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異世界で好きに生きていいと言われたので、3つの願いをした  作者: 猫丸ストレート
第1章 3つの願い編
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第39話 卒業試験編 (ミスリル鉱山編)

シオン達は2週間の間、休息をとることに決めた。


リシアとスマトラの町を観光する為である。2人ともエウリーの町からは出なかったので、かなり新鮮であった。


2週間があっという間に経ち、シオンはジストの武具屋のレミアに会いに行った。装備品を受け取るためである。


ジストの武具屋に入ると、レミアが出迎えてくれる。


「シオン君待ってたわ。確認してもらいたいから、ちょっとこっちに来てもらえるかしら?」


そう言われたので、シオンは奥のスペースについて行く。


「まずこれがアクアトータスのアダマンタイト品よ」


見せられたアクアトータスの鎧は、前面のひびが入って壊れてしまった部分と、完全に割れてしまった部分を交換している。


前面の部分は全てアダマンタイトになり、背中の部分は上手く魔物の素材で修繕されている。着心地が良さそうだ。


早速装備させてもらい、調整をしてもらう。元々のアクアトータスの鎧よりは少し重くなってしまったが、シオンには誤差である。


リシアにどうか見て貰うと、


「すごく似合ってる!前の薄い水晶のような色も良かったけど、真っ黒の鎧も似合うね!」


どうやら喜んでくれたようだ。それを見て、レミアも嬉しそうだ。


次にミスリルの剣を見せて貰う。前回折れてしまった刀身は取り外され、柄の部分は磨き上げられ、刀身は新品のため輝いている。


エウリーの町のアゼットと同じように、レミアも中々の腕だという事がわかる。


シオンはかなりの出来栄えにレミアにお礼を言い、いくらになるか確認した。


「まずアクアトータスの鎧が金貨35枚で、ミスリルの剣が金貨90枚になるわ」


その後レミアがただし、と付け加えてきた。


「今回は修繕だけじゃなくて、アダマンタイトの剣もご購入いただいたので・・・サービスして金貨120枚で大丈夫です!」


シオンは助かった。まだ資金に余裕はあったが、安くなることに越したことはない。レミアに金貨120枚を渡し、お礼を言ってリシアと店を後にする。


シオンはアダマンタイトの剣を装備し、ミスリルの剣は空間魔法で収納した。無事にこれで装備が整った。


リシアに課題を進めると伝えると、行きましょうとやる気は十分のようだ。


シオン達はミスリルの鉱山に向かうのであった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



ミスリルの鉱山は、町の冒険者に解放されていて、誰でも入ることが出来る。ただし、町に入出する場合は、入り口で検閲される。


これはミスリルなどの鉱石を外に持ち出させない為である。


では町の中で売却してしまえばいいのではないか?と思うだろうが、そこにはかなり重い税金が掛けられており、その辺りは上手くできている。


シオンのように空間魔法で入れ放題という方がおかしいのである。


リシアと2人でミスリルの鉱山の入り口に来ると、順番待ちをしていた。どうやら入る時には名前と冒険者ランクを記入するようだ。


これは中に入った後に、何かあって出てこれない場合や、死亡したときの確認に使われるようだ。


シオン達の番が回ってきたので、シオン達は名前と冒険者ランクを記入した。すると・・・


「え!?Aランクの冒険者!?こっちはBランク!?」


受付の青年に驚かれた。シオン達はギルドでも噂になっていたので、


「おいあいつらまさか・・・オークキングを倒したやつじゃないか?」


「間違いない。リトルデーモンキラーだ」


周りからそんな話声が聞こえてくる。リシアは居心地悪そうに顔をしかめる。それを見て受付の青年は、情報を漏らしてしまってすまないと謝ってきた。


リシアに嫌な思いをさせたので、次からは気を付けてくれと注意し、シオン達は中に入っていった。




中はかなり大きな作りになっているようだ。索敵を起動し、全体図を調べてみて、内容をリシアに教えてあげる。


「この鉱山なんだけど、全部で恐らく15階層ぐらいまでありそうだ。3階層にちらほら人影がある。おそらくこの辺が少しミスリルを発掘できるところだと思う」


そう伝えると、


「3階層ってずいぶん浅いところなのね。もっと奥に行けば、沢山あるのではないかしら?」


リシアの意見は最もである。ただし、索敵でその様子を見ると・・・


「3階層ぐらいまでは安全に取れそうなんだけど、それ以上行くと魔物が生息しているフロアに入りそうなんだ。5階層前後にも冒険者はいるみたいなんだけどね」


リシアはそうなんだと言いつつ、シオンに尋ねる。


「それじゃシオン。私たちは何処まで行くの?」


そう尋ねられて、シオンは索敵に集中する。8階層辺りから魔物の印が黄色になっている。10階層まで行くと紫が混ざる。


