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011:現実の証明

 この時、あたしは周りの状況を最低限にしか見ていなかった。

 男が4人。 全身をアーマーで覆っているのに何故男と分かるかって?

 股間が盛り上がって、栗臭いのが臭ってくるからさ。


 まあそれはそれとして。

 信じられない報告に、気が付くとあたしはある事をしていた。

 それは、あるものを探す事。


 この場所、この星が地球。 それも現実の地球だと。

 報告だけでは真偽の判断はしようが無い。

 ここもまたゲームが作った地球かも知れないのだ。


 実際、過去閉じ込められた幾つもの世界は、地球を舞台にしていた。

 あの時に五感で感じたものは、今でも本物そのものだと断言できる。

 それほどの、このエンドレスファンタジアの再現する世界は本物めいている。

 この地球は、今回もゲームの世界なのかもしれない。 



 でも……ああでもそうだ。



 もしここが……現実世界であるのならばと。

 さきほどから、ずっとそれを望んでいる。

 馬鹿げている。 有り得ない。 だけどだけど。

 だから確認する……都合の良い妄想が、真実であると思いたいために。


 だから、調べなければならない。 

 決定的な証拠が必要になる。

 疑いようもない、確実な証拠が。


 だって、そうじゃないといけないんだ。

 彼女のために。 自分のために。


 ずっとずっと。 ずーっとずーーーっと。

 あの地獄の中で。

 あの王国の3万年の中で。


 望み続けてきたんだからさ。


 ……方法は簡単。 ここが現実世界なら、存在するものがある。

 ゲーム世界には、決して存在しないもの。 存在できないもの。 存在を許されないもの。

 見つければ良い。  たったそれだけで……ああ……そうだ。


 願いが叶う。


 ……外が五月蠅い……臭い…………邪魔だなぁ……


 あ。


 …………………………見つけた。

 

 見つけた……見つけた見つけた見つけた見つけた見つけた!!


 そこは………………あたしの現実の家。

 あたしと虎龍と、娘の三人が暮らす場所。

 

 王国の技術は凄い。 上空から、家の中が見えている。

 2050年の現実でだって、そんな事流石にできない。

 そうだ……王国の技術は凄いのだ。

 だから望んだのだ。 現実にと。 


 部屋をすべて見ていくと、まず……

 そこにはあるはずのものがない、と言う事を確認できた。


 あたしの現実の肉体……並平普の肉体。

 あたしの伴侶……虎龍の本来の肉体。


 消えている。 掛け布団が、そこにあった体の形を残している。


 そして………………見つけた。 証拠を。

 この世界が、現実世界だという確かな証拠を。


 

 エンドレスファンタジアがインストールされた、新旧のマシンを。



 かつて王国で、エンドレスファンタジアそのものの研究を行おうとした。

 現実ではとても表に出せないが、ならばゲームの中なら?

 ゲームシステムを……現実に稼働しているマシンを、王国で再現すれば。


 優秀な学者達やあたし自身の手で、この摩訶不思議なゲームの謎に迫れるのではと考えたのだ。

 

 サーバーそのものの全情報を読み取り、ゲームデーターを含むすべてを王国内に再現する

 しかし結果は……失敗に終わる。 

 被害は甚大で、王国始まって以来の大規模災害となった。

 

 条件を変え、安全に配慮して試行錯誤すること10回。 すべてが失敗に終わる。

 当時の結論として、


1.マシンを再現自体は可能。

 実際インストールを行っていないマシンなら、無事実体化した。

2.しかしゲームシステムをインストールしたマシンの場合。

 これをゲーム内で再現しようとすると、例外なく周辺を巻き込み大爆発を起こす。

3.非実体状態でも、構成段階から不安定。 完成と同時に爆発している。

 王国の開発した、仮想空間内でさえ同空間を崩壊させた。

4.ゲーム内で本ゲームをインストールしたマシンは再現不可能と判断する。

 

 

 つまり、あたしたちの世界を作り出す、エンドレスファンタジア。

 これがインストールされたマシンが存在するのは、現実世界ただ1つ。

 

 この世界が、現実世界だという確かな証拠……そう。 つまりは。


ストラ「………………」


 まずい。 まずいまずい……何だろう。 この感じ。

 体が震え上がるかんじ。 高揚感? 全身が浮かぶようで。

 気持ちいい……ここち……違う……気持ちいい!!

 こんな感覚、あったのだろうか?!


 無理矢理、体を開発された時より。

 脳を弄られて快感を無限大にされた時より。

 催眠で死ぬまで絶頂が止まらなくなった時より。

 あの時……この時……すべての苦しみはこの時の為に……ああ。


 こんな快感が……この世にあったなんて……!!


 ……確認したい。

 現実で。 だから………………聞いてみよう。


 囲んでいる4人の内、3人はダメだ。

 あたしを犯して殺そうとしている……見えるんだ。 わかるのだ。


 そして今、4人目……今求めている言葉を口にしてくれた。


D「確か、最近……

 日本から、誘拐した連中がいたよな? ならこいつはその……」


 この言葉を口にした、この1人は今は……残す。

 

 早速……処理する。 ……残った一人……これは……妙だ。


ストラ「お前は誰だ……」

 思わず問いかけたが……ああ、そうじゃないのだ。

 もっと聞きたいことが……でも、まあいいや。

 彼は暫く呆けていたけど……答えてくれた。 遺伝子……本名か?


 まあいい、聞いてみる……ここが何処か。

 少し話して……落ち着け。 逃がすな……彼は必要だ。

 確認しなければならない。 安心させるんだ。


 落ち着け。 脳みそだけ取り出して仕舞いたくなる……ああ落ち着くんだ。

 ゆっくりと……ゆっくりと……


ストラ「……ここはどこだ? この場所。 この星だ」

 

 そして、1番聞きたい質問を投げかける。

 彼……ジーンは答える。


 望んだ答えを。


ジーン「ここは確か……ウクライナ……プリチャピ……だ。

 星? ここは……


 地球だ。 太陽系、第三惑星だ。 なんでお前は知らない。 お前は」


 ……この時を、待っていた。

 何年も、何十年も、何百年も、何千年も。

 3万年!!!


 どれほどこの時を望んだか……!

 どれほど、それが叶えばと思っただろう!


 何度も失い、消費されたこの命を使って叶うならと。

 

 それがついに……そうだ。 そうなのだ……!!!


ストラ「……アハ! アハハハハ!! アハハハハハハハハハハ!!!」


 気が付くと、あたしは笑っている。 顔がニヤニヤ歪んで止められない。

 嬉しいからって、まさかそんなと……踊ってる……あはははは。


 こんなに嬉しいと、自然に笑ってしまうんだ。

 あ、嬉しすぎて失禁したかも。 足の間が……まあいいや。 どうでもいいや。

 今だけ狂おう。 狂ってしまえ。 今だけは。

 ずっとこの時を、まったんだからさ。


 嬉しいな……嬉しいなぁ……これで……これで……!


 私の大切な彼女を……虎龍を……茜を。


 救うことが出来るんだ………………!


ストラ「アハハハハハハハハハハ!!!」


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