
「そんなことない!」
言葉が出ないアミアに代わり妹のマロンが声を出した。
「おじちゃんはそんなことしない!暴れたりしない!」
根拠はなかったがはっきりと否定したマロンに対し男達は若干たじろいだ。
「だから証拠もなく何で信用出来るんだって聞いてるんだ!」リーダー格の男が姉妹に尋問するように声を荒らげた。
当のブウドは(いやぁ無理にここにいる必要はないんですが‥‥)と蚊帳の外の状態にあった。
するとリーダー格の男が痺れを切らし
「ともかく、こんな奴を村に置いておくことは出来ない!」と男達は武器を持ちブウドを村から追い出そうとした。
(まぁそうなりますよね‥‥)そうしてブウドはもといた森の中へ行こうとしたがマロンがブウドの足にしがみつき、アミアが男達とブウドの間に守るように立った。
「責任は私が取る。だからこの方を休ませてあげて」
か弱い女性だがその目は信念を宿し男達を見た。
その姿に男達は動揺した。リーダー格の男も後ずさりする。
「黙れ!お前がいくら責任取るって言ってもなんにもならねぇんだよ、そこをどけ!」リーダー格の男は武器を持ちブウドに突進した。アミアはそれでも屈することなく立ちはだかる様にブウドを守った。
バキッ!と音がしアミアの目の前にはブウドの太い腕があった。持っていた武器はブウドの太い腕で止められ体重を乗せてもビクともしなかった。
「流石にやりすぎですよ」
巨体からは想像出来ない程穏やかに話した。
「貴方は村のために自分を追い出そうとした、それは間違ってはいません。ですがそのために同じ村人に危害を加えては意味がないじゃないですか」
自分の攻撃が全く通じないことが理解できてしまったリーダー格の男は武持っていた武器を地面に叩きつけた。
「アミア!そのバケモノはお前が責任を持ってどうにかしろよ!」そう言うと元いた家に戻っていった。
「2度も助けて頂いてすみません」
ブウドが頭を下げ御礼を言うアミア。
「いえ別に構いません。それより彼は一体‥‥」
「私の家に少しですが蓄えがあるので宜しければ召し上がってください」
アミアとの会話に疑問が残るブウド。
「おねぇちゃん、おじちゃんカイトの事を聞きたいって」マロンがブウドの問いかけをアミアに伝えた。
マロンの言葉にアミアはハッとしてブウドに謝罪した。
「ごめんなさい!実は貴方の言葉が理解できず勝手にここまで着いてきて頂いたんです」
何度も頭を下げブウドに詫びを入れた。
「そこまでする必要は‥‥聞こえないのか」
妙な感覚に襲われたブウド。自分は相手の言葉を理解出来るのに相手は自分の言葉を理解出来ていない状況。
最初の森の中の男達も言葉が通じなかったのかと納得した。
「あれ?」
ここで新たな疑問が生まれた。
「何故妹さんは自分の言葉を理解出来るんだ?」
この世界の住人は自分の言葉を理解出来ていない、このマロンという娘以外は。
怪訝そうにマロンを見つめるブウド。
「おじちゃん、どうしたの?」
と問いかけるマロン。
「妹さんは」と話しかけようとしたとき「マロン!」と訂正された。ブウドコホンと咳払いした後
「マロン、さんはどうして自分の言葉が分かるんですか?」
マロンはうーんと悩んだ末にブウドに抱きつき
「わかんない!」と笑って答えた。
「そうですか、分からないですか」
とブウドも笑い返した。