さらに進むと赤がかなりの数になる。安全を期すなら8階層ぐらいまでだろう。ただ・・・8階層にも冒険者はいる。ならば・・・


「取り合えず10階層を目指そうと思う。その辺りまでなら、索敵を使えば何とかなると思う」


リシアはシオンのいう事を聞いてくれたので、シオン達は鉱山の中をどんどん進んでいった。



◆◆◆◆◆◆◆◆ 7階層目 ◆◆◆◆◆◆◆◆


リシア!前方100メートルからアイアンアントが13体向かってくる。火魔法で薙ぎ払ってくれ!そうシオンが指示を出すと、


「ファイヤーウォール!!」


アイアンアントの周りを火の海が包む。あまりの熱にアイアンアントがもがき苦しむ。ほとんどはその炎で息絶えたが、数匹が抜けてくる。


それをシオンがアダマンタイトの剣で切り裂く。アイアンアントは真っ二つに割かれ、絶命する。シオンはウォーターを使い、アイアンアントを冷やす。


冷えてきた後に、収納でそれをしまう。


「リシアお疲れ様。大丈夫?疲れてないかい?」


シオンがリシアを気遣うと、問題ないわと返答が戻ってきた。シオン達はそのまま進む。


「やっぱり5階層過ぎた辺りから魔物が多くなってきたね」


そうシオンがリシアに話しかける。


「そうね。冒険者を見かけたのも5階層までが多かったわね。上級冒険者はいないのかしら」


リシアはそう言っているが、5階層で見た彼らは、上級の冒険者だろう。ただ自分やリシアが強くなってしまった為に、そう見えないのだろう。


そう思いながら、索敵をしながらシオン達はさらに奥に進んでいく。すると・・・


8階層でおかしな場所を見つけた。魔物の反応はあるものの、道が無いのである。シオンはリシアに確認する。


「あそこの壁なんだけど・・・どうも向こう側に魔物がいるようなんだが、道が無い。リシアの意見を聞きたい」


リシアはそう問いかけられると、


「隠し部屋かしら?シオンの索敵に引っかかっているのなら、多分そうなんでしょ?倒せそうなのかしら?」


シオンは確認すると、強くても黄色だから、問題ないだろうとリシアに答える。それなら行ってみましょうということになり、シオンは進むことにした。


「アースニードル!」


石で出来た円錐を、その怪しい壁を狙って連射した。すると・・・壁がガラガラと崩れ落ち、道が現れた。


シオンは索敵をしつつ、中に入ると、ナイトバットが襲い掛かってきたが、ウインドカッターでシオンは真っ二つにした。


来ると分かっていれば、対処は余裕で会った。そうすると、広めのフロアに出る。すると・・・シオンの索敵にいきなり表示される印がある。しかも赤である!


周りを警戒していると、上からとんでもない重量が降ってきた。リシアはあまりの揺れに転んでしまう。シオンはその相手を確認する。


相手はミスリルゴーレムであった。その全身がミスリルで覆われ、魔法が効き辛い。マジシャンの天敵ともいえる存在である。


リシアをシオンは立たせ、自動バリアを起動。絶対隠蔽も起動し、魔法障壁を張るように指示。その後、シオンはミスリルゴーレムに立ち向かう。


「ウインドブレイド!!」


風中級魔法をミスリルゴーレムの関節目掛けて打ち込む。多少の傷は入ったが、切断するには遠く及ばない。


リシアがファイアーウォールで牽制するも、その壁を悠々と乗り越えてきて、ビクともしない。これはまずいとシオンは思った。


シオン達のパーティーはどちらかというと魔法寄りである。相手に魔法が効かないとなると、リシアは手が出せない。


そうなるとシオンが一人で何とかするしかない。リシアに中級神聖魔法で、シオンの身体能力をアップするホーリーアップを掛けて貰う。


ミスリルゴーレムが振り回す腕を避けながら、アダマンタイトの剣で切りつける。


さすがはアダマンタイトである。ミスリルの巨体も切り裂くことが出来る。ヒットアンドウエイでとにかく足の関節を狙う。


片方の足に亀裂が入り、ミスリルゴーレムが倒れる。後は額にあるコアを破壊すれば、止めを刺すことが出来る。


止めを刺そうとした瞬間、ミスリルゴーレムが振り回した腕がシオンに迫る。アダマンタイトの剣で防ぐが、吹き飛ばされる。


「さすがにすぐにはやらせてくれないか。ただオークキングの時のようにダメージはないな」


そう独り言を呟き、すぐにシオンは戦闘に復帰して、先に腕を潰すことにした。流石に片足を潰され、動けない状態のミスリルゴーレムは成すすべなく、シオンに討伐された。


「いや~焦った・・・まさかトラップ部屋だったとは・・・リシアがくれた剣が救ってくれた。ありがとう」


そう言うと、贈った甲斐があったわと喜んでくれた。さて問題はこのミスリルゴーレムである。索敵で鑑定すると、


【ミスリル鋼 高純度】


こう表示されている。しかも相当量のミスリルである。シオンは色々考えたが・・・


「いいや全部貰っちゃえ」


そう言って2000キロを超えるミスリル鋼を手に入れるのだった。


無事にミスリル鋼を手に入れたシオン達は、2日程 光玉亭こうぎょくていでゆっくりした後、スマトラの町を出発し、エウリーの町目掛けて、地竜で戻っていくのであった。

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