第59話 復興編
シオンの意識がはっきりしてくると、ストレイル伯爵家の部屋の天井が目に入った。
どうやら無事に神界から意識は戻って来たようだ。
両隣を見ると、婚約者のリシアと従魔でドラゴン娘のソニアがシオンに抱き着いて寝ている。
勿論ソニアは人化している状態である。2人ともとんでもない美少女で、シオンには勿体ないぐらいである。
流石に起きるのに動けないので、いつものように先にソニアを起こす。しかし起きない。銀髪の頭をグリグリしてみても起きないので、リシアに声を掛ける。
しかし起きないようなので、リシアに少しいたずらをしてみることにした。
「このまま起きないと・・・君に大変なことをしてしまうよ?本当にいいのかい?」
そう言って耳元に囁きながら、息を吹きかけてみた。すると・・・顔が真っ赤になった。
目が覚めているのは明白であるが、しかし起きようとしない。狸寝入りである。シオンは最終手段に出る。くすぐりである。
「や・・・やだ!シオン止めて!!くすぐったい!あ・・・だめ・・・きゃぁぁぁぁぁ!!」
くすぐられて力が抜けるが、必死に逃げようとする。母親譲りの長い金髪は乱れっぱなしである。
ようやく離してもらえたので、シオンはおはようと声を掛け、着替えを行う。さすがに婚約者とはいえもう15歳である。
出るところは出て、締まるところは引き締まっている。とても魅力的なラインである。それは人化しているドラゴン娘のソニアにも言えることである。
朝から過剰なスキンシップをした為、シオンは先に部屋を出て、外の空気を吸いに行く。すると・・・
「やぁ朝から早いね。シオンも散歩かい?」
そう言って、この家の主であるラディスが声を掛けてきた。
リシアとソニアに抱き着かれて、少し何というかもやもやしていたので、外の空気を吸いに来たと言うと、それはまた贅沢な悩みだと笑っていた。
その上、その悩みを解決してしまっても良いぞと甘い誘惑をしてくる。
確かに親公認の婚約者で、リシアもあれだけ積極的にアプローチしてくれている。シオンも思うところが無いわけでは無かった。
その為、近いうちに考えておきますと、お茶を濁すしかないのであった。
遂に6年経って無事にストレイル領の一部を移譲して貰ったシオンは、王家からの正式の委任状を持って、リシアとソニアを連れてストレイル家を飛び立った。
竜化したソニアの飛行速度なら2日もあれば、オーク共に滅ぼされた町に着けるだろう。
後で連絡すると伝えた3人にも、町が軌道に乗ったら来てもらうことにしている。
3人とは神界で信頼のできる者として考えていた、レイル、アイラ、メイアである。
もう役割は考えている。後は領の運営さえ上手く行けば問題ない。シオンがそう思案している間も、ソニアは町に向かって飛んで行く。
シオンには少し違和感があった。ソニアが何だか少し大きい気がしたのだ。ソニアに聞いてみると・・・
「体が大きくなった?それは私がきっと、LV200以上のハイシルバードラゴンになったせいだと思うのじゃ」
そう言って答えてきた。ソニアのステイタスを見ると・・・
名前:ソニア
職業:ハイシルバードラゴン
GR:A
爵位:無し
称号:シオンの従魔
年齢:149(人換算で約15歳)
性別:女
LV:239(竜化)
HP:SS
MP:SSS
腕力:SS+
防御:SS
俊敏:SS+
知力:SS
幸運:A
確かにLVが200を超えているし、職業もハイシルバードラゴンとなっている。職業がドラゴンというのもあれだが・・・ん?
シオンには1つ不可解なことがあった。LV200からLV239になる間もシオンはソニアに何度も乗っている。その間気付かないというのはおかしい。つまり・・・
「ソニア・・・正直に答えろ。お前・・・太ったな?」
そう言われてソニアは無言になる。おい答えろとシオンが聞くが、飛びながらそっぽを向いている。
シオンは仕方なくこの言葉を口にする。
「答えられないなら・・・食事は減らすしかないかなぁ?今日はレッドボアの旨い所持ってきたのになぁ?」
レッドボアはイノシシ型の魔物で、調理すると旨いのである。それを聞いてソニアが慌てだす。
「ま・・・まて主!それは反則なのじゃ!ご飯を人質に取るなんてあんまりなのじゃ!」
そう言ってソニアの体が揺れる。リシアはその揺れに悲鳴を上げ、シオンに抱きつく。
普通に飛ぶように指示し、結局どうなんだと聞くと・・・
「う・・・ちょっと・・・ちょっとだけなのじゃ。そんなには増えてないのじゃ」
そう目を反らしながら言うので、索敵でステイタスが見えるなら・・・体重も見えるのでは?と考え、見ようとする。すると・・・
「主駄目なのじゃ!乙女の秘密を見るのは駄目なのじゃ!」
このドラゴン娘・・・小癪なことに、ドラゴン状態の時は耐性がつくのか、目一杯索敵のスキルに反発してきた。
あまりの嫌がりように、シオンは仕方なく索敵で見るのを止める。それを感じてソニアも抵抗を止める。
まぁ少しぐらいならいいかと思いつつ、シオン達はオーク共に滅ぼされた町に向かって行くのであった。




